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Amazon BedrockでOpenAIのgpt-ossを試してみた!

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こんにちは、DXソリューション営業本部の三浦です。

ついに、AWSの生成AI基盤サービスであるAmazon BedrockのモデルラインナップにOpenAIが加わりました!
2025年8月5日(米国時間)、OpenAIは2つの新しいオープンウェイトモデルgpt-oss-20bgpt-oss-120bをリリースし、AWS上でも利用可能になったことが発表されました。

本記事では、これらの新しいOpenAIモデルをAmazon Bedrockで有効化する手順と、Anthropic社のClaudeモデルと比較して実際に使ってみた感想をレポートします。

今回発表されたOpenAI gpt-ossモデルとは?

今回Amazon Bedrockで利用可能になったのは、OpenAIが開発した2つのオープンウェイトモデルです。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

gpt-oss-120b

o4-miniと同等以上の性能
データセンターやハイエンドのデスクトップ/ラップトップで動作するように設計された、大規模なオープンモデルです。

gpt-oss-20b

o3-miniと同等以上の性能
ほとんどのデスクトップやラップトップで実行できる、中規模のオープンモデルです。

リージョン限定で提供開始

まず注意点として、2025年8月7日現在、gpt-oss-20bgpt-oss-120bが利用できるのは米国西部(オレゴン)リージョンのみとなっています。
利用を検討している方は、AWSマネジメントコンソールでリージョンをオレゴンに切り替えるのを忘れないようにしましょう。

AWSオレゴンリージョンのマップ
↑モデルカタログにOpenAIの2モデルが追加されていました!

モデルアクセスの有効化

これらの新しいモデルを利用するには、まずBedrockコンソールでモデルへのアクセスを有効化する必要があります。

  1. Amazon Bedrockのコンソールにアクセスし、左側のメニュー下部にある「モデルアクセス」をクリックします。
  2. 「モデルアクセスを変更」ボタンを押し、モデル一覧画面へ進みます。
  3. 一覧の中に「gpt-oss-120bと「gpt-oss-20bが表示されているので、それぞれにチェックを入れます。
  4. 確認画面右下の「送信」をクリックすればリクエストは完了です。すぐにアクセスが許可されます。
Amazon Bedrockのモデルアクセスリクエスト画面

アクセスが有効になると、BedrockのChat playgroundなどでモデルを選択できるようになります。
playgroundのモデルプロバイダーに、「OpenAI」が追加されていることが確認できました。

Amazon Bedrockのモデル選択画面


gpt-ossモデルとClaudeの比較

早速これらのモデルを試してみます。
今回は、gpt-oss-20bgpt-oss-120b、そして比較対象としてAnthropicのClaude Sonnet 4を使い、同じ質問を投げかけてみました。


共通の条件

  • システムプロンプト: 「AWSのプロフェッショナルとしてAWSに詳しくない人にも伝わるように聞かれた質問に答えてください。」
  • ユーザープロンプト: 「Amazon Bedrockの特徴を3つ教えてください。」
  • 長さ(レスポンスの長さを制限):512
  • 温度(予測出力の確率分布の形状に影響): 1
  • トップP(モデルが次のトークンについて考慮する最も可能性の高い候補のパーセンテージ):0.5

gpt-ossモデルとClaude Sonnet 4の回答比較画面

各モデルの回答から見る印象・特徴

1. gpt-oss-20b の印象

表形式で回答を生成していますが、2つ目の特徴の説明の途中で文章が途切れており、完答していません。
内容は「〜がたくさん揃っている」といった非常にカジュアルで分かりやすい言葉を選んでおり、技術的な知識がないユーザーを意識しているようです。
要点を絞って、シンプルに伝えようという意図が感じられます。

2. gpt-oss-120b の印象

こちらも表形式で回答していますが、3つ目の特徴の説明の途中で文章が途切れており、完答には至っていません。
内容は「マネージドサービス」「VPC」「ファインチューニング」といった専門用語を使いつつ、そのメリットを解説するスタイルです。
開発者や技術者など、ある程度AWSの知識があるユーザーに向けて、より技術的な利点を具体的に伝えようとしています。

3. Claude Sonnet 4 の印象

見出しと文章で構成された、表形式ではない文章形式で回答しています。
3つの特徴と最後のまとめまで含めて、唯一、完答しています。
単なる機能説明に留まらず、「なぜそれが嬉しいのか」「具体的に何ができるのか」というビジネス価値にまで踏み込んでおり、非常に完成度の高い回答になっています。

料金比較

各モデルの料金も比較してみましょう。以下は、Amazon Bedrockの米国西部(オレゴン)リージョンにおけるオンデマンド料金の比較表です。料金は1,000トークンあたりの米ドル表記です。

モデル名 プロバイダー 入力 (オンデマンド) 出力 (オンデマンド)
gpt-oss-20b OpenAI $0.00007 $0.0003
gpt-oss-120b OpenAI $0.00015 $0.0006
Claude Sonnet 4 Anthropic $0.003 $0.015

料金から見るポイント

  • コストパフォーマンス: gpt-ossモデルは、Claude Sonnet 4と比較して、特に入力トークンの価格が非常に低く設定されています。gpt-oss-20bのオンデマンド入力料金は、Claude Sonnet 4の約42分の1です。
  • 用途による選択:
    • コストを最優先する場合にはgpt-ossモデルが非常に有利です。
    • 一方で、Claude Sonnet 4はより高機能なモデルであり、特定のタスクにおける性能や回答の質を重視する場合の選択肢となります。

まとめ

今回、Amazon Bedrockで利用可能になったOpenAIのgpt-ossモデルを試してみました。

  • gpt-oss
    長所: 料金が非常に安く、特に大量のテキストを入力するタスクでコストを大幅に削減できます。応答速度も速いと感じました。
    短所: 今回のテストのように、複雑な指示や長文の生成では回答が途中で止まってしまうなど、安定性に欠ける可能性があります。

  • Claude Sonnet 4
    長所: 複雑な指示でも意図を正確に汲み取り、高品質で論理的な文章を生成する能力に長けています。安定して最後まで回答を生成する信頼性が高いと言えます。
    短所: gpt-ossモデルと比較すると料金は高めです。また、回答の生成に時間がかかる場合があります。

BedrockにOpenAIという強力な選択肢が加わったことは、ユーザーにとって間違いなく朗報です。
これにより、アプリケーションの特性やターゲットユーザーに応じて、さらに柔軟なモデル選択が可能になります。

今後は、他のリージョンへの展開や、さらなるOpenAIモデルの追加にも期待が高まります。
ユースケースに合わせて最適なモデルを使い分け、生成AIの活用をさらに加速させていきましょう!

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