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【Kiro設定編】KiroのAgent Hooksを使ってみた!

この記事のポイント
この記事では、自律型AIエージェント「Kiro」の「Agent Hook」機能を用いて、ドキュメント更新を自動化する方法を紹介しています。
- Agent Hooksによる自動化:
ファイルの保存や編集などのアクションをトリガーにして、AIに特定のタスク(ドキュメント作成など)を自動実行させる仕組みを解説します。 - 自然言語での簡単設定:
複雑な設定ファイルを書かなくても、チャット形式で「Pythonファイル保存時にREADMEを追記して」と依頼するだけでHookを作成してくれます。 - 実際の動作検証:
Hookを設定することで、コードを書くだけで自動的にREADME.mdが生成・更新される様子を、Hookなしの場合と比較して実証します。
こんにちは!DXソリューション営業本部の菊池です。
開発中のドキュメント更新、面倒で後回しにしてしまいませんか?
今回は、そんな悩みを解決するKiroの「Agent Hooks」についてご紹介します。
Kiroの概要については下記ブログをご覧ください。
Agent Hooksとは?
Agent Hooksとは、ユーザーが特定の行為を行うことをトリガーとして、AI Agentが自動でアクションを行う仕組みのことです。
- トリガー:Hookを起動するイベント(ファイル保存、ファイル新規作成など)
- アクション:Hookに設定されたAI Agentが行う作業(コード生成、ファイル更新、ドキュメント作成など)
Hookのメリット
最大のメリットは作業の自動化です。
例えば、アプリケーションに新規機能を追加した際、README自動更新用のHookを設定しておけば、作業者はソースコードの編集のみに集中し、ドキュメントの更新はAIに任せることができます。
Hookの設定手順
では、実際に「Pythonファイルが編集されたときにREADMEに編集内容を追加する」Hookを設定してみましょう。
前提条件として、Kiroがインストールされているものとします。
1. 設定画面の起動
Kiroを起動し、左側メニューのKiroアイコンをクリックします。
AGENT HOOKSにカーソルを合わせると表示される、Open Kiro Hook UIを選択します。
Kiro Hookの設定画面が開きます。
各項目の意味は以下の通りです。
- 1. Event occurs:イベント発生時(ファイル削除、プロンプト送信時など)にHookがトリガーされることの説明です。
- 2. Action executes:イベント発生時にアクション(スクリプト実行やエージェントへのプロンプト送信)が実行されることの説明です。
- 3. Context acquired:コンテキストを読み取り、読み取った情報を元に応答してくれることの説明です。
2. Hookの作成
画面下部のDescribe a hook using natural languageという入力欄に、AIに任せたい動作を入力します。
ここに入力した自然言語を元に、Kiroが自動的にHook設定を生成してくれます。
今回は以下の内容を入力します。
.py形式のファイルが保存されたときに、編集内容を読み取り、READMEに編集分を追記してください。
入力すると右上の ↩ マークが選択できるようになるのでクリックします。
すると、新しいチャットセッションが開き、Kiroが自動的にHookの作成を行います。
3. 設定内容の確認
作成されたHookの内容を確認してみましょう。
Title
作成したフックの名前が設定されています。
Description
作成したHookの説明文が設定されています。
Event
何のアクションをトリガーとするかが設定されています。
今回はファイル保存時と指定したため、File Savedが選択されています。
他にも「File Created(ファイル作成時)」や「File Deleted(ファイル削除時)」などを選択可能です。
File Path(s) to watch
Eventを検知するファイルパスを指定しています。
今回は.py形式と指定したので、*.py となっています。
これにより、ファイル名に関係なく、拡張子が.pyのファイルが保存されたときにHookが起動します。
Instructions for Kiro agent
Hook起動時にKiro agentに投げるプロンプトが設定されています。
※全ての項目は手動で編集できるため、もし意図と違う設定になっていたら手動で修正を行いましょう。
動作確認:README自動更新
設定が完了したので検証を行います。
Kiroに「コマンドプロンプトで動作する簡単な電卓を作成して。パイソン形式でお願いします。」と依頼してみます。
Hookなしの場合
Hookを設定せずに依頼をした場合、calculator.py のみが作成されました。

Hookありの場合
Hookを設定した状態で依頼すると、calculator.py と同時に README.mdが作成されました。

生成途中にHook欄を確認してみると、ロード中の表記になっており、Hookがバックグラウンドで動いていることがわかります。
Hookをクリックすると、別のセッションでREADMEを作成している様子を確認できました。
生成されたREADMEの内容
自動生成されたREADMEは、以下のようにプログラムの機能や使用方法、変更履歴まで記述されていました。
しかし、1点だけ問題として、更新履歴の日付が1年前になっていました。
今回はKiroが自動で作成したHookをそのまま使用しましたが、手動で内容を修正することで、この点は改善できると思います。
# 簡単な電卓プログラム 基本的な四則演算をサポートするPython製の電卓アプリケーションです。 ## 機能 - **足し算**: 2つの数値の加算 - **引き算**: 2つの数値の減算 - **掛け算**: 2つの数値の乗算 - **割り算**: 2つの数値の除算(ゼロ除算エラー処理付き) - **対話式インターフェース**: メニュー形式での操作選択 - **エラーハンドリング**: 無効な入力や例外処理 ## 使用方法 ```bash python calculator.py ``` プログラムを実行すると、以下のメニューが表示されます: ``` === 簡単な電卓 === 操作を選択してください: 1. 足し算 2. 引き算 3. 掛け算 4. 割り算 5. 終了 ``` 1-4の数字を選択して計算を実行し、5で終了します。 ## ファイル構成 - `calculator.py`: メインプログラムファイル ## 実装された機能 ### 基本演算関数 - `add(x, y)`: 足し算 - `subtract(x, y)`: 引き算 - `multiply(x, y)`: 掛け算 - `divide(x, y)`: 割り算(ゼロ除算チェック付き) ### メイン機能 - `calculator()`: 対話式電卓のメイン関数 - ユーザー入力の検証 - エラーハンドリング(ValueError, KeyboardInterrupt) - 継続的な計算セッション ## エラー処理 - ゼロ除算の防止 - 無効な数値入力の検出 - キーボード割り込み(Ctrl+C)への対応 - 無効なメニュー選択の処理 ## 変更履歴 ### 2024-12-25 - 初回作成: 基本的な四則演算電卓プログラムを実装 - 対話式メニューシステムの追加 - 包括的なエラーハンドリングの実装 - 日本語インターフェースでの実装
まとめ
今回はKiroにAgent Hookを設定し、ドキュメント作成を自動化する方法をご紹介しました。
Agent Hooksは、自然言語で簡単に作成でき、開発者のちょっとした手間をなくしてくれます。
ぜひ、身近な雑務をAgent Hooksで自動化し、効果を実感してみてください!
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