Power BI で Dataverse に接続する場合の必要ライセンスと動作

こんにちは。DXソリューション営業本部 新入社員の伊藤です。
先日、担当するお客様より「Power BI で Dataverse に接続する場合の必要ライセンスと動作」についてのご質問をいただき、こちらについて調査した内容をこの記事ではご紹介させていただきます。
よろしければ、Power BI Desktop を使用する開発を行う際に参考にしていただければと思います。
※記載の情報は2024年12月時点のものです。
事前準備
準備するライセンス
検証にあたり使用したライセンスをご紹介いたします。
※今回の検証ではMicrosoft 365 E3ライセンスを使用しており、後ほどご紹介する Power Apps Basic はE3ライセンスに内包されております。
M365やO365などのMicrosoft Officeライセンスの種類やプランごとの違いは、弊社の記事で解説しておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
Power Apps
• Power Apps Premium ライセンス
→キャンバスアプリ、モデル駆動型アプリの両方を作成可能
→高いセキュリティ機能を搭載しているDataverseの使用が可能
• Power Apps Basic (通称: Power Apps M365 付帯ライセンス、 Power Apps O365 付帯ライセンス)
→キャンバスアプリのみ作成可能
→Dataverse は Dataverse for Teams しか使用ができず、セキュリティがチームの所有者、メンバー、ゲストに基づいた簡易なもの
ライセンスごとの違いや詳細については、下記リンクのPower Platform ライセンス ガイドのPower Appsセクションよりご確認いただけます。
その他のオプション(p.9)> Power Apps (p.9)> Power Appsの概要(p.11)よりご確認ください。
ライセンスガイド
Power BI
• Power BI Pro ライセンス
→個人利用はもちろん、他ユーザーとコンテンツを共有して共同作業が可能
• Power BI Fabric ライセンス
→他ユーザーと作業を行うことができないが、月額費用がかからず個人利用には最適
ライセンスごとの違いや詳細については、下記リンクのMicrosoft公式ドキュメントご確認ください。
Power BI:Power BI ライセンス(MS公式ドキュメント)
ユーザーに付与するライセンスの種類によるPower BI Desktopを使用する際の違い
結論
今回使用したライセンスの場合は、Power BI DesktopからDataverse (Dataverse for Teamsを除く) のテーブルを使用するには、Dataverseの利用権が含まれている Power Apps Premium ライセンスが必要となります。
Power Apps Basic(付帯ライセンス)や Power BI Pro、Power BI Fabric には、Dataverseの利用権が含まれておりません。
なお、SharePoint を使用した開発は、各種Microsoft 365 / Office 365などのライセンスがあれば使用できます。
Dataverseが使用不可の場合の動作
Dataverseが使用できなかった条件③、④のPower BI Desktopの挙動についてご説明いたします。
Power BI Desktop

[default]環境のテーブルにアクセスしてもエラーが表示される。【原因】
上記のようにDataverseとの接続にエラーが表示される理由は、Power Appsのライセンスと環境内で適切なセキュリティロールが割り当てられていないことが原因です。
おまけ
条件①、②のようにDataverseを利用する権限が含まれているPower Appsのライセンスと環境内で、適切なセキュリティロールが割り当てられている場合には、下記(Student013環境)のようにアクセス権がある環境配下のテーブルが表示されます。
まとめ
今回は、Power BI で Dataverse に接続する場合の必要ライセンスと動作をご紹介いたしました。
Dataverseを使用したレポートを作成する場合は、Dataverseの利用権が含まれる適切なライセンスが必要になります。Power BI系のライセンスには、Dataverseを使用する権利が含まれていないのでライセンス選びの際はご注意ください。
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