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【AWS re:Invent 2025】IBMのブースでCloudabilityのお話を聞いてきました!マルチクラウドのコスト最適化とFinOps

DXソリューション営業本部の三浦です。
現在、ラスベガスで開催されている世界最大級のテックカンファレンス「AWS re:Invent」に参加しています。
広大なExpo会場を歩き回り、最新の技術トレンドをキャッチアップする中で、今回はIBMのブースにて、マルチクラウド環境におけるコスト管理ツール「IBM Apptio Cloudability」について詳しくお話を伺ってきました。
多くの企業が直面する「クラウドコストのブラックボックス化」をどう解消するか、そのヒントをレポートします。
IBM Apptio Cloudabilityとは?
Cloudabilityは、現在IBMの強力なFinOps(クラウド財務管理)プラットフォームです。
AWSだけでなく、Azure、Google Cloud (GCP)、OCI (Oracle Cloud Infrastructure) など、複数のクラウドベンダーを利用している「マルチクラウド環境」において、散在するコストデータを一元的に収集・正規化し、ビジネス価値に基づいた意思決定を支援してくれます。
単に「今月いくら使ったか」を見るだけでなく、「どの部署が」「どのサービスで」「何のために」コストを使っているかを明確にするための機能が充実しています。
▲ マルチクラウド全体の支出状況が一目でわかるダッシュボード
マルチクラウド・マルチアカウント環境のコストを可視化する技術
ブースでデモを見せていただき、特に便利だと感じたのが、バラバラなクラウド環境のデータを「ビジネスの意味」に合わせて整理整頓する機能です。
Tag & Label Mapping(タグとラベルのマッピング)
AWSにはAWSのタグ、AzureにはAzureのタグがあり、さらにKubernetesにはラベルがあります。これらはキー名が微妙に異なっていたり(例:AWSでは"CostCenter"、Azureでは"cost-center"など)、入力ルールが統一されていなかったりすることがよくあります。
CloudabilityのTag & Label Mapping機能を使用すると、これらマルチクラウド・マルチアカウントに分散しているタグをマッピングし、統合された一つの「軸」として扱うことができます。
▲ 異なるクラウドプロバイダーのタグを一つのディメンションに統合する様子
Business Mapping(ビジネス視点でのブレイクダウン)
さらに強力なのがBusiness Mappingです。
「1つのAWSアカウントを複数の部署で共有している」あるいは「特定のアプリケーションが複数のアカウントにまたがっている」といった複雑な構成の場合、単純なアカウント単位の集計では実態が見えません。
ここでは、「タグAの値が〇〇、かつ アカウントIDが××の場合」といった条件ロジックを組み、それを「Magazines事業部」や「News Global」といったビジネスユニット(Dimension)として定義できます。


▲ 技術的なリソース情報を、ビジネス上の「意味」に変換して定義
ツール導入だけでは終わらない、コスト最適化のポイント
今回のブース訪問でIBMの方と議論して改めて痛感したことがあります。
それは、「どんなに優れたツールを使っても、基盤となるタグ付け戦略がなければコスト最適化はできない」という点です。
Cloudabilityのようなツールは、データの可視化を強力にサポートしますが、「タグ付け(Tagging)」という下準備には、どうしても泥臭い作業と時間がかかります。
しかし、ここを省略せずにしっかりと時間をかけて取り組むことで初めて、以下のようなサイクルが回せるようになります。
- 正確な配賦:誰がリソースを使っているかが明確になる
- 異常検知:「なぜこの部署のコストが急増したのか?」の原因特定が早くなる
- 削減アクション:「開発環境の未使用リソース」など、削減すべきターゲットが特定できる
コスト最適化を魔法のように実現するのではなく、地道な分類(タギング)の積み重ねの上に成り立つものだということを再認識しました。
【おまけ】re:InventならではのSWAG(ノベルティ)
最後に、IBMブースでいただいたTシャツをご紹介します。
クラウドのキャラクターが瞑想(?)をして、"Cloud Ability(クラウドの能力)"を高めているようなデザインがとても可愛らしいです。
▲ "Achieve a state of cloud ability"(クラウド能力の境地に至れ!)
re:InventのExpo会場では、こうした各社のユニークなノベルティを見るのも楽しみの一つです。
引き続き、現地の熱量とともに最新情報をお届けしていきます!
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