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【AWS re:Invent 2025】学びを最大化するセッション攻略と現地Tips

DXソリューション営業本部の三浦です。
現在、ラスベガスで開催中のAWS最大級のカンファレンス「AWS re:Invent 2025」に参加しています。
本記事では、イベント初旬に参加したセッション「Let's maximize your learnings at re:Invent! (GBL102)」の内容をもとに、膨大な数のセッションから自分に合ったものを選ぶ方法や、広大な会場を攻略するための現地Tipsを共有します。
セッション概要
本セッションは、AWSのソリューションアーキテクトが登壇し、初参加者からリピーターまでを対象に、re:Inventでの体験を最大限に楽しみ、「味わい尽くす」ためのポイントを解説する場として開催されました 。
re:Inventは単なるマーケティングイベントではなく、参加者に「学びの機会」をお腹いっぱいになるまで提供することを重視して設計されているとのこと。その膨大なコンテンツの中から、どのように自分の目的に合ったものを見つけ出すか、具体的なスケジュールの組み方や心構えが共有されました。
セッションの種類と詳細
re:Inventには多種多様なセッション形式があります。「ただ座って聞く」だけではないのがre:Inventの醍醐味です。それぞれの特徴を理解してスケジュールを組むことが重要です。
主要なセッション形式
- Keynote(基調講演):
- AWSのトップや各分野の責任者が登壇し、新サービス発表やイノベーションの方向性を掴むのに最適です。
- Swami氏(AI/データ):AIエージェントやデータ戦略など、最旬トレンドを押さえるなら必須。
- Werner氏(Amazon CTO):クロージングキーノートという初めての試みです。Japan Wrap-up Sessionで中継。
- Innovation Talks:
- 各組織や業界のリーダーが「未来」を語るセッション。
- 機能の話よりも「AWSがその領域(公共、金融、通信など)をどう変えていこうとしているか」というビジョンが中心です。技術セッションの前に聞くと理解が深まります。
- Breakout Sessions:
- 最も一般的な講義形式。
- 人気スピーカーや特定のサービスについて体系的に学びたい場合に最適です。録画公開されることが多いので、現地では「録画されないセッション」を優先するのも手です。
- Interactive Sessions(対話型):
- Code Talk:スライドよりも実際のコードやコンソール画面を映しながら解説する、開発者好みのセッション。
- Chalk Talk:スライドは少なめ。ホワイトボードを使い、参加者からの質問や課題に対してスピーカー(と他の参加者)がその場で解決策を議論します。現地の熱量を最も感じられます。
- Workshops / Self-paced Labs:
- PCを持ち込み、実際にAWS環境を触って学ぶハンズオン形式。
- re:Inventに合わせて準備された「初出し」のコンテンツが多く、日本で実施されるのは数ヶ月先になることも。「お土産」として知識を持ち帰るのに最適です。
難易度(Level)の見方
セッションカタログには「100」〜「500」のレベル表記があります。
| レベル | 内容・対象 |
|---|---|
| 100-200 | 入門・初級 前提知識不要。サービスの概念や「何ができるか」を知りたい方向け。 |
| 300 | 中級 ある程度の前提知識が必要。より具体的な実装方法やユースケースに踏み込みます。 |
| 400 | 上級(Expert) 深い技術知識を持っている熟練者向け。 |
| 500 | 超上級(Deep Dive/Academic) 非常にニッチ、または学術的な内容。 例:Amazon Novaにおけるハルシネーション(幻覚)のリスク評価をどう自動化するかといった、数学的観点からの議論など。刺さる人には強烈に刺さる内容です。 |
現地を楽しむためのTips(移動・食事)
re:Inventは会場が非常に広大(ホテル間が数キロ離れていることもザラ)なため、ロジスティクスも攻略の鍵です。
移動のコツ
- シャトルバス:会場間を結んでいますが、ピーク時は非常に混雑し、待ち時間が発生します。
- モノレール:バッジを見せるとチケットがもらえるそうです(要確認)。MGMからベネチアンへの移動など、ルートによってはバスより確実で早い場合があります。
- ライドシェア(Uber/Lyft):便利ですが、場所によっては混雑します。タクシーとは乗り場が異なるので注意が必要です。
食事・体調管理
- ホテル内の売店は高い:ホテルの売店ではなく、街中のドラッグストア(WalgreensやCVSなど)を利用すると、水や軽食が半額以下で手に入ることがあります。
- 朝食事情:ホテルによって傾向が異なります。Venetianのような大規模会場は大量提供のオペレーションですが、小規模な会場だと少し丁寧な場合も。「インドコーナーのカレー」は安定して美味しいとのこと。
- 寒さ対策:会場内(特にKeynote会場)は「外より寒い」ことがあるため、防寒着は必須です。
技術(Tech)に興味がある人の歩き方
技術を深めたいエンジニアや開発者の方は、以下のようなエリアやセッションに注目すると良いでしょう。
- Builder's Showcase: Expo会場内にある「Builder's Showcase」は、製品説明だけでなく「Codeを見せてくれ」「技術を見せてくれ」というニーズに応える展示が集まっています。技術者同士の会話が弾むエリアです 。
- Sports Forum:F1やNFLなど、スポーツ分野でのデータ分析やML(機械学習)活用事例が見られます。体験型コンテンツも多く、「Fun」な雰囲気で最先端技術に触れられます。
- Attendee Guides(AWS Heroのセッションガイド):公式サイトなどで公開されている「Attendee Guides」では、AWS Hero(コミュニティリーダー)たちが自身のスケジュールや注目セッションを公開しています。「なぜそのセッションを選んだのか」という技術的な視点や理由が解説されているため、自分の興味に合った良質なセッションを発掘するのに非常に役立ちます。
ビジネス(Biz)に興味がある人の歩き方
ビジネス視点、経営視点でAWS活用を学びたい方は、技術の細部よりも「Why(なぜ使うのか)」や「Outcome(成果)」に焦点を当てます。
- Industry (IND) & Business (BIZ) トラック:業界別の事例セッション。
- Amazon on AWS:Amazon自身がどのようにAWSを活用して、物流やECの課題を解決しているかを知るセッション。
- Executive / Innovation Talks:部長級、本部長級、あるいは他社のCTOが経営目線で語るセッションは、ビジネスの意思決定に役立つヒントが詰まっています。
Q&Aコーナー
セッション内で挙がっていた主な質問と回答を共有します。
- Q. ワークショップやラボで、AWSの利用料金はかかりますか?
- A. 基本的にre:Invent側が提供する環境を利用するため、参加者の個人アカウントに料金が発生することはほぼありません。ごく稀に自分のアカウントを利用するケースがあるかもしれませんが、その場合は必ず案内がありますのでご確認ください。
- Q. 技術的な知識や英語に自信がありません。ワークショップに参加しても大丈夫でしょうか?
- A. ぜひチャレンジしてみてください。最近は翻訳アプリ(スマホのカメラ翻訳など)の精度も高いため、画面の指示を翻訳しながら進めれば問題ありません。また、会場には多くのスタッフがいますので、翻訳アプリなどを使いながら質問すれば親切に対応してくれます。分からないまま立ち止まるよりも、ツールを駆使して積極的に参加することをおすすめします 。レベル500以外は尻込みせずにチャレンジして良いと思います。
まとめ
今回のセッションを通じて、re:Inventは単なる技術カンファレンスではなく、自分の目的に合わせて能動的に「学び」を取りに行く場だと再認識しました。
私自身は、技術的なキャッチアップはもちろんですが、「ビジネス視点で技術がどう活かせるか?」という視点を常に持ちながら各セッションに参加したいと考えています。
また、現地に来て移動の距離感や会場の雰囲気もつかめてきました。人気で満席だったセッションも、当日枠(Walk-up)や追加開催(Repeat)がある場合が多いようなので、アプリをこまめにチェックして、アグレッシブに追加セッションへの参加も検討していきたいと思います。
引き続き、現地の様子をブログでお届けします!
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