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【Microsoft Ignite 2025】現地レポート:AIエージェントの統合管理基盤「Microsoft Agent 365」発表!

はじめに
DXソリューション営業本部の中根です。
毎年恒例の Microsoft Ignite 2025 に参加していますので現地レポートいたします。 今年はサンフランシスコで開催されています。
サンフランシスコと言えば、あの人気海外ドラマ『フルハウス』の舞台としても有名です。オープニングでお馴染みのゴールデン・ゲート・ブリッジや、ビクトリアンハウスが並ぶあの景色は、ぜひ生で見てみたいと思っています。 まだ会場への移動だけで観光はできていませんが、なんとか時間を見つけて見学に行きたいところです。
開催初日の Keynote は、ミッション・ベイ地区にある Chase Center で開催されました。 ここはNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのホームアリーナです。 約18,000人以上が収容できる会場だけあって、とても大規模な施設です。
今年の Keynote も様々な発表がありました。 その中で私が一番気になっていた Microsoft Agent 365 について書こうと思います。
Microsoft Ignite とは
Microsoft Ignite は、マイクロソフトが主催する開発者やITプロフェッショナル向けの最大級の年次カンファレンスです。最新の技術動向、クラウドサービス、セキュリティソリューションなどが一挙に発表される場であり、世界中の技術者やビジネスリーダーが注目するイベントです。
今回のIgniteでも多くのAI関連のアップデートがありましたが、特に企業における「AIエージェント」の本格活用を見据えた管理基盤として発表されたのが Microsoft Agent 365 です。 これは、レジストリ、アクセス制御、視覚化、相互運用性、セキュリティといった5つの主要な機能を提供する、AIエージェントのための「コントロールプレーン」として位置づけられています。
Microsoft Agent 365 について
組織内でAIエージェントの利用が拡大する中、それらをいかに安全かつ効率的に管理するかが課題となっています。Microsoft Agent 365 は、以下の5つの機能でその課題を解決してくれるようです。
1. レジストリ (Registry)
Microsoft Entra レジストリ を利用することで組織内に存在するすべてのAIエージェント(Microsoft 365 Copilotエージェント、Copilot Studioで作成されたカスタムエージェントなど)を一元的に把握し、一覧表示します。
ガバナンスとセキュリティを確保しつつ、ユーザーが必要なエージェントを効率的に見つけて利用できるようにするための基盤となり、集中管理されたエージェント登録・追跡システムを構築できそうです。
2. アクセス制御 (Access Control)
組織内のすべてのエージェントに固有のIDを付与し、必要なリソースへのアクセスのみを許可する「最小権限の原則」を徹底します。 エージェント作成や管理に関するガードレールを設定でき、エージェント ポリシー テンプレート を使って標準的なセキュリティポリシーを適用できます。また、Microsoft Entra がリアルタイムのリスクに基づいてアクセスを制御し、侵害された可能性のあるエージェントをブロックします。
悪意のある攻撃者による悪用や偶発的なデータ損失のリスクの軽減が期待できそうです。
3. 視覚化 (Visualization)
単なる監視にとどまらず、アクションにつながるインサイトを提供します。 統合ダッシュボードにより、エージェント、ユーザー、リソース間のつながりを可視化できるほか、ロールベースのレポートでITやビジネスリーダーに必要な指標を提供します。エージェントのパフォーマンスやROI(投資収益率)の測定も可能で、エンドユーザー自身もエージェントのタスク遵守状況を確認できます。
視覚化は、見た目にも分かりやすく、ガバナンスやコンプライアンスの分析に使えそうだと感じました。
4. 相互運用性 (Interoperability)
エージェントは、WordやExcel、SharePoint、Dynamics 365など、ユーザーが日常的に使うデータやアプリにアクセスし、組織のワークフローに統合できます。 Work IQ へのアクセスにより、組織固有のデータやコンテキストを理解したエージェントが価値を早期に発揮します。また、Microsoftプラットフォームだけでなく、オープンソースフレームワークやパートナー製品とも連携可能な柔軟性を持っています。
5. セキュリティ (Security)
Microsoft Defender、Microsoft Entra、Microsoft Purview と連携し、多層防御のアプローチでエージェントとデータを保護します。 外部・内部の脅威を検出し、リアルタイムで攻撃をブロックするほか、PurviewによりAI関連のデータ漏洩リスクを可視化し、機密データの不適切な処理を防止します。これにより、コンプライアンスを維持しながら安心してエージェントを活用できます。
これによりエージェントのセキュリティやコンプライアンスを総合的に管理ができそうです。
さいごに
今回の発表により、企業はAIエージェントを単なる実験的なツールとしてではなく、統制された信頼できる戦力として組織全体に展開できるようになりそうです。
色々と出来ること増え、検証が楽しみです。
引き続き、現地の様子をレポートしていきたいと思います!


