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Power Platformの次の一手!Code Apps入門と使い分け

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この記事の重要ポイント
- Power Apps Code Apps は、本格的な Web アプリを Power Platform の安心感(認証・データ・配布)の上で動かせる仕組みです。
- 標準機能で足りるものはモデル駆動型・キャンバスアプリで、作り込みが核になる部分だけ Code Apps、という使い分けが投資対効果を左右します。
- テンプレートとAIコーディング支援を使えば「触れる試作品」は数時間で立ち上げられ、社内配布の段階で利用者に Power Apps Premium 等のライセンスが必要です。
こんにちは、DXソリューション営業本部の中井です。
本ブログでは、ノーコードの「あと一歩」を埋める選択肢として注目される Power Apps Code Apps をやさしく解説します。
あわせて、実際に「3D で会社のフロアを表示して座席を予約できるアプリ」を作ってみた様子を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
執筆者:中井(DXソリューション営業本部)
Power Platform を中心に業務改善・DX 推進に従事。
市民開発者の教育・コミュニティ運営支援やガバナンス整備を強みとし、ハンズオン/ハッカソン登壇は数十件以上。
はじめに
業務アプリの内製に取り組んでいると、こんな場面に出会いませんか?
- 「Power Apps で申請フォームは作れた。でも“こういう見せ方”がしたいのに、標準機能だと難しい」
- 「現場が本当に使いたいのは、もっと直感的で“触って楽しい”画面なのに」
ノーコードツールは素早く作れる反面、見た目や操作感の作り込みには限界があります。
その「あと一歩」を埋める選択肢が、今回ご紹介する Power Apps Code Apps(コードアプリ)です。
Power Apps Code Apps をひとことで言うと
本格的な Web アプリを、Power Platform の中で動かせる仕組みです。
- これまで Power Apps は、用意された部品を組み合わせて画面を作る方式が中心でした。
- Code Apps は、Web サイト制作で使われる本格的な技術でアプリの見た目を自由に作り、それをそのまま Power Platform 上のアプリとして配布できます。
- 一方で、データの保管(Dataverse)・ログイン認証・配布といった“土台”の部分は、これまで通り Power Platform に任せられます。
💡 ポイント
作りこみは コードを読める方(または外部パートナー)が担当することを推奨します。
誰でもドラッグ&ドロップで、という性質のものではありませんので、ここは次の「使い分け」で整理します。
「ノーコード」と「Code Apps」の使い分け早見表
Power Platform には複数のアプリの作り方がありますが、全部 Code Apps にすればいいというわけではありません。
下記早見表は、個人的な意見となりますが目的に合わせて選ぶことを推奨いたします。
| こんな要件なら | おすすめ | ひとこと |
|---|---|---|
| 申請・台帳など、標準的な一覧+入力フォームで十分 | モデル駆動型アプリ | 表とフォームを自動生成。最速で作れる |
| 簡単な画面をノーコードでサッと | キャンバスアプリ | 小規模・部門限定の補助業務に |
| 独自の見た目・凝った操作感・特殊な表現が主役 | Code Apps | 3D・地図・グラフなど“作り込み”に強い |
今回の「フロアを3Dで見せる」というのは、まさに最後のケースです。
標準機能では難しいため Code Apps を使ってみました。
やってみた — 3Dフロアマップで座席を予約するアプリ
どんなアプリ?
フリーアドレス(固定席を持たない働き方)のオフィスを想定し、こんなアプリを作りました。
- 会社のフロアを 3D で表示
- マウスでくるくる回したり、拡大縮小したりできます
- 日付と時間帯(終日/午前/午後)を選ぶと、各座席が色で「空き状況」を教えてくれる
- 緑=空き 青=自分の予約 赤=他の人が予約済み グレー=メンテ中
- 空いている席をクリックするだけで予約完了
- 自分の予約はワンタップでキャンセル
「席を探す → 予約する」という行動が、地図を見る感覚でできるのがポイントです。


画面はぜんぶで4つ
| 画面 | できること |
|---|---|
| 3Dフロアマップ | メイン画面。3Dで席を見て予約する |
| 予約一覧 | 自分の予約や全体の状況を確認・キャンセル |
| 座席マスタ | 管理者が席の配置や情報を編集する |
| ダッシュボード | 「本日の稼働率」「空席数」などをひと目で把握 |
作成にあたって用意したもの
特別なものは多くありません、主に次の4つです。
| 用意したもの | 内容 |
|---|---|
| Power Platform の環境 | アプリを動かす“置き場所”。 今回は開発環境を1つ使用(Code Apps を環境設定で有効化しておく) |
| 開発のひな型(テンプレート) | 命名ルールや画面部品をあらかじめ整えた社内開発標準のテンプレート。 |
| 開発ツール一式 | VS Code、Git、Node.js(LTS)+ npm、PAC CLI、GitHub Copilot |
| 環境の接続情報 | つなぎ先の環境を識別するセッション情報 |
ポイントは、サーバーやデータベースを別途契約・構築する必要がないこと。
データの保管も認証も、Power Platform の中の仕組みをそのまま使えます。
2026年6月現在ではプレビューとなりますが、実際の開発手順はこちらの公式ドキュメントが参考になるかと思います。
初版ができるまで、どれくらいかかった?
要件のすり合わせから、3D表示・予約・デプロイまで“ひと通り動く初版”ができるまで、おおよそ数時間でした。
- あらかじめ整えた開発標準テンプレート(画面部品や命名ルール込み)を土台にしたこと
- AIによるコーディング支援を活用したこと
これら2点が大きく効いています。
もちろん本番運用に向けては、デザインの磨き込みや権限設計、テストなどに追加の時間がかかりますが、
「触れる試作品」が半日で出てくるスピード感は、企画を前に進めるうえで大きな武器になると感じます。
どうやって作った?(ざっくり流れ)
STEP 1 データの置き場所を用意:座席情報と予約情報を Dataverseに作成(デモデータも投入)
STEP 2 アプリを環境にデプロイ:作った画面を Power Platform 環境に配置し、先ほどのデータとつなぐ
STEP 3 3D表示や予約機能を作り込み:席を3Dで描き、空き状況に応じて色を変え、クリックで予約できるように
特別なサーバーを別途用意することなく、Power Platform の中だけで完結しているのがポイントです。
結果として、「企業システムとしての管理しやすさ」を保ちながら、本格的な Web アプリができあがりました。
作ってみて分かった、導入前に押さえておきたいこと
技術の細かい話は割愛し、判断に効くポイントだけ個人的な意見を交えながらまとめます。
“作り込み力”の対価として、開発スキルが必要
Code Apps は自由度が高い反面、コードを書ける担当者や外部パートナーの関与を前提とするのがベターです。
「誰でも保守できる」性質ではないため、体制づくりや保守の引き継ぎをセットで考えると安心です。
“何でも Code Apps”は逆効果
単純な台帳・申請アプリまで Code Apps で作ると、かえって時間もコストもかかります。
標準機能(モデル駆動型・キャンバスアプリ)で足りるものはそちらで、作り込みが本当に必要な部分だけ Code Appsという判断にすべきです。
ガバナンスは維持できる
Code Apps で作ったアプリも、Power Platform の「ソリューション」という単位でまとめて管理でき、開発環境から本番環境への移行も既存のやり方に乗せられます。
野良アプリ化を防ぎ、統制を効かせられるのは大きな利点です。
セキュリティの土台はそのまま活かせる
ログイン認証やデータのアクセス権限は Power Platform / Dataverse の仕組みをそのまま利用します。
ゼロから作る Web アプリのように、認証やセキュリティを自前で用意する必要がありません。
ここは内製・スモールスタートの心理的ハードルを大きく下げてくれます。
「触って楽しい」は、定着率に直結する
正直いちばん実感したのはここです。
同じ「座席予約」でも、3Dの地図を触って予約できる体験は、表一覧から選ぶのとは利用者の印象がまったく違います。
現場に使ってもらえてこその業務改善、見た目・操作感への投資は利用定着という形で返ってくるなと感じました。
気になるライセンスは?
導入前にいちばん気になるのがライセンスです。
アプリ利用者
Code Apps は Dataverse やプレミアムコネクタを使うため、「プレミアムアプリ」扱いになります。
そのため、アプリを使うエンドユーザーには「Power Apps Premium」ライセンスが必要です。
ライセンスの主な形は次のとおりです。
| プラン | ざっくり内容 | 目安価格 |
|---|---|---|
| Power Apps Premium | 1人がアプリを無制限に使える(per user) | 約 $20 / ユーザー / 月 |
| Power Apps per app | 1人が「1アプリ」を使える(スモールスタート向け) | 約 $5 / ユーザー / アプリ / 月 |
※ Dynamics 365 の一部ライセンスにもプレミアム利用権が含まれます。
価格・条件は変動するため、ライセンス全般の考え方は Power Apps ライセンスに関する FAQ もあわせてご確認ください。
購入チャネルの注意(2026年1月〜)
Power Apps per app プランは 2026年1月2日付で一般の公開価格表から販売終了となり、現在は CSP(Cloud Solution Provider)契約経由での購入が基本です。
新規にスモールスタートする場合は CSP パートナー経由での調達が必要になります(既存契約の更新・追加は引き続き可能)。
環境・管理者側の準備
- 管理者が、対象環境で「Power Apps code apps(コードアプリ)を許可」する設定をオンにする必要があります(Power Platform 管理センター → 環境 → 設定 → 機能)。
前提条件や環境の有効化方法は、こちらの公式ドキュメントに詳しくまとまっています。
作る側(試すだけ)なら
まずは開発者環境を使えば、無償で試作・検証ができます(本番運用・配布時に上記のライセンスが必要)。
💡 覚えておくと判断しやすい
試すのは無償の開発者環境でOK。
実際に社内へ配布して使ってもらう段階で、利用者に Power Apps Premium(または per app)が必要、と覚えておけば判断しやすいです。
※ 本記事の内容は執筆時点の情報に基づきます。
提供状況(プレビュー/一般提供)・価格・要件は変更される場合があるため、導入判断の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q. Code Apps はノーコードで作れますか?
いいえ。
Code Apps は Web 制作の本格的な技術で見た目を作るため、コードを書ける担当者や外部パートナーの関与を前提とすることを推奨します。
標準的な一覧+フォームで足りる場合は、モデル駆動型アプリや キャンバスアプリ を選ぶのがおすすめです。
Q. 試すだけでもライセンス費用はかかりますか?
試作・検証は無償の開発者環境で行えます。(Github CopilotなどAIコーディングエージェントは別)
実際に社内へ配布して使ってもらう段階で、利用者に Power Apps Premium(または per app)ライセンスが必要です。
Q. Code Apps で作ったアプリは管理できますか?
できます。
Power Platform の「ソリューション」という単位でまとめて管理でき、開発環境から本番環境への移行も既存のやり方に乗せられます。
野良アプリ化を防ぎ、統制を効かせられます。
まとめ
最後に、Code Apps のポイントを振り返ります。
- Code Apps =「本格的な Web アプリを Power Platform の安心感の上で動かす」選択肢
- 標準機能で足りるものは標準で、作り込みが要件の核になる部分だけ Code Apps が鉄則
- 自由度の対価として開発スキルは必要だが、認証・データ・配布・統制という土台は Power Platform に任せられる
- テンプレートとAIコーディング支援を使えば、“触れる試作品”は数時間で立ち上げられる
- 「触って楽しい」体験は、利用定着=業務改善の成果につながる
従来の市民開発における開発手法とは全く異なりますが、Code Apps という選択肢を知っておいていただきたいと思います。
まずは小さなテーマで試してみてはいかがでしょうか。
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