記事公開日
【Microsoft Ignite 2025】現地レポート:BRK322 | The future of Power Platform: AI-powered and enterprise-grade

はじめに
みなさんこんにちは。DXソリューション営業本部 佐々木です。セッション「The future of Power Platform: AI-powered and enterprise-grade」に参加したのでレポートいたします。
このセッションでは、企業の複雑なSaaS環境や長年積み重ねてきた業務プロセスを、AIとPower Platformによって根本的に変革する必要があると紹介されています。
Copilotを中心に、すべての労働者や専門家が改善に参加できるように技術を民主化することが強調され、最終的な目標は、人間とAIエージェントが協働し、効率的かつ安全に企業運営を進化させることが必要と説明しています。
セッションの概要
1. 背景と課題
企業は長年にわたり、複雑で断片的なSaaS環境や業務プロセスを積み重ねてきました。その結果、部門ごとに複数のアプリケーションが稼働し、それらをつなぐために多大な人手や一度しか使われないようなツールが作られています。
このような状況では、大規模な業務変革へとつなげることは容易ではありません。
真の変革を実現するためには、小さな改善の積み重ねではなく、大胆な目標から逆算してプロセス全体を再構築する必要となります。
2. Power Platformの役割

Power Platformは、企業の業務プロセスを根本的に変革するための基盤として位置づけられています。
単なる効率化ツールではなく、すべての労働者や専門家に改善の技術を民主化し、誰もが自分の業務に直接関わるアプリやソリューションを構築できる環境を提供します。
これにより、従来の市民開発者だけでなく、現場のプロセスを把握している専門家や情報労働者も積極的に参加し、開発者と協力しながら安全かつ効率的にスケール可能な仕組みを作り上げることができます。
つまり、Power PlatformはAIを活用した業務改善を全社的に広げ、企業の「OS」をアップグレードする役割を担っているのです。
3. Copilotとエージェント

Copilotは、すべての労働者に必要な情報を提供する中核的存在として位置づけられています。
従来の市民開発者や専門的な開発者だけでなく、現場のプロセス専門家や情報労働者も、Copilotを通じて自分の業務に必要なアプリやソリューションを直接構築できるようになります。
例えば、App Builderを使えば、テキストや音声で指示するだけでオンボーディングアプリなどを生成し、SharePointと連携してタスクやデータを即座に反映できます。
さらに、複数のエージェントが役割を分担し、要件定義・データ設計・ソリューション選定・コーディングなどを並行して進めることで、開発者と非開発者が同じ場で協働し、迅速かつ安全に業務プロセスを近代化できるのです。
4. 次世代の体験「Vibe.Powerapps」

「Vibe.Powerapps」は、従来の個人レベルのアプリ構築を超えて、部門全体のオペレーティングシステムを近代化するために設計された新しい体験です。
この環境では、複数のエージェントが同時に協働し、要件定義、データモデル設計、ソリューション選定、さらにはReactによるフルスタック開発までを並行して進めることができます。
要件エージェントやデータエージェント、ソリューションエージェント、コーディングエージェントといった役割が連携することで、プロ開発者と業務担当者が同じ場で協力し、迅速かつ安全にソリューションを構築できるのが特徴です。
これにより、単なるプロトタイプにとどまらず、初日からグローバル規模で厳格に管理された業務システムを提供できる次世代のプラットフォームとして機能します。
5. 総括
このセッションの核心は、企業が抱える複雑なSaaS環境や長年積み重ねてきた業務プロセスを、AIとPower Platformによって根本的にアップグレードすることにあります。
Power Platformは、単なる効率化のためのツールではなく、すべての労働者やプロセス専門家に改善の技術を民主化し、開発者と非開発者が協働できる基盤を提供します。
その中心にあるCopilotとエージェントは、誰もがテキストや音声からアプリを構築できる環境を整え、さらに「Vibe.Powerapps」によって部門全体のオペレーティングシステムを近代化する次世代体験を可能にします。
最終的な目標は、人間とAIエージェントが協働し、効率的かつ安全に企業運営を進化させることです。
セッションのリンク
本セッションの詳細は以下の公式サイトをご確認ください
https://ignite.microsoft.com/en-US/sessions/BRK322?source=sessions
まとめ
これまでのAIエージェントやPower Platformは個別業務の効率化ツールという印象を持っていましたが、「企業のOSを根本的にアップグレードする」というビジョンを新しく知ることができました。また、CopilotやApp Builderを使って簡単にアプリを構築し、複数のエージェントが協働して部門全体のシステムを近代化する仕組みを構築することで、従来の「小さな改善」から「大きな変革」へと広げるきっかけになるのだと気が付きました。
これまで以上に、AI活用はすべての業務に深くかかわるものだと感じたため、私も理解を深めていきたいと思います!
QES では Power Platform の開発支援、QAサポート、開発者教育、ガバナンス整備など、組織で Power Platform を活用するためのサポートを包括的にご提供しています。Power Platform 活用についてご興味がある/利用中だが課題を感じていらっしゃるお客様はまずはお気軽にお問い合わせください。
このブログで参照されている、Microsoft、Windows、その他のマイクロソフト製品およびサービスは、米国およびその他の国におけるマイクロソフトの商標または登録商標です。

