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Microsoft Power Platform ローコード開発で気を付けていること - Power Automate編

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Microsoft Power Platform ローコード開発で気を付けていること - Power Automate 編

はじめに

 前回の「Microsoft Power Platform ローコード開発で気を付けていること - Power Apps キャンバスアプリ編」に続き、今回は Power Automate 編になります。
 Power Apps ローコード開発で気を付けるポイント「Microsoft Power Platform 要求」の制限については、Power Automate を利用する上でもポイントとなってきます。要求数の制限 だけでなく、Power Automate では、他にも気を付けなければならない点がありますので、今回はそれをご紹介いたします。


Power Automate での主な制限

アクション要求の制限

 Power Automate でも、Power Apps と同様、Power Platform 要求数の制限があります。Power Automate では、各トリガー、アクションの一つ一つが1要求となるため、複雑なフローを作成すると、1フロー当たりに消費する要求数が多くなり、制限にかかる可能性が高まります。
 1日に多くの件数を処理しなければならない場合、1フローで処理するアクション数を、可能な限りシンプルに設計する必要があります。
 フローの中で分岐が発生する場合、シナリオによって、1回のフロー実行で処理されるアクション数は変わってくるため、各シナリオでのトリガー、アクション数を把握しておくことも必要です。

表1.アクション要求の制限
ライセンス 現在:移行期間中の制限
(Transition period limit)
今後:移行期間終了後の制限
(Actual limit)
Microsoft 365 10,000/flow 6,000/user
Power Automate per user 100,000/flow 40,000/user
Power Automate per Flow 500,000/flow 250,000/flow

 これから開発を行う場合は、現在ライセンスが移行期間中という点も考慮しておく必要があります。Microsoft 365、Power Automate per user ライセンスは、現在flow単位での制限となりますが、移行期間終了後はuser単位での制限となります。Power Automate per Flow ライセンスについても、1flowあたりの上限が 1/2 になるため、注意が必要です。


コンテンツ スループットの制限

 大量データを取り扱う場合に注意しなければならないのが、「コンテンツ スループットの制限」です。5分、24時間あたりに操作可能なデータ量に制限があります。画像・動画や、ドキュメントファイルなど、テキストデータ以外のデータを取り扱う場合は、特に注意が必要です。

表2.コンテンツ スループットの制限
ライセンス 5分あたりのコンテンツ スループットの制限 24時間あたりのコンテンツスループットの制限
Microsoft 365 600MB 1GB
Power Automate per user 6GB 10GB
Power Automate per Flow 6GB 50GB


有効期限の制限

 利用頻度が低いフローの場合、「有効期限の制限」に注意が必要です。フローでエラーが発生し、それを放置したまま、14日を経過してしまうと、自動的にフローがオフ(非アクティブ)になります。動いていると思っていたフローが、気づいたら動いていなかったということになるため、エラーを検知するための仕組みを取り入れておく必要があります。


対策

 実際に要件定義、設計、製造工程で取り入れている対策を一部ご紹介いたします。

アクション要求の制限 

  • 設計・製造時に、以下の点を明確にしておく。
     ・フロー単位のアクション数
     ・フローが1日に実行される回数
     ・フローでエラーが発生した時の運用(通知先、通知された後のアクション)
  • Microsoft Azureと連携し、APIで実現可能な処理は、App ServiceやAzure Functionsを利用する。
  • フローを分割する。
    フロー単位に制限があるライセンスでは、フローを分割し、親フローから子フローを呼び出す構造にすることで制限を回避する。

コンテンツスループットの制限

  • 要件定義時に、以下の点を明確にしておく。
    時間単位(場合によっては、分単位)、日単位で処理するデータ量
  • サイズの大きなデータを扱う場合は、データを圧縮した上で通信する設計にする。

有効期限の制限

  • 要件定義、設計時にエラー監視、運用を明確にしておく。
    例えば、フローでエラーが発生した場合、担当チームのメーリングリストに通知する...など。

Microsoft公式情報

 今回ご紹介させていただいた Power Automate のライセンス、制限事項について、詳細は以下のMicrosoft公式サイトに記事がありますので、是非、ご確認ください。

おわりに

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