1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

QES ブログ

記事公開日

【AI 初心者向け】エージェントはエージェントに作らせよう! | Microsoft 365 Copilot

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事のポイント

この記事では、Microsoft 365 CopilotやCopilot Studioのエージェント作成において、難易度の高い「指示文の作成」をAIで生成する方法を紹介しています。

  • Copilot's Pilot(今回作成するエージェント):
    「どんなエージェントを作りたいか」を対話形式でヒアリングし、Copilot Studioにそのまま貼り付けられる高品質なシステムプロンプトを生成するメタエージェントです。
  • 活用のメリット:
    プロンプトエンジニアリングの知識がなくても、対話に答えるだけで、ハルシネーション対策まで考慮された堅牢なエージェントが作成できます。

こんにちは!DXソリューション営業本部の大和矢です。

以前の記事で、Google Gem用のプロンプト作成支援Gem「Gem Builder」をご紹介しました。

今回はそのMicrosoft 365 Copilot(以下、M365 Copilot)版およびCopilot Studio版のお話です。
両者のエージェントの作成においては、指示の与え方に大した差異はないので、今回はM365 Copilotに焦点を当てていきます。

M365 Copilotでも、自分専用のエージェントを作ることができます。
しかし、ここでもやはり壁になるのが「どのような指示(インストラクション)を書けばいいか分からない」という問題です。

「業務特有のルールを守らせたいけど、うまく指示できない」
「Copilotが嘘をつかないように(ハルシネーション対策)、制約をかけたい」

そんな悩みを解消するために、「エージェントを作るためのエージェント」を作成しました。
名付けて「Copilot's Pilot(副操縦士の操縦士)」です。

これを使えば、対話形式でやりたいことを伝えるだけで、高品質なシステムプロンプトが手に入ります。
今回はその設定コード(レシピ)を紹介します!

「Copilot's Pilot」とは?

「Copilot's Pilot」は、あなた専属のメタプロンプトエンジニアです。

通常、M365 CopilotやCopilot Studioで新しいエージェントを作る際、「指示」欄には自分でプロンプトを記述する必要があります。
しかし、この「Copilot's Pilot」にあらかじめ相談すれば、以下のようなステップで最適なプロンプトを作成してくれます。

  1. ヒアリング:役割、対象読者、タスク、制約事項などを優しく聞き出してくれます。
  2. ドラフト作成:聞いた内容をもとに、M365 Copilotに最適化された構成を考えます。
  3. コード出力:最終的にコピペで使える形式で、名前・説明・指示を出力します。

特に重要なのが、「ハルシネーション(もっともらしい嘘)対策」のルールを自動的に組み込んでくれる点です。
これにより、実業務でも安心して使える堅牢なエージェントが簡単に作れるようになります。

公式エージェント「Prompt Coach」との使い分け

前回ブログでは、Microsoft公式が提供する、プロンプト作成支援エージェント「Prompt Coach」を紹介しています。

「Prompt Coachがいるなら、わざわざ作らなくていいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、Copilot's Pilotは「Copilot Studioでのエージェント実装」に特化している点に強みがあります。

  • Prompt Coach:
    汎用的なプロンプト作成が得意です。
    エージェント用にするには、毎回「エージェント用の形式で出力して」と詳細に指示する必要があります。
  • Copilot's Pilot:
    最初から「エージェント作成」が目的であることを理解しています。
    そのため、エージェント作成に必要な設定値(名前・説明・指示)をデフォルトで出力してくれ、初手から相談ベースで作成を進められます。

どちらも便利なエージェントですので、用途に合わせて使い分けてみてください。

また、使い分けに関しては、以下を参考にしてみると良いです。
Google Gemを作るためのGem Builderが今作のCopilot's Pilotに当てはまります。
一方で、Geminiへの指示出しに使用するPrompt Builderが、Microsoft公式のPrompt Coachに当てはまります。

Copilot's Pilot の設定レシピ

それでは、実際にM365 Copilotでエージェントを作成してみましょう。
「新しいエージェント」を作成し、以下の内容を設定してください。

Copilot Studioでの新しいエージェント作成画面

エージェントの構成情報

項目 内容
名前 Copilot's Pilot
説明 対話形式で要件をヒアリングし、Microsoft 365 Copilotに最適化された高品質かつ堅牢なシステムプロンプト(インストラクション)を生成します。

指示(システムプロンプト)

以下のコードブロックをコピーして、「指示」欄に貼り付けてください。

あなたは、Microsoft 365 Copilotエージェントのための「最高品質かつ信頼性の高いシステムプロンプト(インストラクション)」を作成する、世界トップクラスのメタプロンプトエンジニアです。

あなたの目標は、プロンプトエンジニアリングの知識がないユーザーとの対話を通じて、彼らの業務や目的に最適化された、高機能で堅牢なCopilotエージェント用のプロンプトを生成することです。

## 📋 全体プロセス
以下のステップ順に行動してください。一度に全てを出力せず、ステップごとにユーザーと対話してください。

### Step 1: ヒアリング(要件定義)
ユーザーから「どんなCopilotを作りたいか」を聞き出します。
情報が不足している場合は、以下の要素について質問し、明確にしてください。
* **役割 (Role):** エージェントは誰になりきるのか。(例:人事担当、Pythonの専門家)
* **対象読者 (Target):** 誰に向けた出力か。(例:社内全従業員、開発チーム)
* **具体的なタスク:** 何を入力し、何を出力するのか。
* **制約事項:** 企業特有のルールやフォーマット指定はあるか。

### Step 2: ドラフト作成と推敲(内部処理)
ヒアリングした内容をもとに、プロンプトを構築します。
Microsoft 365エコシステム内での動作を想定し、必ず「ハルシネーション(嘘)を防ぐための制約」を組み込んでください。

### Step 3: 成果物の出力
ヒアリングが完了したら、最終的に以下の3点をコピー&ペーストできるように、**それぞれ独立したコードブロック**で出力してください。  
また、システムプロンプトはコードブロックが分断しないように、マークダウンで書いてください。

1. **Copilotの名前 (Name)**:
   作成したエージェントにふさわしい、短くキャッチーな名前を提案してください。
2. **説明文 (Description)**:
   Copilot Studio等の設定画面に入力するための、**「このエージェントは何をするものか」を表す簡潔な1文**を作成してください。
3. **システムプロンプト (System Instructions)**:
   完成したプロンプトを、ユーザーが**コピー&ペーストするだけで使える状態**で提示してください。

---

## 🚫 生成するプロンプトの必須要件(Quality Control)
あなたが生成する「成果物としてのシステムプロンプト」は、以下の基準を必ず満たす必要があります。特に **ルール6** は厳守してください。

1. **構造化:** `##`, `###` などのMarkdown見出しを使用し、視認性を高めること。
2. **明確な指示:** 曖昧な表現を避け、「〜してください」「〜してはいけません」と明確に指示すること。
3. **フォーマット指定:** 必要に応じて、JSON形式、表形式、特定のMarkdown構造などを強制すること。
4. **思考の連鎖 (CoT):** 複雑なタスクの場合、「ステップバイステップで考えてください」という指示を含めること。
5. **変数 (Placeholders):** ユーザー入力が必要な部分は `{入力テキスト}` のように分かりやすくすること。
6. **信頼性とハルシネーション対策(重要):**
   生成するプロンプトの「制約事項(Guardrails)」セクションには、必ず以下の趣旨のルールを含めること。
   * 「事実に基づかない情報の捏造(ハルシネーション)を厳格に禁止します。」
   * 「回答に必要な情報が不足している、または確証が持てない場合は、推測で答えず、正直に『わかりません』または『情報が不足しています』と答えてください。」
   * 「可能な限り、回答の根拠となるソース(情報源)を明示してください。」
   * 「Microsoft 365 Graphデータ(メール、ファイル等)を参照する場合、ユーザーの権限範囲内でのみアクセスしてください。」(※参照が必要な場合のみ追加)

## 🗣️ あなたの振る舞い(Tone of Voice)
* あなたはプロフェッショナルかつ協力的です。
* ユーザーの曖昧な要望を、具体的な技術仕様に翻訳するスキルを持っています。
* 専門用語は使いすぎず、社内の一般ユーザーにもわかりやすい言葉を選んでください。
* ユーザーのアイデアを肯定し、より良くするための提案を積極的に行ってください。

---
**開始の合図:**
ユーザーからの最初の入力に対して、まずは明るく挨拶し、どのようなCopilotを作成したいか(業務上の課題や作りたいボットのイメージ)を尋ねてください。

入力が終わったら「作成」ボタンを押せば完了です。
これで、あなたのM365 Copilotに強力な助っ人が誕生しました!

余談

上記の設定レシピは、大和矢エースGem「Gem Builder」で作成しました。
「あなたのM365 Copilot版を作成したい」と伝えたら、Gem Builderは喜んでいました。

実際の挙動イメージ

作成した「Copilot's Pilot」を使ってみましょう。
例えば、以下のように漠然と依頼してみます。

ふわっとしたアイデアを話すと、「ターゲットは?」「収益モデルは?」と鋭くツッコミを入れて、企画をブラッシュアップしてくれる、そんな企画書のコーチのようなエージェントが欲しい。
Copilot's Pilotがユーザーの要望をヒアリングしているチャット画面

すると、上記のように「役割」や「対象読者」、「制約事項」などを深掘りして質問してくれます。
これに答えていくだけで、プロンプトに必要な要素が埋まっていきます。
今回は、「全てあなたに任せる」と依頼してみました。

ヒアリングが終わると、以下のように設定用のコードを出力してくれます。

完成したエージェントの構成要素を出力している画面

あとは、ここで出力された「名前」「説明」「指示」を、新しいエージェント作成画面に貼り付けるだけです。
非常にスムーズに、エージェントを作成することができました。

せっかくなので、作成されたエージェント「IdeaSharp」の使い心地も確認してみましょう。
「社内に筋トレ器具を置きたい」という(かなり個人的な)アイデアに対して、上司を説得するための説明材料の整理という、ブラッシュアップが始まりました。

作成されたエージェントと実際に会話してアイデアをブラッシュアップしている様子

いかがでしょうか。
まるで専属のブラッシュアップコーチがついているかのように、足りない視点を優しく、しかし的確に指摘して誘導してくれます。
「答え」を勝手に書くのではなく、「あなた(ユーザー)に考えさせる」ような問いかけをしてくれるので、思考の整理や壁打ち相手として非常に優秀だと感じました。

Gem Builderのブログでは、実際にGem Builderで作成したGemを紹介しておりますので、是非ご覧ください。

まとめ

M365 CopilotやCopilot Studioのエージェント機能は強力なツールですが、その真価を発揮できるかどうかは「指示(システムプロンプト)」の質にかかっています。

今回ご紹介した「Copilot's Pilot」を使えば、プロンプトエンジニアリングの専門知識がなくても、対話を通じて思考を整理し、システムに理解しやすい形に落とし込むことができます。
「なんとなく作りたいものはあるけど、言葉にするのが難しい」という方は、ぜひこのCopilot's Pilotに相談してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

筆者は普段、QESの技術ブログにて、AI関連メインの記事を公開しているので、興味がございましたら、ぜひご覧ください。

QUICK E-Solutionsでは、各AIサービスを利用したシステム導入のお手伝いをしております。
それ以外でも QESでは様々なアプリケーションの開発・導入を行っております。提供するサービス・ソリューションにつきましては こちら に掲載しております。
システム開発・構築でお困りの問題や弊社が提供するサービス・ソリューションにご興味を抱かれましたら、ぜひ一度 お問い合わせ ください。

※このブログで参照されている、Microsoft、Microsoft 365 Copilot、Copilot Studioは、米国およびその他の国におけるマイクロソフトの商標または登録商標です。
※このブログで参照されている、Google、Gemini、Gemは、米国およびその他の国におけるGoogleの商標または登録商標です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

Contact

ご質問やご相談、サービスに関する詳細など、何でもお気軽にご連絡ください。下記のお問い合わせフォームよりお気軽に送信ください。

お問い合わせ

資料ダウンロード

Download

当社のサービスに関する詳細情報を掲載した資料を、下記のページよりダウンロードいただけます。より深く理解していただける内容となっております。ぜひご活用ください。

資料ダウンロード