Copilot Studioで作成できるCopilotプラグインとは

こんにちは。
DXソリューション営業本部の吾妻です。
Microsoftから提供されている Copilot Studio は、ローコードで簡単にチャットボット(Copilot)を構築できるツールですが、Microsoft 製品全体のCopilotで使用できる Copilot プラグイン を作成するためのツールとしての側面もあります。
今回は、Copilotプラグインにはどのような種類があるのか、整理してご紹介していこうと思います。
※公式の日本語資料はかなり読みにくく(例:「アプリをプラグインし、データを接続する」)、ラベルの文字列などで製品の現状に追い付いていない箇所も多いため、地球儀のアイコンをクリックして英語版の資料を参照したり、製品を直接検証したりすることをお勧めします
Copilotプラグインとは
Copilotプラグインは、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」などのCopilotに標準で含まれていない機能を追加するためのものです。
例えば、外部にあるデータとリアルタイムに連携して回答を返したり、特定のアプリケーションに対してアクションを実行したりするために使用します。
Copilotプラグインは、あくまでもプレビュー版の位置付けのため、呼び出し元のサービスや、利用できる言語※に制約があります。
現在のところ、Copilotの言語として英語が設定されている場合しか利用できませんが、今後徐々に制約がなくなっていくかと思われますので、公式情報を常にチェックしておく必要があります。
※ここでいう言語とは、プログラミング言語ではなく自然言語のことです
Copilotプラグインの分類
Copilotプラグインには、 会話型プラグイン と AIプラグイン の2カテゴリがあります。
さらに、AIプラグインは4種類に分類することができます。
カテゴリ | 種類 | 概要 |
会話プラグイン | Copilot StudioでCopilotの会話の進め方を定義するために使用される「トピック」と同じ方法で作成、構成、公開するプラグインのこと。 会話プラグインを公開すると、テナントのDataverseレジストリに新しいプラグインが作成され、テナント管理者が承認すれば、Microsoft Copilotプラグインカタログでユーザーがプラグインを利用できるようになる。 |
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AIプラグイン | AI Builderプロンプト (AIプロンプト) |
AI Builderと自然言語理解(NLU)を使用して、自然言語での回答を生成するためのプラグインのこと。 AIプロンプトはPower AppsとPower Automateの両方に組み込むことができるが、Copilotで使用する場合は、Power Appsに組み込むのと同じように扱われ、プラグインレジストリに追加される。 |
Power Automateフロー (フロープラグイン) |
トリガーとして「新しいCopilotから実行」を、末尾のアクションとして「Copilotに応答」を含むクラウドフローを、プラグインとみなして使用するための機能。 | |
カスタムコネクタ (コネクタプラグイン) |
既存のカスタムコネクタを、プラグインとみなして使用するための機能。 | |
OpenAIプラグイン | ChatGPT向けのプラグインのマニフェストファイルから、カスタムコネクタを生成することで、Copilotからでも使用できるようにする機能 |
アーキテクチャの違い
別の切り口として、Copilotプラグインが実行される際のランタイム実行パスの違いで、2種類に分類することもできます。
- Dataverseベースのプラグイン
…Microsoft Entra IDによる認証を使用して、Dataverseのデータにアクセスしたり、更新したりするプラグインのこと
(例)トピックプラグイン、プロンプトプラグイン - Power Platformコネクタエコシステムを使用するプラグイン
…接続参照による認証を使用して、外部データにアクセスしたり、更新したりするプラグインのこと
(例)フロープラグイン、コネクタプラグイン
それぞれプラグインのアーキテクチャも異なるため、プラグイン処理の実行時間にも差が生じると考えられます。
つまり、Copilotに指示を出してから、結果を受け取るまでの待ち時間は、経由するサービスの数に依存すると思われるので、前者よりも後者の方が「より待たされる」と考えられます。特にコネクタプラグインでは、カスタムコネクタを経由した先の、外部サービス側での実行時間もプラスされるので、待たされることを前提に設計をする必要があります。
このあたりの設計は、普段キャンバスアプリから外部データソースに接続するような構成に慣れていれば問題ないかと思いますが、クラウドフローからバッチ処理で外部データソースを操作することに慣れている場合には、考え方を切り替える必要があるかもしれません。
Microsoft Copilot Studioプラグイン | コネクタプラグイン | |
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公式資料より引用( https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot-studio/copilot-plugins-architecture#connector-plugins )
注意事項
これまで見てきたように、Copilotプラグインは、基本的にはPower Platformに以前から存在する各サービスをCopilotに組み込む(だけの)機能といえます。
このため、ロジックを実装する場合や、Copilotプラグインを他のユーザーと共有する場合には、一貫したUIや機能が提供されているという訳ではなく、元々の製品と同様の手順でそれぞれ設定を行う必要があります。
つまり、AIプロンプトであればPower Appsと同様に、フロープラグインであればクラウドフローと同様に、コネクタプラグインであればカスタムコネクタと同様に、各々の製品のページで、各々の手順で設定しなければなりません。
まとめ
今回は、Copilot Studioで作成できるCopilotプラグインにはどのような種類があるのかをご紹介しました。
Copilotプラグインが本格的に日本語対応したら、プラグインのより詳細な中身を検証していきたいと思います。
弊社はMicrosoft Copilot Studioパートナーとして、Copilot Studioを活用したソリューションに積極的に取り組んでいます。
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