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KiroのWeb検索機能を試してみた

この記事のポイント
Kiro CLIに追加されたWeb検索機能を実際に試してみました。Amazon QuickSightからQuick Suiteへの進化を例に、リアルタイム情報取得の実力を検証します。
- Web検索機能の概要:
Kiro CLI v1.21.0から、インターネット上の最新情報をリアルタイムで取得できるようになりました - 実践的な活用例:
Amazon Quick Suiteの最新情報を取得し、Kiroが自律的にWeb検索を実行する様子を確認 - 開発効率の向上:
ブラウザに切り替えることなく、開発ワークフロー内で直接最新情報にアクセス可能 - 賢い情報収集:
文脈を理解して必要に応じて自動的にWeb検索を実行する機能を確認
はじめに:KiroのWeb検索機能とは
こんにちは。DXソリューション営業本部の松浦です。
Kiro CLI v1.21.0(2025年11月25日リリース)から、Kiro CLIがインターネットからリアルタイムで情報を取得できる機能が追加されています。この機能により、最新のライブラリバージョン、ドキュメント、技術的な問題の解決策などを、ブラウザに切り替えることなく開発ワークフロー内で直接検索できます。
今回は実際にこの機能を使って、Amazon QuickSightからAmazon Quick Suiteへの進化を例に、最新情報の取得を試してみました。
参考情報-公式アナウンスの内容
AWS公式ブログによると、以下のように説明されています:
Web 検索・取得機能
Kiro CLI がインターネットからリアルタイムで情報を取得できるようになりました。最新のライブラリバージョン、ドキュメント、技術的な問題の解決策などを、ブラウザに切り替えることなく開発ワークフロー内で直接検索できます。
主な用途
- 最新のライブラリドキュメントの参照
- 技術的な問題の解決策の検索
- API の最新仕様の確認
また、Kiro CLIの変更ログには、以下のように記載されています:
"We've added new web search and fetch capabilities to the Kiro CLI, enabling access to current information from the internet in real-time."
(日本語訳)Kiro CLIに新しいWeb検索および取得機能を追加しました。これにより、インターネットから最新情報にリアルタイムでアクセスできるようになります。
1. 実際に試してみた
検証に使用する情報
2025年10月9日、AWSはAmazon QuickSightを「Amazon Quick Suite」として再ブランディングし、従来のBIサービスから生成AI搭載の包括的な分析プラットフォームへと進化させました。この最新情報を例に、KiroのWeb検索機能を検証してみます。
参考:ビジネスインテリジェンスの再構築: Amazon QuickSight が Amazon Quick Suite に進化(AWS公式ブログ)
検証1:Web検索無し、MCPありで質問してみる
まず、「Amazon Quick Suiteについて教えてください。」とシンプルに質問してみました。
結果として、Kiroは「Amazon Quick Suite」という名前のサービスが存在しないと判断し、代わりに「Amazon QuickSight」や「Amazon Q Business」などの既知のサービスを提案してきました。これは、MCPの情報が未更新かつKiroの学習データに含まれていない最新情報であり、更にWeb検索も実行されなかったためです。
検証2:検証1の結果に文脈を与えてみる
次に、検証1の結果から続けて「Amazon QuickSightがアップデートによりQuick Suiteになったと思います。」という文脈情報を追加して質問してみました。
結果として、Kiroは以下のような動作を見せました:
- 自律的な判断:明示的に「Web検索して」と指示していないにもかかわらず、Kiroは文脈から最新情報が必要だと判断
- Web検索の実行:「Amazon QuickSight QuickSuite rename rebrand」などのキーワードで自動的にWeb検索を実行
- 情報の取得と整理:AWSの公式ブログや公式ドキュメントから最新情報を取得し、構造化して提示
- 詳細情報の取得:さらに詳しい情報が必要と判断し、公式ドキュメントページの内容も取得
検証3:最初からWeb検索を指定して質問してみる
最後に、検証1/検証2とは別の新しいチャットセッションで「Web検索を使ってAmazon Quick Suiteについて教えてください。」と質問してみました。
結果として、Kiroは最初からWeb検索機能を使って情報を取得し、回答をしてくれました。
検証結果
3つの検証から、KiroのWeb検索機能には以下の特徴があることが分かりました:
- 検証1の結果:シンプルな質問のみでは、Web検索を使用せずに学習データを用いた回答を行います。最新情報が必要な場合でも、質問内容から判断できない場合は検索機能が使用されません。
- 検証2の結果:文脈情報を追加することで、Kiroは「最新情報が必要」と自律的に判断し、Web検索機能を使用します。明示的な指示がなくても、会話の流れから適切に検索を実行してくれます。
- 検証3の結果:「Web検索を使って」と明示的に指示すれば、確実にWeb検索機能が使用されます。最新情報が必要な場合は、この方法が最も確実です。
これらの結果から、Kiroは文脈理解能力を持ちながらも、確実性を求める場合は明示的な指示が有効であることが確認できました。
2. 所感
Web検索機能の賢さ
Kiroが文脈を理解して自律的にWeb検索を実行した点は便利に感じました。「検索して」と明示的に命令するのではなく、会話の流れから「この情報は最新のものが必要だ」と判断し、適切なタイミングでWeb検索を実行しました。
Kiroは複数のソースから情報を収集し、公式ドキュメントやAWS公式ブログなど、信頼性の高い情報源を優先的に参照していました。また、取得した情報には必ずソースのURLが含まれており、情報の出典を確認できる点も評価できます。
懸念
一方で、何も情報を与えずにシンプルな質問をするだけだと、Web検索機能は使われずにKiroの学習データから回答が行われました。この挙動は、Kiro使用者の基礎知識が不足している場合だと誤ったプロジェクト進行を行う危険性を孕んでいます。
対策として、基礎知識が浅いテーマでKiro頼りでプロジェクト進行を行うのであれば、明示的にプロンプトでWeb検索を行う様に指定するのが効果的でしょう。SteeringによるWeb検索機能の使用強制化等も選択肢として有効と考えられます。
開発効率への影響
Web検索機能の活用により、従来の開発と比較して以下の様な効率化の効果があると感じました。
| 従来の方法 | Kiro Web検索機能 |
|---|---|
| ブラウザを開く → 検索 → 複数のページを確認 → 情報を整理 → IDEに戻る | Kiroに質問 → 自動的に検索・整理された情報を取得 |
| 5〜10分程度 | 1〜2分程度 |
| コンテキストスイッチが発生 | 開発環境内で完結 |
活用シーン
この機能は以下のようなシーンで特に有効です:
- 最新のライブラリやフレームワークの情報確認:バージョンアップ情報や破壊的変更の確認
- エラーメッセージの解決策検索:最新のバグ修正情報やワークアラウンドの取得
- AWSサービスのアップデート情報:新機能や価格変更などの最新情報の把握
- 技術トレンドの調査:新しい技術やベストプラクティスの情報収集
まとめ:開発効率を高めるWeb検索機能
Kiro CLIのWeb検索機能は、単なる検索ツールではなく、文脈を理解して自律的に情報を取得する賢いアシスタントとして機能します。今回の検証では、Amazon QuickSightからQuick Suiteへの進化という最新情報を、明示的な指示なしに自動的に検索・取得・整理してくれました。
この機能により、開発者はブラウザとIDEを行き来する必要がなくなり、開発フローを中断することなく最新情報にアクセスできます。特に、AWSサービスのような頻繁にアップデートされるサービスを利用する際には、非常に有用な機能と言えるでしょう。
ただし、明示的な指示がない場合は文脈からの判断によってのみ検索機能が使用されるため、確実にWeb検索を行いたい場合にはチャットプロンプトで機能の使用を明示化する等、上手く使いこなす必要がある点については注意が必要です。
Kiroを使用中の方は、ぜひこのWeb検索機能を活用して、開発効率の向上を体験してみてください。
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