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【Microsoft Ignite 2025】なぜ今、マイクロソフトはMSPに力を注ぐのか?(AIで乗り越える課題とは)

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AI時代におけるMSPの最大の課題

マイクロソフト社はすでに膨大な資金をOpenAIに投資し、AzureによってAIの開発が進んでいる。ユーザーによるAIサービスは、財布の紐が固いこともあり「AIバブル」が注目される中、OpenAIは収益化に向けた発表を行ったばかりだ。今のマイクロソフトが何を語るのか、注目する業界人は多く、初日の今日は何が語られるのか。11月18日から開催された、「Microsoft Ignite」で、何が語られるのか。それを探るためにサンフランシスコへ行った。現地で見聞きしたことを報告する。

私が注目したのは、マイクロソフト社による「マネージドサービスプロバイダー(MSP)」への対応について。MSPは、企業のクラウド環境の監視、運用、保守などを代行する「マネージドサービスプロバイダー」のことで、オンプレミス、クラウドを問わず、複雑化した顧客環境を可視化し、システムやサービスの改善を図る必要がある。システムを24時間365日監視し、障害発生時の一次対応や運用管理を専門知識を持つ事業者が提供していたが、昨今は発達したAIによって、「異常の予測」「課題チケットの自動分類」「ユーザーの問題に対する解決策の提案」など様々な業務を自動化し、差別化をしている。マイクロソフト社は、北米地域に「MSPマッチメーカー」というプログラムを提供しており、MSPからAzureが選択されるための戦略を行っている。近い将来、日本への導入も行われるのではないだろうか。
欧州のインフラストラクチャ&クラウドMSPの設立と拡大にも携わった経験を持つジャン・ジョフラ氏(Jan Jofra)の講演で、彼の市場分析と現在の環境課題を赤裸々に語ってくれた。

市場の急成長と新たなプレッシャー

クラウド市場は急速に拡大し、今年の年末までに 4700億ドルの契約が見込まれている。さらに、マーケットプレイス経由の収益は今後5年間で 1630億ドルに達し、その60%がパートナー企業に還元される見込みであるそうだ。
ジャン・ジョフラ氏「この巨大なチャンスを前に、AIをポートフォリオに組み込むことは「ミッションクリティカル」であり、実際にAIソリューション提供に関心を持つMSPは 「14%から44%へ急成長している」と語る。
AIはIT業界に破壊的な変革をもたらしており、特にMSP(マネージドサービスプロバイダー)は、クラウド市場の急成長に対応するため、効率化・差別化・収益化を同時に実現する必要があると考えているようだ。しかし、その道のりにおける最大の障壁は、「人材不足」 というから驚きだ。

最大の壁は「人材不足」

採用市場はかつてないほど厳しく、必要なスキルを持つ人材は「ユニコーン」と呼ばれるほど希少な状況。
MSPが直面する課題の中でも、人材不足は 30% を占め、「業務効率化」や「差別化」と並ぶ深刻な問題となっている。


AIで人材不足を乗り越える方法

AIは単なる技術ではなく、人材不足を補う「戦略的パートナー」というジョフラ氏。この課題を乗り越えるには3つの方法があるという。

  • 業務の自動化     :請求処理やチケット管理など、従来40時間以上かかっていた作業をAIで短縮。
  • AIOpsの活用     :異常検知、チケット分類、解決策提案を自動化し、技術者の負担を軽減。
  • ノーコードエージェント:専門スキル不要で構築できるAIエージェントにより、現場の即戦力を強化。

こうした取り組みにより、限られた人材を「より価値の高い業務」に集中させることが可能になるとジャン・ジョフラ氏は語る。

 

成功のためのフレームワークとリソース

TD SYNNEXが提供する支援策は、人材不足を補うための強力な武器である。

  • AI Gameplan      :ユースケースを特定し、優先順位を明確化。
  • Cloud Labs       :実践的なAIエージェント開発環境を提供。
  • MSP Evolveフレームワーク:差別化と成長戦略を体系化。

さらに、資格取得支援やインセンティブプログラムを活用することで、スキルアップとコスト削減を同時に実現が可能。
マイクロソフト社は拡大するクラウド環境をより多く獲得するため、「MSPサポート」を自身の成長戦略としていることが読み取れる。


 

人材不足をチャンスに変える未来戦略

人材不足が今のMSPにとって最大の課題だが、AIを活用することで「成長の加速装置」に変わる。自動化と効率化を進め、既存のチームを最大限に活用することで、競争力を維持しながら新しい収益モデルを構築することが、未来への戦略となる。

参考:https://ignite.microsoft.com/en-US/sessions/BRKSP451?source=sessions


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