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【AI初心者向け】Geminiへの指示はGemに聞こう!プロンプト生成Gemを作ってみた

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この記事のポイント

この記事では、AIを使い始めたばかりの方が直面する「プロンプト(指示文)が書けない」という悩みを解消する方法を紹介しています。

  • Prompt Builder Zero to Pro(今作):
    「何がしたいか」を伝えるだけで、AI側から質問を投げかけて内容を深掘りしてくれる対話型のプロンプト作成支援Gemです。初心者が迷うことなく、高品質な指示文を作れるよう伴走します。
  • Gem Builder(前作):
    日常的に発生する決まった作業(議事録作成など)を自動化するための、専用AI(Gem)自体の設定を支援するGemです。
  • 活用のメリット:
    AIに詳しくなくても、対話に答えるだけでAIの性能を引き出すプロンプトが手に入ります。

こんにちは!DXソリューション営業本部の大和矢です。

Geminiなどの生成AIを使い始めたばかりの方から、よくこんな相談をいただきます。

「AIがすごいのは分かるけど、最初のチャットでなんて送ればいいか分からない」
「Geminiを使ってみても、当たり障りのない回答しか返ってこない」

いわゆる「プロンプト(指示文)が書けない」という悩みです。
AIの性能を引き出すには、「役割・背景・制約・出力形式」などを細かく指定する必要がありますが、慣れていないと難しいですよね。

そこで今回は、「やりたいことを伝えるだけで、プロンプトを作ってくれるコンサルタントGem」を作成しました。
名付けて「Prompt Builder:Zero to Pro」です。

以前紹介した「Gem Builder」との違いも含めて、活用方法をご紹介します。

「何を書けばいいか」をAIが教えてくれる

通常、AIを使うときはユーザーが頑張って指示を考えます。
しかし、今回作成した「Prompt Builder」はアプローチが逆です。

「何がしたいの?」とGeminiのほうから質問してくれます。

ユーザーは聞かれたことに答えていくだけ。
対話が終わる頃には、Geminiの性能を引き出す「高クオリティプロンプト」が完成しているという仕組みです。

実際に使用しているイメージは以下の通りです。
漠然としたアイデアを投げるだけで、必要な情報を深掘りしてくれます。

Prompt Builderがユーザーに質問を投げかけ、詳細を詰めていく対話画面の例

Prompt Builder:Zero to Pro の設定コード

「Gem」を新規作成し、以下のコードを「カスタム指示」に貼り付けてください。
(Gemの作り方が分からない方は、Gem Builderの記事を参考にしてください!)

Gemの構成情報

項目 内容
Gem名 Prompt Builder:Zero to Pro
説明 「何を実現したいか」を伝えるだけで、Geminiに最適化された高度なプロンプトを自動作成します。

カスタム指示(システムプロンプト)

--- 
# 役割
あなたは世界トップクラスの「プロンプト・エンジニアリング・コンサルタント」です。
ユーザーがGeminiに何かを依頼する際の「最初の一歩(1発目のプロンプト)」を、Geminiの能力を極限まで引き出すレベルにまで磨き上げることが任務です。

# 目的
ユーザーの断片的なアイデアを、Geminiが最も正確に理解できる「役割(Persona)」「タスク(Task)」「コンテキスト(Context)」「フォーマット(Format)」の4要素を含む「最強の初手プロンプト」へと変換します。

# 対話のガイドライン(低カロリー設計)
ユーザーの負担を最小限にするため、以下の「反転対話(Flipped Interaction)」パターンを厳守してください。
1. **最初の質問**: まず、ユーザーに「Geminiを使って、どのようなタスクを成し遂げたいか」を1つだけ質問してください。
2. **深掘り質問**: ユーザーの回答に応じて、不足している要素(制約、背景、理想のトーンなど)を補完するための質問を、**一度に1つずつ**投げかけます。
3. **ドラフト提示**: 全てを聞き出す前に、ある程度の情報が見えた段階で「このようなプロンプト構成でいかがでしょうか?」とドラフトを提示し、修正の有無を確認します。

# プロンプト作成のベストプラクティス
提案するプロンプトには、以下のテクニックを必ず組み込んでください。
* **Markdown構造化**: 見出し(# や ##)を使い、Geminiが読み取りやすい構造にします。
* **重要命令の末尾配置**: 最も重要な指示(「〜してください」等)は、指示の「最後」に配置して強調します。
* **思考の連鎖 (CoT)**: 「ステップ・バイ・ステップで考えてください」という指示を標準で盛り込みます。
* **時間的接地**: 以下の定型句を必ず含めます。
    * 「現在の日付を認識し、時間的整合性を保ってください」
* **変数/プレースホルダー**: ユーザーが後から詳細データを貼り付けられるよう `[ここに資料を貼り付けてください]` などの記述を用意します。

# 最終出力
ユーザーからGOサインが出たら、完成したプロンプトを以下の形式で出力してください。
1. **プロンプトのタイトル**(何のためのプロンプトか)
2. **プロンプト本体**(そのままコピーして新しいチャットに貼り付けられるコードブロック形式)
3. **使い方のワンポイントアドバイス**

# トーン
親切で熱情的、かつ非常に明快な言葉遣いを維持してください。プロフェッショナルとして「最高のプロンプトに仕上げますので、安心してお任せください!」という姿勢で接してください。
---

過去作「Gem Builder」との使い分け

以前のブログで、Gemを作るためのGem「Gem Builder」をご紹介しました。

「名前が似ているけど、どう違うの?」と思われるかもしれません。
この2つは、以下のように使い分けると効果的です。

Gem名 ① Gem Builder
(前回の記事)
② Prompt Builder
(今回の記事)
目的 「道具(ツール)」を作る 「依頼(タスク)」を投げる
出力内容 Gemの「カスタム指示」
(繰り返し使う設定用)
チャット用の「プロンプト」
(1回限りの使い切り用)
利用シーン ・毎週やる定型業務を自動化したい
・特定の役割(英語教師など)を固定したい
・これからやる資料作成を手伝ってほしい
・複雑な分析を1回だけお願いしたい

① 定型業務なら「Gem Builder」

「議事録の要約」や「日報の作成」など、何度も繰り返し行う作業であれば、Gemとしてツール化してしまうのがおすすめです。
前回のGem Builderを使って、専用のGemを作ってしまいましょう。

② 単発の複雑な依頼なら「Prompt Builder」

「この資料を元に、来期の戦略案を考えて」といった、その場限りの高度な相談であれば、わざわざGemを作る必要はありません。
今回のPrompt Builderを使って、最高品質のプロンプトをサクッと作成し、通常のチャット画面に貼り付けるのが最短ルートです。

今回ご紹介したプロンプト作成支援Gem、最終的に生成されるプロンプトはあえて載せません。
気になった方は、実際に手を動かしてGemを作成してみましょう。

余談:皆さんは「エースGem」をお持ちですか?

筆者が属する社内の若手コミュニティでは、「エースGem」という言葉が流行っています。

これは内輪ネタなのですが、「自分が作成したGemの中で、最も業務に貢献しているGem」を指す言葉です。
ちなみに、筆者のエースGemは、前回紹介した「Gem Builder」です。

今回作成した「Prompt Builder:Zero to Pro」も、周りの方が「Zero to Pro」と呼んでくれることを期待しています。

また、上記コミュニティ内では、便利なカスタム指示やプロンプトテクニックをまとめた「Gemカタログ」を作って共有したりもしています。

社内コミュニティで共有されているGemカタログのイメージ

Gemに愛着が持てる分かりやすい名前をつけてあげると、Geminiの画面を開いたときに少し気持ちが明るくなります。
ぜひ皆さんも、機能だけでなく「名前」にもこだわって、自分だけの「エースGem」を作ってみてください。

まとめ

AIを使いこなすコツは、実は「AIへの聞き方」にあります。
しかし、その聞き方を習得するために時間を費やすのは本末転倒です。

ぜひ今回の「Prompt Builder : Zero to Pro」を使って、面倒なプロンプト作成自体もAIに任せてみてください。
「こんなに詳しく書かないと伝わらないのか!」という発見もあり、結果的にプロンプト作成スキルも向上しますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

筆者は普段、QESの技術ブログにて、AI関連メインの記事を公開しているので、興味がございましたら、ぜひご覧ください。

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※このブログで参照されている、GoogleやGeminiは、米国およびその他の国におけるGoogleの商標または登録商標です。

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