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【最新版】AI Builder ライセンス体系を徹底解説!新しい課金モデルとコスト最適化

本ブログでは、Power PlatformのAI Builderライセンス体系に適用された「大きな変更」について、
その全貌を解説します。
AI Builderは高度なAI機能の進化に伴い、ライセンスモデルが従来のAI BuilderクレジットからCopilotクレジットへと順次移行しています。
この変更は、既にPower Apps/Power Automateで、AI Builderを利用中の方々に大きな影響が発生するため、注意が必要です。
大きな変更が反映されるのは2026年11月と少し先ですが、多くの組織様では来年度の予算などにも影響がある可能性がありますので、早めの確認・計画をおすすめします。
ブログの後半では、今回のアップデートに対する移行計画のアクションプランについても触れております。
これから利用を開始したいと考えている方々にとっても、スムーズな導入とコスト管理を行う上で非常に重要なテーマとなりますので、本ブログが新しい課金モデルの理解や将来を見据えた最適なCopilot クレジットの調達計画の参考となれば幸いです。
主な変更点:AI Builder ライセンス体系
ここからは、今回適用された主な変更点や旧ライセンス体系との違いについて触れていきます。
この章では主な変更点のみを紹介し、企業様の状況に応じた具体的な対策やタイミングについては、次章で説明します。
変更点①:ライセンス付帯クレジットの段階的廃止
今までユーザーがPower AppsやPower AutomateでAI Builderを利用するには、AI Builderクレジットと呼ばれる「通貨」をテナント/環境内に保持している必要がありました。
このクレジットは、下記のようなライセンスに付帯する形で含まれており、ライセンスを購入した分だけ、テナント単位でクレジットが付与されます。
| ライセンス名 | クレジット数 |
| Power Apps Premium | 500 |
| Power Apps per app | 250 |
| Power Automate Premium | 5,000 |
| Power Automate Process | 5,000 |
| Power Automate Hosted Process | 5,000 |
| Power Automate unattended RPA アドオン | 5,000 |
| Dynamics 365 Finance | 20,000 |
これらのクレジット数は、月次でリセットされ、翌月もクレジットが更新される仕組みでしたが、
今回の変更により、2026年11月1日以降は更新されなくなります。
ライセンス付帯のクレジットのみでAI Builderを利用している方は、本ブログの後半で説明する対応を期日までにしていただかないと、AI Builderの機能が利用できなくなりますので注意が必要です。
変更点②:容量アドオンの立ち位置変化
AI Builderを含むPower PlatformのAI機能の「通貨」が、順次Copilotクレジットに統一されることにより、容量アドオンの立ち位置に、以下のような変化が出てきました。
- 既存の「AI Builderクレジット容量アドオン」は、段階的に廃止され、新規顧客は既に購入不可となっている
- 既存顧客は2026年11月1日まで、「AI Builderクレジット容量アドオン」の契約更新や追加購入が可能
- 2026年11月以降で契約が満了した場合、AI Builderを利用するにはCopilot StudioのCopilotクレジット容量アドオンの事前購入が基本となる
今までは、各企業様が社内の消費ニーズに合わせて、100万のAI Builderクレジットが含まれる「AI Builderクレジット容量アドオン」を購入いただいておりましたが、今後は、Copilot Studio側で容量クレジットアドオンを購入・管理する必要が出てまいります。
変更点③:AI Builderの試用版が廃止
2025年11月1日より、AI Builderの試用版は廃止となりました。ただ、プロンプト機能を含むカスタムモデルやテストモデルの構築は依然として可能ですので、
Power AppsやPower Automate内で実行させることは出来ませんが、構築したAI Builderの検証・評価は、
AI BuilderクレジットやCopilotクレジットがなくとも行っていただけます。
AI Builderの作成方法については、以下の記事でも紹介しております。
特に大きな変更点についてはご紹介した3つになりますが、他にも細かい変更点がございますので、
詳細はこちらの公式ドキュメントをご参照ください。
アクションプラン:今後の移行計画とコスト最適化
前章で変更の概要を理解いただけたところで、本章では実際の移行を成功させ、コストを最適化するための
具体的なアクションプランをご紹介します。
まずは以下の図で、企業様の状況に応じた移行の大まかなタイムラインをご確認ください。
現状分析:クレジット消費状況の把握
まずは、テナント内で現状どれほどのAI Builderクレジットが消費されているかを確認する必要がございます。
Power Platform管理者権限が付与されているアカウントであれば、以下の手順で過去30日間のAI Builderクレジットの
消費状況を確認することが可能です。
①Power Platform管理センター レポートのダウンロードページへアクセスし、[新規]>[AI Builder]>[送信]の
順にクリックし、レポートを発行
②[状態]が完了となったら、レポートを選択し、[ダウンロード]をクリック
レポートはExcelファイルで出力されます。
レポートの詳細な確認方法については、こちらの公式ドキュメントをご確認ください。
将来予測:新しいレートでの見積もり
現在の消費状況が把握できたところで、2026年11月1日以降で必要になるCopilotクレジットの月間消費量を予測します。
各AI機能の詳細なクレジットレートはこちらの公式ドキュメントから確認できます。
計算例:プロンプト (標準 LLM モデル)を利用して、月間 500,000クレジット(AI Builderクレジット)を消費していた場合
プロンプト (標準 LLM モデル)のレートの1kトークンあたりの変換比率は16(24 AI Builderクレジット/1.5 Copilotクレジット)であるため、月間で500,000 AI Builderクレジットを消費していた場合の、Copilotクレジット必要量は以下の式で算出が可能です。
500,000 / 16 = 31,250 Copilotクレジット/月
Copilotクレジットの調達において、Copilotクレジット容量アドオンの購入をご検討される場合、
容量1つあたりは25,000クレジットであるため、移行の際に必要なアドオン数量は以下の式で算出できます。
31,250 / 25,000 = 1.25
よって、この場合に最終的に必要なアドオン量は2個になります。
計画策定:AI Builderクレジット終了への計画的移行
予測した消費量に基づき、Copilotクレジット調達方法(容量アドオン or 従量課金)を決定し必要な予算計画を立てます。
ライセンスの種類と詳しい情報についてはこちらの公式ドキュメントから確認できます。
2026年11月1日までは、購入済みのAI Builderクレジット容量アドオンとCopilotクレジットを併用できることは出来ますが、現状の消費量に基づき、今すぐCopilotクレジットへの移行計画を立てることを推奨いたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本ブログでは、Power PlatformのAI Builderライセンス体系が「AI Builderクレジット」から「Copilotクレジット」へと移行する重要な変更点と、それに対応するためのアクションプランを解説しました。
この移行は、特にライセンス付帯クレジットを利用中の方々にとって大きな影響を及ぼしますので、スムーズな移行を実現するためにも、本ブログが皆様の移行計画とコスト最適化の一助となれば幸いです。
以下のリンクからご提供しているサービスの詳細をご確認いただけます。


