記事公開日
Claude.ai の組織設定でClaude Designを無効化した状態で、Claude CodeのMCPで接続できるかを検証してみた

この記事のポイント
Claude.aiの組織設定でClaude Designを無効化した状態で、Claude CodeからのMCP接続や関連コマンド・スキルがどこまで制御されるのかを実機で検証しました。
- 検証結果:
Claude Designの無効化で遮断されたのは、Claude Design専用のバックエンドを直接呼び出すMCPサーバー接続と/design-syncコマンドのみでした。 - 見落としがちな穴:
/designコマンドはClaude Designのバックエンドを呼ばず、別のバックエンド(Artifacts公開用)を呼ぶため、Claude Designを無効化しても制御されず動作しました。 - 統制の単位:
実際の制御境界は「Artifactを使えるかどうか」にあり、Claude Design単体の無効化では統制が完結しないことが分かりました。
▼ 無料ダウンロード資料
Claude 導入チェックリスト(情報システム・セキュリティ部門向け)
プラン選定・監査ログ・SSO・テナント制限・コスト管理・運用ポリシーまで、Claude / Claude Code を組織へ安全に導入するための確認項目を6カテゴリで整理。導入プロジェクトの進捗管理・監査証跡としてそのままご活用いただけます。
こんにちは。DXソリューション営業本部の松榮です。
Claude Code や Claude.ai(Cowork)を組織に展開する際、「全機能を無条件に使わせるのではなく、一部の機能だけは明示的に制限したい」というシーンがあるかと思います。特に Claude Design のような機能は、管理コンソールで一つの項目を無効化するだけで済むため、運用上はシンプルに見えます。ただ、その無効化が実際にどこまでの範囲をカバーしているのか、設定した「つもり」で終わっていないかは、実際に触って確かめてみるまで分かりません。
管理者が Claude Design を無効化したとき、期待するのは「Claude Design が使えなくなること」です。今回は、その状態で Claude Code から MCP 接続ができるのかを検証しました。
前提知識
読み進める前に、登場する3つの概念を整理します。
Claude Design
Anthropic Labs の製品で、Claude と対話しながらデザインを作る環境です。チャットの隣にキャンバスがあり、生成されたデザインを要素単位で編集できます。Web では claude.ai/design で利用します。
MCP(Model Context Protocol)
Claude が外部のツールやデータに繋がるための標準プロトコルです。Claude Code では設定ファイルにサーバーを登録すると、そのサーバーが提供するツールが使えるようになります。
登録先は3種類あります。
| スコープ | 保存先 | 性質 |
|---|---|---|
| project | プロジェクト直下の .mcp.json |
ファイルとして残る。git 共有可 |
| local | ~/.claude.json のプロジェクト別領域 |
そのフォルダ専用・自分だけ |
| user | ~/.claude.json のトップレベル |
全フォルダで有効 |
Artifact
Claude Code がセッションの成果物を claude.ai 上のページとして公開する機能です。ダッシュボード、差分レビュー、進捗ボードなどを「見られるページ」として発行できます。
接続経路の検証 — MCPサーバー
まず claude mcp add でプロジェクトスコープに Claude Design の MCP を登録します。
claude mcp add --scope project --transport http claude-design https://api.anthropic.com/v1/design/mcp
このコマンドはプロジェクト直下の .mcp.json に定義を書き出します。
{
"mcpServers": {
"claude-design": {
"type": "http",
"url": "https://api.anthropic.com/v1/design/mcp"
}
}
}
Claude Design を使用するには /design-login を実行してサインインする必要があります。
はじめに、組織設定で Claude Design を有効化した状態で、Claude Code から MCP サーバーに接続できるかを試します。
対象のディレクトリで Claude Code を起動して /mcp で MCP の接続状況を確認します。
Status が connected となっており接続ができていることを表しています。ここでは、期待通りに組織設定が効いていることが確認できます。
続いて、組織設定で Claude Design を無効化した状態で、Claude Code から MCP サーバーに接続できるかを試します。
先ほどと異なり、Status が failed を返しています。上の画像が /design-login をしていないときで、下の画像が /design-login をしている際のステータスです。サインインをしていないときは403エラーを返し、アクセスが拒否されています。サインインをした際には、MCP エンドポイントが見つからないというエラーで、アクセスが拒否されています。
以上のように、Claude.ai の組織設定で Claude Code での Claude Design の MCP 接続を制御できることがわかりました。
コマンド/スキル別の検証
MCP サーバーへの接続経路とは別に、Claude Code には Claude Design と同様に「何かを作成できる」という点で共通するコマンドが存在します。今回はそのうち /design・/design-sync の2コマンドを対象に検証しました。
| コマンド/スキル | 機能の説明 | 結果 |
|---|---|---|
/design |
デザインキャンバスを作成し、Artifact として公開するコマンド。複数のアートボードをパン/ズーム可能なキャンバス上に配置し、Claude Design のキャンバスエディタで要素単位に編集できる。 | ✅ 動作した |
/design-sync |
Claude Code のターミナルから実行し、GitHub リポジトリやローカルのコードベースなどにあるデザインシステムを取り込んで(pull)、Claude Design のキャンバスと Claude Code 側のコードベースを双方向に同期させるコマンド。claude.ai/design のバックエンド(MCP エンドポイント経由の JSON-RPC 呼び出し)を直接呼び出す。 |
❌ 403 で遮断 |
/design-sync とは異なり、/design は Claude Design の無効化による影響を受けず動作しました。/design-sync は Claude Code のターミナルから実行するコマンドで、GitHub リポジトリやローカルのコードベースにあるデザインシステムを取り込み(pull)、Claude Design のキャンバスと Claude Code 側のコードベースを双方向に同期させます。この同期処理の実体は、claude.ai/design のバックエンド(MCP エンドポイント経由の JSON-RPC 呼び出し)を直接呼び出す形になっており、/design とは異なりこのバックエンドに依存しているため、ここだけ制御が効いていました。
一方 /design は、Claude Design のアートボード機能を Claude Code 上に持ち込んだコマンドで、依頼内容に応じて複数のアートボード(デザイン案)をキャンバス上に生成し、Artifact として公開します。公開後は、その Artifact 上で Claude Design のキャンバスエディタが動作し、要素単位での編集や採用したデザインの実装指示ができます。ポイントは、この一連の処理が Claude Design のバックエンドを経由せず、Artifact の公開という形で完結している点です。
Artifact の公開自体は、Claude Code のセッションから Anthropic のサーバー(claude.ai)へページをアップロードする処理であり、これもバックエンド呼び出しの一種です。ただし呼び出し先は Claude Design のバックエンドではなく、Artifacts 公開用の別のバックエンドです。だからこそ /design は、Claude Design を無効化しても制御の対象外となり、今回の検証のように動作してしまいます。
組織設定で Artifact を有効化した状態では、/design は通常どおりデザイン内容のヒアリングに進みます。
一方、組織設定で Artifact を無効化すると、下の画像のように /design の利用が制御されるようになっています。
結果まとめ
| 検証対象 | 種別 | Claude Design 無効化時 |
|---|---|---|
| MCP サーバー | 接続経路 | ❌ 403 で遮断 |
/design-sync |
コマンド(組み込みツール) | ❌ 403 で遮断 |
/design |
組み込みスキル | ✅ 動作する |
Claude Design の無効化で制御されるのは、Claude Design 専用のバックエンドを呼ぶものだけです。
接続経路である MCP サーバーと /design-sync は、claude.ai/design のバックエンド(MCP エンドポイント経由の JSON-RPC 呼び出し)を直接呼ぶため、無効化すると一貫してアクセスが拒否されました。ただし拒否の内容は一様ではなく、/design-sync は常に 403 でしたが、MCP サーバーはサインイン前が 403、サインイン後は MCP エンドポイントが見つからないというエラーに変わりました。
一方、/design は Claude Design のバックエンドを呼ばず、成果物を Artifact として公開する形で完結します。Artifact の公開自体は Anthropic のサーバーへのアップロードを伴うバックエンド呼び出しですが、呼び出し先は Claude Design のバックエンドではなく Artifacts 公開用の別のバックエンドです。Claude Design を無効化しても制御されませんでしたが、Artifacts を無効化すると /design も使えなくなります。つまり制御の単位は「Claude Design」ではなく「Artifact を使えるかどうか」に置かれていた、ということです。
まとめ
Claude Design を使わせたくないという理由だけで組織の設定を無効化しても、/design は Claude Design のバックエンドを呼ばず別のバックエンド(Artifacts 公開用)を呼ぶため制御されず、そのまま動作してしまうケースがあります。今回のように、Claude Design の無効化だけで統制が完結すると考えて運用を始めてしまっていると、実際には Artifacts 側の無効化まで踏み込んで制御する必要があることに後から気づき、Artifact 機能全体を止めるという大きな副作用を受け入れざるを得なくなることもあります。
Claude Design のキャンバスエディタまで含めて確実に止めたい場合は、先にどの設定が実際にどのバックエンド(Claude Design 用バックエンド / Artifacts 公開用バックエンド)を制御しているのかを整理し、Claude Design と Artifacts のどちらを無効化すれば何が止まるのかを事前に決めてから着手することをおすすめします。また統制を確認する際は、管理コンソールで有効化・無効化を切り替えただけで判断せず、実際にコマンドやスキルを動かして確認するよう注意してください。設定名だけを見て「止まっているはず」と判断すると、/design のように実際は素通りしている機能を見落としてしまいます。
また、Claude Design に限らず、Claude Code や claude.ai にはベータ版の製品・機能が数多く存在し、それぞれ提供形態や統合方式が異なるため、統制の設計自体が複雑になりがちです。ベータ機能は仕様変更の頻度も高く、一度確認した制御範囲が次のアップデートでも同じとは限りません。導入時に一度検証して終わりにせず、継続的に動作を確認していく運用が必要です。
QESでは、ガバナンス整備・セキュアな利用環境構築・利活用コンサルティング・セキュリティレビューまで、Claude / Claude Code の組織導入を一貫して支援しています。AWS(Amazon Bedrock)経由での提供にも対応しています。支援内容は下記のサービスページ、および無料の「Claude 導入チェックリスト」をご覧いただくか、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
▼ 無料ダウンロード資料
Claude 導入チェックリスト(情報システム・セキュリティ部門向け)
プラン選定・監査ログ・SSO・テナント制限・コスト管理・運用ポリシーまで、Claude / Claude Code を安全に導入するための確認項目を6カテゴリで整理。導入プロジェクトの進捗管理・監査証跡としてそのままご活用いただけます。
※このブログで参照されている、Anthropic、Claude、Claude Code、Claude Cowork、Claude Design は、Anthropic, PBCの米国およびその他の国における商標または登録商標です。


