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【Google Workspace】メール受信から会議、そして返信作成までをGeminiの拡張機能を使って試してみた【小ネタ】

はじめに
DXソリューション営業本部の三浦です。
日々の業務において、メールの内容に対して、サクッと方針を決めて返信をしたいときってありますよね?
1人では判断できないからチームで相談するものの、「決まった内容をメールで返す」という作業が地味に面倒くさい…。
私自身、これまではGeminiに返信文案を考えてもらうために、以下のような作業を行っていました。
- 受信したメールの本文をコピー&ペースト
- チャットや会議で決まった内容をコピー&ペースト
- 「上記を踏まえて返信を書いて」とプロンプトを入力
しかし、GeminiとGoogle Workspaceアプリの拡張機能を使えば、この「コピペ」という手間を減らせることに気づきました。「Meetでサクッと決めて、その文脈をAIに直接読ませて返信する」というフローを検証してみましたので、その結果を共有します。
検証内容
今回は「Google Workspace 拡張機能」を使用し、GeminiにGmailとGoogleドライブ(議事録)を直接参照させて返信文を作成させます。
また、会議中に発生した「メールの返信に関係のない雑談」が、生成される返信メールに混ざらないかも併せて検証します。
前提条件
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Google Workspace プラン: Business Standard以上
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Gemini設定: アプリ設定で「Google Workspace 拡張機能」がONになっていること
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事前準備: メール返信用のGem(カスタムGemini)を作成済み(※なくても標準のGeminiで対応可能ですが、精度向上のため推奨)
↓Gemの作成方法については以下のブログを参考にしてみてください!
検証シナリオ
1. メールの受信
同僚から以下のような「ランチの希望」を募るメールを受信しました。
件名:ランチのお店選びについて
本文:お疲れ様です。来週水曜日のランチですが、お店の予約のため希望を取りたいと思います。以下3種類から、行きたい場所を1つ決めてください。
「定食屋」※魚が美味しいですが、混む可能性があります。
「インドカレー」※提供は早いです。辛さが選べます。
「中華料理」※円卓で話がしやすいです。
予約の都合上、本日中に返信をお願いします。
2. Google Meetでの相談と雑談
この件について、Google Meetを使って同僚と相談しました。
会議ではGeminiによる「議事録の自動作成」を有効にしています。
【実際の会話の流れ】
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ランチの決定: 菊池さんが「魚が食べたい」と言ったため、「定食屋」に決定。
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雑談(ノイズ): ついでに資格試験の進捗について質問。「来週試験があるから問題集を解いている」といった会話など、ランチとは無関係な話をする。
【生成された議事録(抜粋)】
会議が終わると会議メモがメールで送られてきます。(会議主催者のマイドライブ上に保存されます。)
Geminiが作成した議事録には、決定事項と雑談の両方が記録されています。
来週水曜日のランチの決定: ……菊池は魚を食べたいという理由から定食屋を希望しました。……ランチを定食屋にすることを決定し、大和矢君に連絡すると伝えました。
資格試験の進捗: ……菊池は、来週試験があるため、空いている時間に問題集を解くなどして対策をしていると回答しました。……
3. Geminiによる返信文の作成
ここからが本番です。メール本文も議事録もコピペせず、以下のプロンプトだけでGemini(返信用Gem)に指示を出しました。
実行すると、メールとファイルを検索しに行きました。
※拡張機能を使用しないケースもあるため、gem内で定義することで確実性の向上が見込まれます。
検証結果
Geminiが出力した返信案は以下の通りです。
件名: Re: ランチのお店選びについて
本文: 株式会社QUICK E-Solutions 大和矢 様
平素よりお世話になっております。 QES三浦です。
ご連絡ありがとうございます。 来週水曜日のランチの場所について →「定食屋」でお願いいたします。
菊池君と相談したところ、魚を食べたいとの希望がありましたので、今回は定食屋に決めました。
以上、よろしくお願いいたします。
考察
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情報の正確な抽出: 「定食屋」という決定事項だけでなく、「魚を食べたいから」という理由まで議事録から拾い上げ、メール文面に落とし込んでいます。
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ノイズのフィルタリング: 議事録には明確に残っていた「資格試験の勉強」に関する記述は、返信メールには一切含まれませんでした。Geminiは「メールへの返信を作成する」という目的を理解し、ランチに関係のない話題は不要であると適切に判断ができていることがわかります。
まとめ
Google Workspaceの拡張機能を活用することで、アプリ間の「コピペ」という手間を省略し、シームレスな連携が可能であることが確認できました。
特に、会議の議事録をそのまま渡しても、AIが「何が重要で、何が雑談か」を判断してくれる点は実用的です。「Meetで話して決める」というシーンにおいて、Geminiは強力なアシスタントになると感じました。
Gemini in GmailでもGeminiアプリと同等の回答が出るようになるとさらに便利になりそうなので、アップデートに期待しつつ、より便利な方法がないか検証を続けていきます!
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