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Google Cloud Next Tokyo 26 2日目基調講演発表まとめ!

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この記事のポイント

2026年7月31日に開催された「Google Cloud Next Tokyo Day 2」基調講演の現地参加レポートです。インフラからデータ、セキュリティに至るまで、すべてのレイヤーが「AIエージェントの大量稼働」を前提に再構築されている様子を、現地での実践的なデモや筆者の視点を交えて詳しく解説します。

  • AI特化型インフラの圧倒的な進化:
    長いコンテキストで10倍の性能効率を実現するNVIDIA Vera Rubin NVL72や、起動時間を最大81%短縮するGKE Pod Snapshots、毎秒10TBのスループットを誇るManaged Lustreなど、エージェント時代を支える強力なインフラ基盤が発表されました。
  • Gemini Enterprise Agent Platformの一般提供(GA):
    基調講演の目玉として一般提供開始が発表され、MCPやA2Aを組み込んだエージェント開発が本格化します。Agent Gatewayによる未登録MCPの遮断や、Model Armorによるプロンプトインジェクションのブロックなど、セキュアな稼働を支える機能がデモで実証されました。
  • 実運用に向けたガバナンスとセキュリティの強調:
    筆者が特に印象を受けたのは、Agent IdentityやAgent Registryといった統制機能が前面に出た点です。Google DeepMind製のCodeMenderやWizのRed Agentを活用し、脆弱性の発見から修正までをAIが自律的に回す統合ソリューション「Google AI Threat Defense」も紹介されました。

はじめに

こんにちは。DXソリューション事業本部の岡田です。
2026年7月31日(金)に開催された Google Cloud Next Tokyo Day 2 基調講演の内容を紹介します。テーマはインフラ・エージェント開発・データ・セキュリティを横断して、AI エージェントを「開発・デプロイ・運用・スケール」するための基盤を見せることでした。
Day 1 が「チップからアプリまで全部自社で持っている」という主張だったのに対し、Day 2 はその各レイヤーを具体的に深掘りしていく構成でした。

1日目の様子は下記の記事をご覧ください。

インフラ ― チップからストレージまで AI 前提で作り直す

まずはインフラのパートです。エージェント時代のコンピューティングは単一チップではなくデータセンター全体で定義される、という前提で「AI Hypercomputer」が位置づけられました。

チップとネットワーク

第 8 世代 TPU は、学習向けの TPU 8t と推論向けの TPU 8i に役割が分かれています。GPU では NVIDIA Vera Rubin NVL72 をいち早く提供するクラウドの一つになるとして、ラックあたり圧倒的な exaFLOPS の推論性能を持ち、高いインタラクティブ性と長いコンテキストのワークロードで 10 倍の性能効率を実現すると説明されました。

NVIDIA Vera Rubin NVL72 を紹介する基調講演スライド

ネットワークでは、スーパーポッドを超えて接続性を 2 倍に向上させる Virgo Network が Coming Soon として示されています。

汎用 VM は Axion を軸に 3 本立てへ

汎用ワークロードでは、カスタム設計の Arm CPU Google Axion が主役です。x86 インスタンスと比較して最大 2 倍の価格性能比とされています。ラインナップは Axion N4A・新しい C4N インスタンス・M4N シリーズの 3 本立てで、いずれも一般提供です。

拡充する汎用 VM として Axion N4A、New C4N インスタンス、M4N シリーズが並ぶ基調講演スライド

ストレージと GKE

ストレージも AI 向けに作り直されています。Google Cloud Managed Lustre(毎秒 10 TB のスループットをうたう並列ファイルシステム)、Cloud Storage Rapid(巨大なデータレイク向けに読み込み性能とコスト効率を重視したオブジェクトストレージ)、Smart Storage(非構造化データに保存時点でインテリジェンスを付与し、エージェントが使える状態にする)の 3 つが挙げられました。

AI のための高速ストレージとして Managed Lustre、Cloud Storage Rapid、Smart Storage が並ぶ基調講演スライド

運用面では、25 万 6,000 ノードを束ねる GKE hypercluster(一般提供・限定公開)と、サーバー起動時間を最大 81% 短縮する GKE Pod Snapshots(一般提供)が紹介されています。

GKE hypercluster と GKE Pod Snapshots を紹介する基調講演スライド

Gemini Enterprise Agent Platform が一般提供開始

このパートの目玉は、Gemini Enterprise Agent Platform の一般提供開始(GA)です。従来 Vertex AI と呼ばれていた開発者向け基盤が改称・統合されたもので、構築(Build)・拡張(Scale)・ガバナンス(Govern)・最適化(Optimize)の 4 軸で整理されています。
Gemini に加えて、Model Garden から Anthropic の Claude などのモデルも選んでエージェントに組み込めます。

Gemini Enterprise Agent Platform の 4 軸(構築・拡張・ガバナンス・最適化)を示す基調講演スライド
区分 コンポーネント 役割
構築(Build) Agent Development Kit(ADK) Skills・MCP・A2A を組み込んだエージェントの構築
拡張(Scale) Agent Runtime / Memory Bank Cloud Run 上のマネージド実行環境と、会話状態・長期記憶の保持
ガバナンス(Govern) Agent Registry エージェント・スキル・ツール・MCP サーバーの公開・発見・保護
ガバナンス(Govern) Agent Identity SPIFFE ベースの証明可能な ID を付与、最小権限と監査
ガバナンス(Govern) Agent Gateway / Model Armor 通信を集約・検査し、ランタイムポリシーを適用
最適化(Optimize) Agent Observability OpenTelemetry ベースのテレメトリ収集と評価・監視

ツール側では、Google Cloud の全サービスがデフォルトで MCP に対応しました。Google Workspace・Google Maps・Google Pay 向けのスキルと MCP ツールも提供されます。また、Agent Registry のスキル対応がプレビューとして発表されました。
スキルは公開前に脆弱性や悪意のあるコードをスキャンされ、公開後にリスクが判明した場合は Agent Registry から一括で無効化できます。世界中のエージェント レジストリと相互に連携する Agentic Resource Discovery のオープン標準対応も示されました(公式ドキュメント)。

デモでは、Antigravity CLI で開発した購買エージェントを Gemini Enterprise 上で実行しました。ノート PC の購入を依頼すると、A2UI(Agent to UI)がボタンやフォームを含む UI を会話の文脈に応じて動的に生成。購買エージェントは A2A で在庫管理エージェントと連携し、MCP 経由で予算を確認して購入台数を調整しました。

印象的だったのは、その後に実演された 2 つのブロックです。「社外の格安業者からも見積りを取ってきて」と指示すると、Agent Registry 未登録の MCP への照会は Agent Gateway が遮断し、さらに添付文書に仕込まれたプロンプトインジェクションを Model Armor が検出して処理を停止しました。判定は監査ログにも記録されます。

Agent Registry 未登録の MCP への通信を Agent Gateway が遮断し、プロンプトインジェクションを検出してブロックしたデモ画面

エージェンティック データクラウド ― 「知る」から「行動する」へ

従来の「System of Intelligence(分析して示唆を出す)」から「System of Action(エージェントが実際に手を動かす)」への移行が提案されました。その受け皿が エージェンティック データクラウド で、次の 3 領域が柱として示されました。

エージェンティック データクラウドの 3 本柱(Knowledge Catalog、Borderless Lakehouse、Agentic tools)を示す基調講演スライド
  • Knowledge Catalog(非構造化データを読み解く):メタデータとビジネスセマンティクスを集約し、企業全体のコンテキスト エンジンとして機能する。Cloud Storage 上の文書・画像・ログに Gemini が自動でメタデータを付与し、エージェントが必要最小限のコンテキストを取得できるようにする
  • Borderless Lakehouse(AWS との壁をなくす):Apache Iceberg を基盤に、AWS・Azure・SaaS 上のデータを移動せずに扱う。Snowflake Horizon Catalog、Databricks Unity Catalog、AWS Glue Catalog とのカタログ連携も紹介された
  • Agentic tools(コード不要):コードを書かずに分析や実行を進める。開発者向けの Data Agent Kit と、ビジネスユーザー向けの Conversational Analytics が示された

Conversational Analytics は一般提供で、BigQuery・Looker・AlloyDB・Spanner・Cloud SQL のデータを対象にした分析エージェントを Gemini Enterprise 上に公開できます。

Google AI Threat Defense ― 発見から修正までエージェントが回す

AI により脆弱性の発見から悪用までの時間が急速に短くなる中、防御ライフサイクル全体を AI で連携させる統合ソリューションとして Google AI Threat Defense が紹介されました。次の 4 ステップで構成されます。

  1. 準備:外部から攻撃可能な資産と過剰な権限を可視化し、守るべき領域を絞り込む
  2. スキャンと優先順位付け:脆弱性に実際に到達でき、悪用可能かを判定してリスクを並べ替える
  3. 修復:危険度の高い脆弱性に対し、AI エージェントがコード修正とテストを行う
  4. 監視:継続的なレッドチーミングで、環境や攻撃手法の変化に対応するフィードバックループを回す

基調講演では、この取り組みは数年前から始まっていたとする年表が提示されました。2023 年 8 月の AI エージェントによる脆弱性調査・防御研究に始まり、2024 年に Project Naptime の成果公表と DeepMind への統合、2025 年 11 月に自動修復 AI エージェント CodeMender の導入、そして 2026 年 4 月の AI Threat Defense 発表という流れです。

Project Naptime から CodeMender、AI Threat Defense に至る Google のセキュリティ研究の年表スライド

実際のサイクルを担うのが以下の製品群です。

  • Wiz:マルチクラウド・マルチ AI 環境をエージェントレスでスキャンし、AI エージェント、モデル、MCP サーバー、ガードレール設定を可視化。リソース間の関係をグラフで分析し、Red Agent が実際の攻撃可能性を検証、Green Agent が修正手順を提示(Wiz ブログ
  • CodeMender(パブリックプレビュー):Google DeepMind 製の自動修正エージェント。デモは「検出(cm scan)→ 検証(cm verify)→ 修正(cm fix)」の 3 段構えで、C++ の複数ファイルにまたがるバッファオーバーフローを検出したあと、エクスプロイトを自動生成してサンドボックスで実行し、本当に重篤な問題かを確認してからパッチを生成・検証していました

Wiz は 2026年3月11日に Google が買収を完了し、Google Cloud に加わっています(Google 公式)。Red Agent は 2026年7月29日に GA になりました。また、CodeMender で使えるセキュリティ特化モデル Gemini 3.5 Flash Cyber が Coming Soon として発表されています。

まとめ

TPU が学習/推論に分かれ、Agent Platform が GA になってエージェント専用の ID とゲートウェイが入り、データ基盤がクロスクラウドになり、セキュリティは発見から修正までエージェントが回す。どのレイヤーも「エージェントが大量に動く前提」で作り直されている、というのが Day 2 の一貫したメッセージでした。
特に印象的だったのは、Agent Identity や Agent Registry のような一見地味な統制機能が前面に出てきたことです。エージェントをデモから本番業務へ進めるうえで、誰の権限で動き、何を参照し、どう判断したのかを追えることが前提条件になった、ということだと思います。
次回の Google Cloud Next Tokyo は 2027年8月5日(木)・6日(金)に東京ビッグサイトで開催予定です。
来年も心待ちにしています!


QESではGemini Enterpriseの導入コンサルティング、エージェント設計、Google Workspace連携、運用支援まで一貫してサポートしています。Gemini Enterpriseの支援内容については下記のサービスページをご覧いただくか、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

※このブログで参照されている、Google、Gemini、Google Cloud、その他Google製品及びサービスは、米国およびその他の国におけるGoogleの商標または登録商標です。
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