記事公開日
【AWS re:Invent 2025】Amazon Bedrockを使用した生成 AIセキュリティランブックの構築ワークショップ参加レポート

ITプロダクト開発本部の齋藤です。
AWS re:Invent 2025の「生成AIを用いたセキュリティ運用」を学べるワークショップに参加してきました。
セキュリティ運用は、日々増加する検出結果への対応、ポリシー遵守の確認、そして修復作業のコード化など、多くの手間と専門知識が必要です。このワークショップは、AWS Security Hub、Amazon Bedrock、Bedrock Agentを活用し、これらのセキュリティ運用をAIによってインテリジェントに自動化する「生成AIセキュリティランブック」の構築を学ぶ、実践的な内容でした。
今回は、ワークショップを通して生成AIによるセキュリティ運用の強化について学んだことをまとめさせていただきます!
セッション情報
セッション名
Build generative AI security runbooks with Amazon Bedrock (Amazon Bedrockを使用した生成 AIセキュリティランブックの構築)
概要
Amazon BedrockとBedrock Agentsを活用し、AWS Security Hubの検出結果を分析・修復するためのインテリジェントな生成AIランブックワークフローを構築するハンズオン形式のセッションです。
生成AIセキュリティランブックについて
Amazon Bedrockを使用した生成AIセキュリティランブックとは、大規模言語モデル(LLM)である Claude Sonnet などの生成AIをコアエンジンとして組み込み、AWS Security Hubなどのセキュリティツールから得られた検出結果(Finding)に対して、自動的な分析、修復ガイダンスの生成、そして実際の修復コードの生成/実行 を行う一連のワークフローです。
AIによるセキュリティ自動化の4つのステップ
ワークショップは、以下の4つのStepで構成され、段階的にAIエージェントの能力を拡張していくプロセスを体験しました。
Step1.検出結果の要約と修復
AWS Security Hubから取得した具体的な検出結果(例: ポート22が0.0.0.0/0に開いているEC2セキュリティグループの検出)のJSONデータを、システムプロンプトとXMLタグを使ってClaude Sonnetに渡し、アクション可能な次のステップを自然言語で返させます。
検出結果を修復するため(例: ポート22へのインバウンドアクセスを削除)のPython関数の作成をClaude Sonnetに指示し、コードを生成させました。
Step2.ツールを使用したリアルタイムデータ取得
特定の重大度(CRITICAL, HIGH, MEDIUM)の検出結果を取得する ツールとしてget_findings_by_severity 関数を JSONスキーマオブジェクト で定義し、Claude Sonnetに渡します。 ユーザーが質問をすると、Claude Sonnetは自身で回答せず、定義されたツールを呼び出すためのパラメータを出力して一時停止(プランニング)します。AWS APIを呼び出して得られた結果をClaude Sonnetに再び入力すると、Claudeはそのリアルタイムデータに基づいて最終的な回答を生成します。
Step3.ヒューマンインザループの実装
Step4.Amazon Bedrock ナレッジベースの使用
組織のカスタムパスワードポリシーを記述したファイルをS3にアップロードし、Amazon Bedrock ナレッジベース を作成します。「IAMパスワードポリシーが弱い」という検出結果に対し、ナレッジベースをコンテキストとしてClaude Sonnetに質問します。Claude Sonnetは、検出結果とナレッジベースの情報を照合し、組織固有の要件を満たす 更新用のPythonコードを生成します。
まとめ
Amazon BedrockとClaude Sonnetを核として、AWS Security Hubの検出結果に対するセキュリティ運用を自動化する手法を学ぶことができました。Bedrock Agentは、セキュリティ調査、コード生成、ポリシー適用までをAIが主導する、自動修復ワークフローを実現します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もし「このサービスについて知りたい」「AWS環境の構築、移行」などのリクエストがございましたら、弊社お問合せフォームまでお気軽にご連絡ください。 複雑な内容に関するお問い合わせの場合には直接営業からご連絡を差し上げます。 また、よろしければ以下のリンクもご覧ください!
<QES関連ソリューション/ブログ>
<QESが参画しているAWSのセキュリティ推進コンソーシアムがホワイトペーパーを公開しました>
※Amazon Web Services、”Powered by Amazon Web Services”ロゴ、およびブログで使用されるその他のAWS商標は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。


