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Copilot Studio Kitとは?ガバナンス強化とエージェント管理を徹底解説

この記事の重要ポイント
- Copilot Studio Kitは、エージェントの可視化から自動監視、品質チェックまでを担う強力なガバナンスツールです。
- ポリシー違反に対する「自動隔離」や「削除」といった強制措置が可能で、管理者の運用負荷を大幅に軽減します。
- 本ツールはMicrosoftの標準サポート対象外の「アクセラレーター」であり、導入にはCreator Kitの事前インストールが必要です。
こんにちは、DXソリューション営業本部の中井です。
Microsoft Copilot Studioを利用して、社内独自のAIエージェントを作成する企業が増えています。
しかし、市民開発が進むにつれて、「誰がどんなエージェントを作ったかわからない」「セキュリティ設定が甘いエージェントが公開されている」といったガバナンスの課題に直面していませんか?
本ブログでは、こうした課題を解決するためにMicrosoftのPower CATチームが提供している強力なツールキット、
「Copilot Studio Kit」について、その機能や導入の注意点を詳しく解説します。
はじめに
Copilot Studioの普及に伴い、意図しない「野良エージェント」の増加やセキュリティリスクが懸念されています。
これらの課題に対し、組織全体の統制を保ちながら市民開発を促進するための解決策がCopilot Studio Kit(CSK)です。
本ツールを活用することで、管理者はテナント内のエージェント状況を把握し、安全な運用を実現できるようになります。
Copilot Studio Kitとは?
Copilot Studio Kitは、Microsoft Copilot Studioの機能を拡張するために設計された包括的なツールキットです。
MicrosoftのPower CAT(Customer Advisory Team)によって開発・維持されており、カスタムエージェントの構築、管理、テスト、最適化を支援します。
単なるサンプル集ではなく、エージェントのテスト自動化や詳細な分析、そして今回注目する「ガバナンス」のための機能がパッケージ化されているのが特徴です。
また、本ブログは2026年1月時点での公式ドキュメント情報やリリース情報を基に作成しております。
Copilot Studio Kitは、GitHub上で継続的に更新されているため、最新の仕様や修正プログラムについてはこちらのリポジトリを随時ご参照いただくことをお勧めします。
ガバナンスにおける3つの重要な役割
Copilot Studio Kitは、主に以下の3つの機能でガバナンスを強力にバックアップします。
POINT 1
全エージェントの「可視化」 (Agent Inventory)
組織内(テナント全体)のすべての環境にあるカスタムエージェントを一覧表示します。
作成者、認証モード、使用機能(生成AI、ナレッジソースなど)、公開状況を一目で把握でき、管理漏れを防ぎます。
POINT 2
ルールの「定義と強制」 (Compliance Hub)
設定したリスク閾値(例:認証なしは高リスク)に基づき、ポリシー違反のエージェントを自動検知します。
違反時には作成者へ通知するだけでなく、期限内に修正されない場合に「隔離(使用不可)」や「削除」といった措置を自動実行可能です。
POINT 3
設定の「品質チェック」 (Agent Review Tool)
エージェントの設定内容を静的に分析し、セキュリティ上のリスク、パフォーマンス低下の要因、命名規則違反などの
「アンチパターン」を検出してスコアリングします。
できること・できないこと
導入前に、ツールの守備範囲と制約事項を正しく理解しておくことが重要です。
| カテゴリ | できること (〇) | できないこと / 注意点 (△/×) |
|---|---|---|
| ガバナンス | ・組織内全エージェントの一覧化 ・ポリシー違反時の自動隔離・削除 ・設定ミスの静的分析 |
・作成自体の「リアルタイム」ブロック ・管理者権限がない範囲の参照 |
| サポート | ・GitHubを通じた不具合報告・要望 | ・Microsoft標準製品サポート (CSS) の対象外 |
💡 ヒント:リアルタイムブロックについて
Compliance Hubは定期スキャン(通常毎日)で違反を検知する仕組みです。
エージェント作成ボタンを押した瞬間に作成を阻止する機能ではない点に注意してください。
利用条件(前提条件)
Copilot Studio Kitを利用するには、以下の準備が必要です。
- 環境: Dataverseが利用可能なPower Platform環境。
- ライセンス: モデル駆動型アプリおよびPremiumコネクタ(Power Automate)を実行するためのライセンス。
- 依存関係: 「Creator Kit」の事前デプロイが必須です。
- 権限: 環境のシステム管理者ロール。
- その他: テスト自動化等でAI分析を行う場合は、AI Builderクレジットを消費します。
インストール方法
主に2つの方法がありますが、初心者はAppSourceからの導入が推奨されます。
STEP 1
AppSourceからインストール
「Copilot Studio Kit」のページで「今すぐ入手する」を選択し、対象の環境を指定してデプロイします。
STEP 2
セットアップウィザードの実行
インストール後、キット内の「Setup Wizard」アプリを起動します。
画面の指示に従って接続設定やフローの有効化を進めることができます。
よくある質問
Q. Copilot Studio Kitで不具合を見つけた場合、どこに連絡すればよいですか?
本キットはアクセラレーター(サンプル実装)の位置づけであるため、Microsoftの標準サポート対象外です。
GitHubの「Issues」を通じて報告を行う必要があります。
Q. 利用を開始するにはどのようなライセンスが必要になりますか?
管理者と利用者にPower Apps PremiumやPower Automate Premiumといったユーザーライセンスが必要になります。
オプションでテスト自動化機能(Generative Answers型)やプロンプトアドバイザー機能を使用する場合には、
テナントまたは環境にてAI Builderクレジット、もしくはCopilot クレジットを別途調達いただく必要があります。
まとめ
Copilot Studio Kitは、エージェントの数が増えて管理が困難になってきた組織にとって、非常に強力な助っ人となります。
特に「Compliance Hub」による自動監視は、管理者の負担を大幅に削減し、安全な市民開発環境を構築する鍵となります。
まずは開発環境に導入し、「Agent Inventory」で自社のエージェントがどのような状態にあるか可視化することから
始めてみてはいかがでしょうか。
また、QESでは、Power Platform導入時の支援から、アプリケーション開発、導入後の保守サポートまで対応しています。
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