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【2026年1月最新】「Kiro」の制限・料金・仕様を解説

この記事のポイント
2026年1月時点でのKiroの仕様、料金、および技術的な制限事項について解説します。
- クレジット制の料金体系:
月額料金に加え、タスクの複雑さやモデルに応じて消費される「クレジット」の概念があります。 - 柔軟なアカウント認証:
AWSアカウント不要で利用開始可能。企業利用ではIAM Identity CenterによるSSOが推奨されます。 - データプライバシーの安全性:
EnterpriseおよびPro利用時は、デフォルトで学習利用からオプトアウトされており安心です。 - コンテキスト管理の制限:
ファイル読み込みやWeb検索には容量制限があり、Steeringファイルの活用が鍵となります。
はじめに
DXソリューション営業本部の三浦です。
本記事では、2026年1月時点での公式サイトの情報を基に、AI開発ツールKiroのライセンス体系、アカウント仕様、データプライバシー、そして気になるコンテキスト容量などの技術的な制限について詳しく解説します。
1. Kiroのライセンスと利用料(クレジット制)
Kiroの最大の特徴は、単純な月額固定制だけでなく「クレジット」に基づいた従量課金的な要素を取り入れている点です。これは従来の単純なトークン数制限とは異なり、タスクの複雑さや使用するAIモデルの性能によって消費量が変動する仕組みです。
プラン別詳細一覧
| プラン名 | 月額料金 | 付与クレジット/月 | ターゲット層 |
|---|---|---|---|
| Kiro Free | $0 | 50 | 個人のお試し利用・学習用 |
| Kiro Pro | $20 | 1,000 | 一般的な個人開発者 |
| Kiro Pro+ | $40 | 2,000 | ヘビーユーザー |
| Kiro Power | $200 | 10,000 | 大規模なエージェントワークフローを利用するプロ |
| Enterprise | 要問い合わせ | カスタム | 組織管理が必要な企業 |
クレジット消費の仕組みと追加購入
有料プランでは、付与されたクレジットを使い切った場合に備えて、自動で追加課金を行う「オーバーエイジ(Overage)」設定を有効にできます。価格は $0.04 / 1クレジット です。
- シンプルなプロンプト: 1クレジット未満で完了することが多いです。
- 複雑なタスク: 詳細な仕様(Spec)に基づくタスク実行は、1クレジット以上を消費します。
- モデルによる係数: 高性能モデル(Sonnet 4など)を使用する場合、標準のAutoエージェントと比較して約1.3倍のクレジットを消費するなど、モデル性能に応じた係数が適用されます。
2. アカウント作成と認証方法
Kiroは利用開始のハードルが低く、AWSアカウントを持っていなくても利用を開始できる点が魅力です。ユーザーの属性に合わせて、以下の認証プロバイダーを選択できます。
個人利用(Free / Pro / Pro+ / Power)
- AWS Builder ID: メールアドレスだけで作成できるAWSの個人用IDです。
- ソーシャルログイン: Googleアカウント、またはGitHubアカウントが利用可能です。
- AWS IAM Identity Center: Amazon Q Developer Proサブスクリプション経由での利用も可能です。
Identity Centerでの詳しいセットアップ手順については、以下の記事も参考にしてください。
企業利用(Enterprise)
- AWS IAM Identity Center: 企業のSSO(シングルサインオン)と連携し、組織全体でのセキュアなアクセス管理が可能です。
3. Identity Center内で登録できるユーザー数
企業プラン(Enterprise)でAWS IAM Identity Centerを利用する場合、Kiro側での厳格なユーザー数上限は明記されていません。基本的には、企業のIAM Identity Center自体の制限(クォータ)や契約規模に応じたユーザー数を収容できる設計になっています。
- 一括管理機能: 管理者はコンソールから、ユーザーやグループ単位でKiroサブスクリプション(Pro, Pro+, Powerなど)の割り当てや一括アップグレードが可能です。
- スケーラビリティ: 現在、Identity Centerで登録できるユーザー数はデフォルトで100,000ユーザー等の規模に対応しており、クォータの引き上げも可能なため、実質的にユーザー数が不足することはまずないでしょう。
4. データに関する規定(オプトアウト設定)
企業導入において最も懸念されるのが、入力したコードや質問内容の取り扱いです。Kiroは契約形態によってポリシーが明確に分かれています。
サービス改善へのデータ利用(学習利用)について
Free Tier / 個人サブスクライバー
デフォルトでは、質問内容やコードスニペットがAWSのサービス改善(モデルのトレーニング等)に使用される可能性があります。ただし、以下の手順でオプトアウト(拒否)が可能です。
設定方法:
IDEの設定(Settings > User > Application > Telemetry and Content)またはCLI設定から「Content Collection for Service Improvement」のチェックを外します。
Enterprise / Amazon Q Developer Pro経由
この契約形態の場合、データはサービス改善に使用されません。 ユーザー側で設定を変更する必要はなく、デフォルトで保護されているため、企業での利用も安心です。
データの暗号化
データは転送中(TLS 1.2以上)および保存時(AWS KMS)に暗号化されます。Enterprise版では、顧客管理の鍵(Customer Managed Keys)を使用した暗号化も選択可能です。
5. コンテキストの保存先と保存量
Kiroが他のAIコーディングツールと異なる特徴としては、「必要な情報だけを、必要な時に脳(コンテキスト)に読み込む」というメモリ管理の賢さにあります。
ここでは、データがどこに保存され、どのように容量制限を回避しているのかを解説します。
1. コンテキストデータの保存場所(セキュリティとプライバシー)
Kiroが扱うデータ(プロンプト、応答、コードスニペットなど)は、利用プランによって保存される場所(リージョン)が厳格に分けられています。
- クラウド保存(会話履歴など):
Free / 個人プラン:すべて米国東部(バージニア北部)リージョンに保存されます。
Enterpriseプラン:企業がプロファイルを作成したAWSリージョン(バージニア北部またはフランクフルト)に保存され、データ主権(Data Sovereignty)が守られます。 - ローカル保存(設定・インデックス):
プロジェクト固有のルール(Steeringファイル)や、後述する「Knowledge Base」の検索用インデックスデータは、あなたのPC内(~/.kiro/やプロジェクト内の.kiro/)に保存されます。
2. Kiroはどうやって大量のコードを覚えている?(2階層の記憶)
AIモデル(Sonnet 4.5など)には一度に読める量(コンテキストウィンドウ)に限界があります。Kiroは、すべてのファイルを無理やり読ませるのではなく、2つの種類の記憶を使い分けることで容量オーバーを防いでいます。
- Agent Resources(常時記憶):
READMEやコーディング規約(Steeringファイル)など、常に覚えておくべき重要ファイル。会話のたびに必ずトークンを消費して読み込まれます。 - Session Context(短期記憶):
その場の会話で一時的に追加したファイル(/context addしたもの)や、開いているファイル。会話が終わればリセットされます。
Steeringファイルについては以下のブログで解説しています。
3. 容量制限と「自動ドロップ」機能
具体的なトークン上限は使用モデルに依存しますが、Kiroにはパンクを防ぐための独自の安全装置があります。
- 「75%ルール」:
READMEやSteeringファイルなどのコンテキストファイルが、モデルの許容容量の75%を超えると、Kiroは自動的に優先度の低いファイルをコンテキストから除外(ドロップ)します。これにより、「会話するための空き容量」を常に確保します。 - Web検索の制限:
Webから情報を取得する場合、1ページあたり10MBまで、リダイレクトは10回までという制限があります。
容量の確認方法
チャット画面に現在の使用率が「緑(余裕あり)・黄・赤(危険)」の色と%で表示され、ひと目で状況がわかります。
まとめ:その他の制限事項
最後に、運用時に知っておくべきその他の細かい制限事項をまとめます。
- 言語対応: 現時点では英語での対話に最適化されています。日本語での質問も可能ですが、回答精度は英語がベストです。
- Web検索の壁: 認証が必要なページやペイウォール(有料会員限定記事など)へのアクセスはできません。
2026年のKiroは、Enterprise利用であればデータプライバシーが堅牢に守られており、企業での導入ハードルは非常に低くなっています。仕様を正しく理解し、強力な開発パートナーとして活用していきましょう。
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