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Veeamを使ってVMwareからHyper-Vへ仮想マシンを移行(コンバート)する①

皆さんこんにちは。
システムソリューション営業本部のインフラ担当エンジニアです。
Broadcom社によるVMware社の買収後、ライセンス形態の変更により、多くのユーザー企業にとってコスト増加への直接的な懸念を生んでいます。結果として他の仮想化基盤やクラウド環境への移行、いわゆる「脱VMware」を模索する動きを活発化させました。
本記事では、必要十分な機能を保つ代替ソリューションの1つであるMicrosoft社の「Hyper-V」への仮想マシン移行について記載します。移行に使用するツールとしては、以前に仮想環境のバックアップソフトウェアとしてご紹介した、Veeam Backup & Replicationを利用します。
Veeam Backup & Replication を使った移行方式
Veeam Backup & Replicationは、仮想・物理・クラウドを横断してバックアップ、リストア、レプリケーションを単一コンソールで提供するデータ保護ソフトウェアで、VMware vSphereとMicrosoft Hyper‑Vの双方に対応し、エージェントレスで高速・信頼性の高い保護を実現します。
移行ユースケースでは、バックアップから別ハイパーバイザーへ復元するV2V(Virtual to Virtual)を活用し、VMwareからHyper‑Vへの移行をシンプルな手順で実行できます。

※今回ご案内する手順は、既に環境にVeeam Backup & Replicationサーバが存在しており、VMware vSphereの仮想マシンのバックアップを取得している事を前提としています。
VeeamへのHyper-Vホストの追加
Veeamサーバに移行先となるHyper-Vホストを登録します
[Inventry]メニューから、「Add Server」をクリックします。
Add Server画面にて、「Microsoft Hyper-V」をクリックします。

Name画面にて、追加するHyper-Vホストのホスト名またはIPアドレスを入力し、「Next」をクリックします。

Type画面にて、追加するHyper-Vホストの種類を選択し、「Next」をクリックします。

Credentials画面にて、Addをクリックして、Hyper-VホストのCredentials(管理者情報)を作成します。

Review画面にて「Apply」をクリックします。

Apply画面にて、Hyper-Vホストに対してVeeamのモジュールがインストールされるので、「Next」をクリックします。

Summary画面にて、「Finish」をクリックし、ウィザードを終了します。

[Inventry]画面にて、Microsoft Hyper-V配下にサーバが登録された事を確認します。

Instant VM RestoreによるHyper-Vホストへのリストア
VMware vSphere仮想マシンのバックアップファイルを、Instant Recovery機能を使って、Hyper-Vホストへリストアを行います。
Instant VM Recoveryとは...
Instant VM Recoveryは、バックアップファイルを直接マウントして仮想マシンを即時起動し、数分で業務を再開できる高速復旧機能です。
仕組みの概要
●バックアップを展開せずにリポジトリ上のバックアップイメージを仮想ディスクとして公開し、そのまま電源投入して起動します。(VeeamのvPower技術)。
●即時起動後は「本番へ移行(Migrate to production)」を実行し、バックグラウンドで本番ストレージへデータをコピーし直すことで、実運用に適した状態へ移行します。メリット
●復旧時間(RTO)を大幅短縮し、障害やランサムウェア時でも早期にサービス再開が可能です。
●大容量VMでもサイズに依存せず数分で起動でき、検証やDRリハーサルにも活用できます。
●複数VMの同時インスタント起動にも対応し、大規模停止からの一斉復旧に有効です。留意点
●即時起動中はバックアップリポジトリ越しのI/Oとなるため性能は限定的で、安定運用のため本番ストレージへの移行を完了させる必要があります。
●復旧先のハイパーバイザーやネットワーク/ストレージ設定が適切に準備されていることを事前に確認します。
[Home]メニューから、「Backups」-「Disk」をクリックし、Hyper-Vホストへ移行を行いたい仮想マシンのバックアップを選択、
右クリック→メニューより、「Instant recovery」→「Microsoft Hyper-V」を選択します。
Instant Recovery to Microsoft Hyper-Vのウィザードが起動します。
Host画面にて、リストア先のHyper-Vホストを選択するために、「Host」をクリックします。
Select Host画面にて、リストア先のHyper-Vホストを選択し、「OK」をクリックします。
Host画面に戻るので、リストア先Hostが設定された事を確認し「Next」をクリックします。
Datastore画面にて、リストア先のフォルダパスを決定し、「Next」をクリックします。
リストア先Hyper-Vのデフォルト設定が適用されますが、個別に変更を行いたい場合は「Path」ボタンから変更可能です。
Network画面にて、リストア先Hyper-Vホストで利用する仮想NICを設定します。「Network」をクリックします。
Select Network画面にて、仮想マシンで利用するHyper-Vホストの仮想NICを選択し、「OK」をクリックします。
Network画面に戻るので、Targetが「Not Connected」から変更され、Hyper-Vの仮想NICが設定されている事を確認し、「Next」をクリックします。
Name画面にて、仮想マシンの名前を確認し、「Next」をクリックします。
New nameはデフォルトで移行元仮想マシンと同じになりますが、変更したい場合は「Name」ボタンから変更可能です。
Secure Restore画面にて、「Next」をクリックします。
Reason画面にて「Next」をクリックします。

Summary画面にて「Finish」をクリックします。仮想マシンのリストアが開始されます。
power on target VM after restoringにチェックが入っていると、リストア後に即、仮想マシンが起動します。
リストアが開始されます。 Waiting for user action... が表示されることを確認します。
移行先Hyper-VホストのHyper-Vマネージャーにて、リストアした仮想マシンが登録され、起動されている事を確認します。
この段階では、チェックポイントに、「Veeam Instant Recovery snapshot」が存在します。
リストアしたか仮想マシンに「接続」を行い、ゲストOSが正常に起動している事を確認します。
画面はオンラインでバックアップ取得した仮想マシンをリストアしているため、シャットダウンイベントの追跡が出ていますが、正常起動しています。
今回はここまでになります。
次回は、仮想マシンのリストア後の処理や、移行時の注意点について解説します。
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※このブログで参照されている、Veeam Backup & Replicationは、米国およびその他の国におけるVeeam社の商標または登録商標です。
※このブログで参照されている、Windows、Hyper-Vは、米国およびその他の国におけるMicrosoft社の商標または登録商標です。

