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【Kiroアップデート】IDEでAgent Skillsが利用可能に!Powersとの違いも解説

この記事のポイント
KiroのIDEアップデートにより、エージェントに専門知識を与える「Agent Skills」が手軽に利用できるようになりました。今回はAWS Bedrockのスキルを導入し、実用性を検証します。
- Agent Skillsの導入:
Github上の公開スキルをURL一つでインポートし、Kiroに専門知識を追加する方法を解説します。 - RAGアーキテクチャの生成:
「コスト最小化・高精度」を条件に、Bedrockでの具体的な構成案とコスト試算を出力させてみます。 - Powersとの違い:
類似機能であるKiro Powersとの違いや使い分けについて考察します。
はじめに
DXソリューション営業本部の三浦です。
Claudeの拡張機能であるSkillsがKiroのIDEでも使えるようになっていたので使ってみました。
Kiro CLIでは1/24のアップデートで既に使えるようになっていた機能です。
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/kiro-cli-1-24-0/
Agent Skillsとは
Agent Skillsは、Claudeの機能を拡張するモジュール式の能力です。各Skillは、関連する場面でClaudeが自動的に使用する指示、メタデータ、およびオプションのリソース(スクリプト、テンプレート)をパッケージ化したものです。
Skillsを使う理由
Skillsは、再利用可能なファイルシステムベースのリソースであり、Claudeにドメイン固有の専門知識を提供します。ワークフロー、コンテキスト、ベストプラクティスにより、汎用エージェントを「スペシャリスト」に変えることができます。
プロンプト(単発タスクのための会話レベルの指示)とは異なり、Skillsはオンデマンドで読み込まれ、複数の会話にわたって同じガイダンスを繰り返し提供する必要がなくなります。
主なメリット
- Claudeの専門化:ドメイン固有のタスクに合わせて能力をカスタマイズ
- 繰り返しの削減:一度作成すれば自動的に使用
- 能力の組み合わせ:Skillsを組み合わせて複雑なワークフローを構築
詳細は公式ドキュメントもご参照ください。
https://platform.claude.com/docs/ja/agents-and-tools/agent-skills/overview
Skillsを使ってみる
それでは実際にIDEで設定してみます。
IDE画面左側のメニューを確認すると、Steeringの横に「SKILLS」の文字が確認できます。
従来はSteeringだけでしたが、Skillsが追加できるようになっています。Global(全ワークスペース共通)単位と、現在のWorkspace単位で設定可能なようです。
Steeringファイルのロケーションや優先順位については、以下のブログで詳しく解説していますので併せてご覧ください。
AWS Bedrock Skillsの実践
今回は aws-agent-skills のbedrockスキルを使ってみます。
このSkillsでは以下の支援を受けられます(skills/bedrock/SKILL.md より):
- 基盤モデルの推論 (Inference)
Bedrockが提供する様々な基盤モデル(Claude, Titan, Stable Diffusionなど)を呼び出すためのコード作成や設定をサポートします。
「Claude 3 Sonnetを呼び出すPython (Boto3) コードを書いて」「ストリーミングレスポンスの処理方法を教えて」といった指示に対応します。 - RAG (検索拡張生成) の構築
社内データなどを活用したRAGシステムの構築に関するガイダンスを提供します。
Knowledge Bases for Amazon Bedrockの設定や、ベクトルデータベースとの連携パターンの提案などが可能です。 - カスタムモデル (Custom Models)
特定のタスクに合わせてモデルを調整するファインチューニングや継続的事前学習に関する知識を提供します。
カスタムモデルを作成するための要件や手順、ベストプラクティスについての質問に答えられます。
公開されているSkillsは、Githubの SKILL.md が格納されているURLを入力することで自動で追加されます。
参照URL: https://github.com/itsmostafa/aws-agent-skills/tree/main/skills/bedrock
設定ファイルに SKILL.md が追加されました。
RAG構築の提案をさせてみる
Skillsを呼び出してみます。SKILL.md はプロンプトから「Bedrock」や「Claude」「RAG」といった単語を見つけて、その知識を引き出します。
以下のプロンプトを試してみます。
BedrockでRAGを構築しようと思っている。コストを最小限に抑えつつ、精度を高くするためのアーキテクチャの提案をしてください。
MCP(Model Context Protocol)の設定はしていませんが、キーワードを読み取って自動的にMCPツールを呼び出しました。
以下の回答が得られました。
基本構成図、コスト最適化、精度向上のための戦略、月間コスト試算例の観点で非常に詳細にまとめてくれています。
+ クリックしてKiroの回答詳細を表示
Amazon BedrockでRAGを構築する際のコスト最適化と精度向上のアーキテクチャを提案します。
まず、Bedrockの料金体系と利用可能なパターンを確認させてください。
(中略:各モデルやサービスの料金情報を取得)
推奨アーキテクチャ: コスト最適化型RAG
1. 基本構成
ユーザークエリ ↓ Amazon Bedrock Knowledge Base ↓ ├─ ベクトルストア: Amazon OpenSearch Serverless ├─ エンベディングモデル: Amazon Titan Embeddings V2 ├─ 推論モデル: Claude 3 Haiku └─ データソース: Amazon S3
2. コスト最適化のポイント
- 2.1 推論モデルの選択: Claude 3 Haiku を推奨(入力 $0.00025/1K tokens)。高速かつコスト効率が良く、RAGには十分な精度。
- 2.2 エンベディングモデルの選択: Amazon Titan Embeddings V2 を推奨。最もコスト効率が高く多言語対応。
- 2.3 ベクトルストアの最適化: OpenSearch Serverless の最小構成(2 OCU)で運用し、必要に応じてスケール。
3. 精度向上のための戦略
- ドキュメント処理: チャンクサイズ300-500トークン、オーバーラップ50-100トークン。
- 検索精度の向上: ハイブリッド検索、Amazon Rerank v1.0の活用。
- プロンプトエンジニアリング: コンテキストにない情報は「情報がありません」と答えるよう指示。
4. 月間コスト試算例
前提:月間クエリ10,000回、ドキュメント10,000件の場合
| 項目 | 計算 | 月額コスト |
|---|---|---|
| OpenSearch Serverless | 2 OCU × $0.24 × 730h | $350.40 |
| Claude 3 Haiku (In/Out) | 合計 | $7.50 |
| Titan Embeddings | 初回 + クエリ | $0.104 |
| S3ストレージ | 10GB | $0.23 |
| 合計 | 約 $358 /月 |
5. さらなるコスト削減策
- バッチ処理の活用
- プロンプトキャッシング(キャッシュヒット時90%削減)
- 段階的検索(粗い検索→リランキング→生成)
この構成により、月額約$350-400で高品質なRAGシステムを構築できます。
コンテキストは47%消費していました。思った以上に消費している印象は受けますが、非常に具体的な提案が得られました。
Kiro Powersとの違い
Kiroには、Skillsと同じようにキーワードで発火して、動的にコンテキストを読み込む機能である「Powers」があります。
https://kiro.dev/docs/powers/
| 特徴 | Agent Skills (Claude) | Powers (Kiro) |
|---|---|---|
| 主要ファイル | SKILL.md (手順・知識) | POWER.md (ステアリング・MCP設定) |
| パッケージ内容 | 指示書、参照ドキュメント、実行可能スクリプト | MCPサーバー設定、ステアリングファイル、フック(自動処理) |
| トリガー | エージェントがタスクに関連すると判断した際に自律的にファイルを参照 | 定義された「キーワード」に反応してツールと知識をロード |
比較してみると、より似ている機能であることがわかります。Powersも公式が出しているものがありますが、Agent SkillsはGithub上に多くの公開Skillsがあり、手軽に導入可能な点が魅力です。一方でPowersは、Steering機能と組み合わせて挙動やアウトプットをより細かく制御できる点がメリットと言えるかもしれません。
この辺りも両方使っていって、有効活用する方法を探っていきたいと思います。
まとめ
今回はKiro IDEに追加されたAgent Skillsを紹介しました。
MCPを個別に設定したり、プロンプトで詳細な指示をしなくても、SkillをインポートするだけでAgentに専門知識を与えることができるのは非常に便利です。
Vibeコーディング(AI主導の開発)は不確実性が高い側面もありますが、Agent Skillsを使うことでKiroの強みであるSDD(仕様駆動開発)の確実性がさらに高められそうです。
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