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【Power Platform】Microsoft Copilot Studio のライセンス体系を紹介

こんにちは、DXソリューション営業本部の中井です。
本ブログは、Copilot Studioのライセンス体系をまるっと学べる記事となっております。
今回は、自社独自のAIエージェントを構築できる「Microsoft Copilot Studio」の最新ライセンス体系(2025年12月時点)
について解説します。
「Copilot Studioを導入したいが、ライセンスが複雑でどれを選べばいいか分からない」「コストの見積もりが難しい」
といったお悩みをお持ちの担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、従量課金から最新の事前購入プランまで、最適なプラン選定のためのポイントを分かりやすく整理しました。
1. Copilot Studioの基本と「Copilot クレジット」
Copilot Studioとは?
Copilot Studioは、自然言語やグラフィカルな操作画面を使用して、社内外向けのAIエージェントを構築・管理できる
会話型AIプラットフォームです。
特定の業務や部門に特化した「独自のエージェント」を、ローコードで簡単に作成できる点が大きな特徴です。
共通通貨「Copilot クレジット」
ライセンスを理解する上で最も重要なのが「Copilot クレジット」という概念です。
これは、Copilot Studioにおける全機能共通の「通貨」のようなものです。
ユーザーがエージェントと会話したり、エージェントがワークフローを実行したりすると、処理の複雑さに応じて
このクレジットが消費されます。
つまり、「どのくらいのクレジットを消費するか」を見積もることが、プラン選びの第一歩となります。
2. 選べる3つの購入プラン
現在、Copilot Studioの利用には主に3つの購入方法があります。
利用規模や予算計画に合わせて選択することが重要です。
従量課金メーター (Pay-As-You-Go)
実際に消費したCopilotクレジット数に基づいて、月末に後払いで料金を支払うプランです。
事前のライセンス契約が不要で、Azureサブスクリプションを通じて請求されます。
- メリット: スモールスタートが可能。季節変動にも柔軟に対応でき、超過による利用停止の心配がありません。
- 価格: 1 Copilot クレジットあたり 0.01ドル
ライセンス サブスクリプション(Copilot クレジット キャパシティ パック)
月額定額制で購入する、最も一般的なプランです。
テナント全体で1ヶ月間に消費するクレジット数を見込んで、必要なパック数を購入します。
- メリット: 毎月のコストが固定化でき、予算管理がしやすいです。
- 注意点: 未使用のクレジットは翌月に繰り越せません。
- 価格: 1パック(25,000クレジット)あたり 200ドル/月
Copilot クレジット事前購入プラン (年間契約)
1年間で使用するクレジットをまとめて前払いで購入するプランです。
「CCCU (Copilot Credit Commit Unit)」という単位で購入し、ボリュームに応じて段階的な割引が適用されます。
- メリット: まとめて購入することで割引(5%~20%)が受けられます。また、クレジットの有効期限が1年間あるため、
月ごとの使用量の波を吸収できます。 - 推奨: 大規模な導入や、年間を通して安定した利用が見込まれる場合に最適です。
3. 各プランの比較まとめ
それぞれのプランの違いを一目で比較できるよう、表にまとめました。
自社の利用フェーズに合わせて最適なものを選択してください。
| プラン名 | 支払い形態 | 対象規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 従量課金 | 後払い (Azure請求) |
小規模~ 変動大 |
0.01ドル/クレジット。 初期費用なしですぐに始められる。 |
| サブスクリプション (キャパシティパック) |
月額固定 | 中規模~ 定常利用 |
200ドル/月(25,000クレジット)。 余った分は繰り越し不可。 |
| 事前購入プラン | 年額前払い | 大規模 | ボリュームディスカウントあり。 1年間有効で無駄なく消費可能。 |
4. その他の重要なライセンス要件
Microsoft 365 Copilot に含まれる権利
すでに「Microsoft 365 Copilot」を導入されている企業様の場合、社内向け(従業員向け)のエージェント利用に関しては、限定的な使用権が含まれています。
ただし、公正使用の制限(Fair Usage Policy)が適用されるため、大規模な利用や外部向けエージェントの公開を行う場合は、別途Copilot Studioのライセンス購入が必要です。
Dataverseの容量について
Copilot Studioを利用すると、データの保存先として「Microsoft Dataverse」が使用されます。
Copilot Studioのライセンスを取得したテナントには、以下の既定キャパシティが提供されます。
- Dataverse データベース: 5 GB
- Dataverse ファイル: 20 GB
- Dataverse ログ: 2 GB
これを超過する場合は、追加のキャパシティアドオンの購入が必要になります。
5. まとめ
Copilot Studioのライセンスは、利用するクレジット量に応じた「従量課金」と「定額制」を組み合わせることで、
コストを最適化することができます。
まずは従量課金でスモールスタートし、利用傾向が見えてきた段階でサブスクリプションや事前購入プランへ
移行するのが賢い導入方法と言えるかもしれません。
本ブログが皆様のライセンス選びの参考になれば幸いです。
今回ご紹介した内容は、こちらのMicrosoft公式ドキュメントでもご確認いただけます。
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