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タスク管理をKiro CLIから Claude Codeに移行してみた

この記事のポイント
Claude Codeが社内で使えるようになったのを機に、毎朝のルーティン自動化をKiro CLIのAgent SkillsからClaude Codeに移行しました。
- 並列実行で情報収集が高速化:
Kiro版では順次実行だった5カテゴリのニュース収集が、Claude Codeのサブエージェントで同時実行可能に - WSL依存からの脱却:
WindowsネイティブでGoogle Driveを直接操作でき、WSLとのパス変換が不要に - Agent Skillsオープンスタンダードで移行が簡単:
KiroとClaude Codeは同じSkill構造を採用しており、ディレクトリをコピーするだけでほぼ移行完了
はじめに
DXソリューション営業本部の三浦です。
毎朝、業務を始める前にこんなルーティンをこなしています。
- AWS・Anthropic・Google AIなど5カテゴリの最新情報をチェック
- GitHub Projectsのカンバンを確認し、その日やることを整理
- サマリーをノートに書いて git push
これをKiro CLIのAgent Skills機能で自動化していましたが、Claude Codeが社内で使えるようになったのを機に移行しました。
移行してよかった点を先に書いておきます。
- 情報収集が速くなった(5カテゴリの並列収集が素直に動く)
- Google DriveのファイルをWSLなしで直接編集できるようになった
- コマンド定義がシンプルになった
1. 移行前:Kiro CLIのAgent Skillsとは
Agent Skillsの仕組み
Kiro CLIには「Agent Skills」という仕組みがあります。.kiro/skills/ ディレクトリにファイルを置くと、AIが会話のコンテキストを見て自動でアクティベートしてくれます。明示的に呼び出したい場合は / スラッシュコマンドで選択できます。
ちなみに、この記事を書いていて初めてスラッシュコマンドで呼べることに気づきました。ずっと@でskillを呼び出すプロンプトを使っていました。
.kiro/skills/
└── good-morning/
├── SKILL.md # 必須:スキル定義
├── scripts/ # オプション:実行スクリプト
└── references/ # オプション:参照ドキュメント
SKILL.md のフロントマターには name(フォルダ名と一致)と description(いつ使うかの説明)が必須です。Kiroはこの description をもとにリクエストとマッチングして自動アクティベートします。
--- name: "good-morning" description: > 毎朝のルーティンを一括実行するSkill。 トリガーキーワード: おはよう、朝のルーティン、情報収集、Good morning。 metadata: version: "1.0" author: "daisukem-wq" ---
詳しい使い方はKiro公式ドキュメント - Skillsや、過去のブログ記事を参照してください。
good-morningの4フェーズ構成
4フェーズ構成はkiroから変えていません。
| Phase | 内容 | 出力 |
|---|---|---|
| 1 | 5カテゴリのニュース収集 | research/YYYY-MM-DD.md |
| 2 | カンバン確認 + ユーザー入力の構造化 | summaries/YYYY-MM-DD.md |
| 3 | 新規タスクをGitHub Projectsへ反映 | - |
| 4 | git commit & push | - |
Kiro時代の問題点
Kiro版でつまずいたのは、Phase 1の情報収集でサブエージェント(Steering Agent)を使おうとしたが上手く動かなかったことです。結局、5カテゴリを順次実行する形に落ち着きました。AWS情報を取り終えてからAnthropicを取り始め……と直列でこなすため、Phase 1だけで数分かかることがありました。
「CLIではなく、Kiro IDEを使えばいいのでは」と思われるかもしれません。実際に試しましたが、以下の理由で断念しました。
- 挙動が安定しない — Agent Skillsの実行が途中で止まったり、意図しない動作をすることがあった
- GitHub CLIが使いづらい —
ghコマンドとの連携がCLI版ほどスムーズに動かなかった - MCPのコンテキスト消費が大きすぎる — MCP経由でツールを呼ぶとコンテキストが急速に消費され、長いワークフローを走らせるには向かなかった
結果として「IDEよりCLIで動かすほうが安定する」という結論になり、Kiro CLIをWSL上で使い続けていました。
2. 移行後のシステム全体像
Obsidian(閲覧・編集)
↕ 同じディレクトリを参照(Google Drive)
GitHub(バージョン管理 + GitHub Projectsでカンバン)
↕ git経由で同期
Claude Code(実行エンジン)
- 情報収集 → research/ に書き込み
- 思考整理 → summaries/ に書き込み
- タスク管理 → gh コマンドでカンバン操作
- git commit & push
| ツール | 役割 |
|---|---|
| Obsidian | ノートのUI。読む・書く |
| GitHub | バージョン管理 + タスク管理(Projects) |
| Claude Code | 自動化の実行エンジン |
Obsidianを利用する理由について
Markdownエディタが各種あるなかでObsidianを選んでいる理由は、雑多なメモを手軽に書き溜められること、くらいです。メモも基本的には直接入力することよりもAIを通して残すことが多く、Obsidianのリンク機能等もほとんど使っておらず、特段メリットがあるともいえませんが……モダンでカッコイイから使います。
3. good-morningコマンドの中身
Phase 1:5カテゴリを並列収集
/good-morning を叩くと、まず5つのサブエージェントが同時に起動します。Kiro版でやろうとして上手くいかなかった部分です。
各エージェントの担当:
- AWS アップデート — What's New RSS + daily-aws.com
- AI(Anthropic / OpenAI / セキュリティ) — anthropic.com/news + openai.com/news
- Google AI — Cloud Blog RSS + blog.google RSS
- Google Workspace — workspaceupdates.googleblog.com RSS
- AIエージェント・セキュリティ — Claude Code CHANGELOG + Hacker News
各エージェントは前日〜当日(JST)の新着情報のみを抽出して返します。全エージェントが完了したら結果を統合し、research/YYYY-MM-DD.md に書き出します。
| Kiro版(順次実行) | Claude Code版(並列実行) | |
|---|---|---|
| 実行順 | AWS → Anthropic → Google AI → Workspace → セキュリティ | 5カテゴリすべてを同時に実行 |
| 所要時間 | 各カテゴリの合計(数分) | 最も遅いカテゴリに依存 |
Phase 2:カンバン確認 + Gmail + 思考整理
GitHub Projectsのカンバンを取得し、未完了タスクを提示した上でユーザーの入力を受け付けます。
後から追加した機能として、Gmail連携があります。Claude CodeであればネイティブにGmailのコネクタを利用できるので、直近24時間の受信トレイを確認し、要対応メール候補をカンバンと一緒に提示します。これによって「メールで来てた依頼をタスクに入れ忘れた」が回避できます。
【Gmail 要対応メール候補】 📧 [name](社内)「○○プロジェクト本番導入」→ テスト実施書の確認(関連: #40) 【現在のカンバン(未完了タスク)】 🔄 In Progress: - #40 プロジェクト名 開発環境構築・テスト 📋 Todo: - #45 Claude Code on Bedrock 検証 ...
ユーザーの入力を受け取り、タスクの抽出・優先度の推定・カテゴリ分類を行って構造化。summaries/YYYY-MM-DD.md に書き出します。
ポイントは「構造化のみ行い、勝手に解釈・補完しない」というルールを明示したことです。AIが善意で情報を補完してしまうと、意図しないタスクが生まれることがあります。
Phase 3:GitHub Projectsへの反映
Phase 2で「新規」と判定されたタスクをカンバンに追加します。
gh issue create --repo daisukem-wq/<repo-name> --title "タイトル" --body "..." gh project item-add 1 --owner daisukem-wq --url <Issue URL>
なお gh project コマンドには read:project スコープが必要なため、初回のみ以下を実行します。
gh auth refresh -s read:project
Phase 4:コミット & プッシュ
git add research/YYYY-MM-DD.md summaries/YYYY-MM-DD.md git commit -m "daily: YYYY-MM-DD 情報収集・思考整理" git push
4. add-taskコマンド:日中のタスク追加
good-morningが「朝のルーティン」なら、/add-task は「業務中にタスクが発生したとき」用のコマンドです。
やっていること
- 自然言語でタスク内容を伝える(「基本設計書レビュー、今週中に対応」など)
- 背景・やること・期限・優先度を構造化してユーザーに確認
- GitHub Issue作成 → カンバン反映 → summaries追記
Kiro版との違い
Kiro版のadd-taskはshellスクリプト(scripts/create-task.sh)経由で実行する設計でした。
# Kiro版:スクリプトに処理を委譲
scripts/create-task.sh \
--title "{タスクタイトル}" \
--body "{Issue body}" \
--priority "{優先度}"
さらに、ルールに以下が書いてありました。
作業ディレクトリは /home/miura_wsl/work/daily-tasks を前提とする
WSLのパスがハードコードされていました。Kiro on WSLで動かしていたためで、これがWindowsのGoogle Driveと常に格闘する原因でした。
Claude Code版はスクリプトなし。gh コマンドをClaude Codeが直接実行します。WSLパスの依存もなくなり、Windows上のGoogle Driveを直接触れます。
また、Kiro版はタスク作成の最後に git push していましたが、Claude Code版は push しない設計にしました。pushは /good-morning か /daily-task-review(夕方のレビューコマンド)にまとめて委ねる形にしたほうが、日中に何度もpushが走らなくてきれいだと気づいたためです。
5. Kiro → Claude Code 移行のポイント
ファイル構造の対応関係
Claude CodeはKiroと同じ Agent Skillsオープンスタンダードに準拠しており、推奨フォーマットは .claude/skills/<skill-name>/SKILL.md です。
# 移行前(Kiro)
.kiro/skills/
└── good-morning/
├── SKILL.md
└── references/
├── research-categories.md
└── customer-dictionary.md
# 移行後(Claude Code・正式)
.claude/skills/
└── good-morning/
├── SKILL.md
└── references/
├── research-categories.md
└── customer-dictionary.md
ディレクトリが .kiro/ から .claude/ に変わっただけで、構造は完全に同じでした。つまりファイルをほぼそのままコピーするだけで移行できます。
実際の移行はAnthropic公式のskill-creatorを使用して、claude codeに実行してもらいました。
6. まとめ
| Kiro CLI(Agent Skills) | Claude Code | |
|---|---|---|
| スキル定義 | .kiro/skills/*/SKILL.md |
.claude/skills/*/SKILL.md(同じ構造) |
| 呼び出し | / スラッシュコマンド or 自動アクティベート |
/ スラッシュコマンド or 自動アクティベート |
| 情報収集 | 5カテゴリを順次実行(サブエージェントが上手く動かず) | 5カテゴリを並列サブエージェントで同時実行 |
| タスク追加 | shellスクリプト経由・WSLパス依存 | gh コマンドを直接実行 |
| ノート管理 | GitHubのみ | Google Drive上でObsidian + GitHub |
| WSL | 必要だった | 不要(Windowsネイティブで直接操作) |
並列実行とWSL不要の2点で体験が改善しました。時々AIを管理しているのか、AIに管理されているのかが分からなくなりますが、タスク管理の負荷を減らして、Claude Codeだけで仕事を完結させることを目指していきたいと考えています。
参考情報:
↓QESではKiroについて積極的に情報発信していきますので是非ご覧ください!
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