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Gemini Enterpriseとは?機能や料金、Geminiアプリとの違いを徹底解説

この記事のポイント
Googleの「Gemini Enterprise」は、単なるチャットAIを超え、業務を自律的に遂行する「エージェント型プラットフォーム」です。その革新的な機能と企業導入のメリットを解説します。
- エージェントへの進化:
「助言するアシスタント」から、目標を理解し自律的にタスクを完遂する「実行するエージェント」へ。 - 全方位的なデータ連携:
社内ドキュメント、SaaS、DBと接続し、マルチモーダルな情報を統合して処理可能。 - エンタープライズ基準の安全性:
日本国内データレジデンシーや「Model Armor」によるガバナンスで、企業利用に完全対応。
Gemini Enterpriseとは:AIエージェントの時代へ
DXソリューション営業本部の三浦です。
ビジネスのあり方を根本から再定義する革新的ソリューション「Gemini Enterprise」について解説します。単にAIが業務を「サポート」する段階を超え、AIが自律的に業務を「遂行」する「エージェンティック AI(Agentic AI)」の時代を迎えようとしています。
出典: Google Cloud - Gemini Enterprise のコンセプト
アシスタントから「エージェント」へ
Gemini Enterpriseは、もはや単なるチャットツールではありません。組織内外に散在する膨大なデータを統合し、AIエージェントの発見、作成、実行、管理を一元化する「エージェント型プラットフォーム(Agentic Platform)」です。
このプラットフォームは、かつて提供されていた「Google Agentspace」の対話型AIおよびオーケストレーション技術を継承し、Google DeepMindの最先端モデルと融合させたものです。その核心は、ユーザーの隣で助言する「アシスタント」から、目標を理解し自律的にタスクを完結させる「エージェント」への進化にあります。
対象はデスクワーク中心の知識労働者だけではありません。店舗や倉庫で活躍する現場スタッフ(フロントラインワーカー)までを含めた全従業員が、この「知能のハブ」を通じて、定型業務から解放され、よりクリエイティブで高付加価値な挑戦に集中できる未来を実現します。
プランと料金体系:組織に合わせた選択
Gemini Enterpriseは、スタートアップからグローバル企業、現場部門まで、あらゆる組織の規模とニーズに応えるエディションを展開しています。
| エディション | 対象・特徴 | 価格 (ユーザー/月) |
|---|---|---|
| Gemini Enterprise Business | 中小規模チーム向け (1〜300名) IT設定不要ですぐに利用開始でき、基本的な検索・要約・生成機能を提供。 |
$21 USD 〜 |
| Gemini Enterprise Standard/Plus | 大企業向け 高度なセキュリティ、データコネクタへのフルアクセス、エンタープライズ検索、NotebookLM Enterpriseなどを搭載。 |
$30 USD 〜 |
| Gemini Enterprise Frontline | 現場スタッフ向け 店舗や倉庫などで働く従業員向けの軽量プラン。 ※Standard/Plusの追加オプションとして提供。 |
お問い合わせ |
※価格は変更される可能性があります。最新の情報は以下の公式サイトをご確認ください。
Gemini Enterpriseのコア機能
Gemini Enterpriseは、チャット機能だけでなく、高度な自動化までをカバーします。
3.1 高度なアシスタント(チャット)機能
Gemini Enterpriseのアシスタントは、テキスト、画像、動画、PDF、音声、そしてソースコードまでも理解する高度なマルチモーダル性能を備えています。
アップロード可能なファイル形式と制限:
- 画像: 最大30MB(.png, .jpeg, .svg)
- ドキュメント:
- PDF / PPTX: 各最大100MB
- Excel (.xlsx): 最大50MB / CSV: 最大200MB
- Word (.docx): 最大3MB
- テキスト (.txt): 最大3MB / Markdown (.md): 最大2MB
- コード: JSON / JS / HTML / CSS / Java(各最大0.5MB~1MB)、Python(最大2MB)
- 動画・音声: 各最大200MB(.mp4, .mp3)
3.2 強力なコネクターによるデータ連携
「データがどこにあるか」を気にする必要はありません。Gemini Enterpriseは組織内の主要なアプリケーションやデータベースとワンクリックで繋がります。
- Google Workspace: Drive, Gmail, Calendar, Groupsとのリアルタイム同期。
- Microsoft エコシステム: OneDrive, Outlook, SharePointに加え、Microsoft Entra IDとの連携による厳格な認証管理もサポート。
- エンタープライズSaaS: Salesforce, Jira, Confluence, ServiceNow, Slack, Box, Dropboxなど。
3.3 アシスタント・アクションによる実行能力
情報を探すだけでなく、ユーザーに代わって「アクション」を起こします。例えば、Googleカレンダーで「明日の15時にデザイン修正の会議を設定して」と指示したり、Gmailで下書きから送信までを完結させたりすることが可能です。
AIエージェントの作成と活用
4.1 すぐに使えるGoogle製エージェント
導入初日から特定の専門タスクを任せられる「タスクフォース」が用意されています。
- Deep Research: 数週間かかる調査を数時間に短縮。Webと社内データを横断し、包括的なレポートを生成。
- Data Insights: 自然言語でBigQuery等のデータと対話し、SQL不要でインサイトを抽出。
- Idea Generation: トーナメント形式の競争フレームワークを用い、革新的なアイデアを創出・ランク付け。
- NotebookLM Enterprise: 膨大な資料を読み込み、要約や執筆を支援するパーソナルなリサーチ助手。
- Gemini Code Assist: ソフトウェア開発ライフサイクル全体を支援するコーディング特化エージェント。
※これらGoogle製エージェントの一部はBusinessエディションやFrontlineエディションでは制限される場合があります。
4.2 ノーコードから高度な開発まで
プログラミングスキルがなくても「エージェント デザイナー」を使えば、自然言語で指示を入力するだけで、チーム固有の専門知識をもったAIエージェントを作成できます。開発者向けにはVertex AI上の「Agent Development Kit (ADK)」や、外部プラットフォームと連携する「Agent-to-Agent (A2A) プロトコル」も提供されています。
Google Workspace版との違い
Gemini Enterpriseは、個人の生産性向上を超え、ビジネスプロセス全体の変革を目的としています。
| 項目 | Geminiアプリ | Google Workspace with Gemini | Gemini Enterprise |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 日常的な対話・創作支援 | 既存アプリ内の生産性向上 | ビジネスプロセス全体の自動化・変革 |
| データ連携 | 公開情報、一部Workspace | Google Workspace内データ | 組織全体のあらゆるSaaS、DB、社内システム |
| エージェント機能 | チャットのみ | アシスタント機能 | 包括的なエージェントプラットフォーム |
セキュリティとガバナンス
AIの導入障壁となりがちなセキュリティについて、Gemini Enterpriseは業界最高水準の保護を提供します。
- データ所有権の確立: 顧客データは顧客に属し、Googleのモデルトレーニングには決して使用されません(無料トライアル等を除く)。
- 日本国内でのデータレジデンシー: データの保存、処理、そして推論の場所を「日本国内」のデータセンター内に限定する設定が可能です。これはEnterpriseエディションならではの価値です。
- 強力なガバナンス: コネクターやエージェントの中央管理はもちろん、ビルトインの「Model Armor」がプロンプトインジェクションや不適切な出力をプロアクティブに防御します。
まとめ:AI時代のトランスフォーメーションに向けて
Gemini Enterpriseは、単なるシステム連携ツールではありません。それは、社内のあらゆるデータやツールを使いこなし、自律的に動く「パートナー」です。
これからの時代に求められるのは、自ら手を動かすこと以上に、この頼れるパートナーに的確に仕事を依頼し、チームとして成果を最大化するマネジメント能力です。AIが実務を自律的にこなし、人間がそれを指揮する。その協働こそが、ビジネスを次なるステージへと進めます。
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※このブログで参照されている、Google、Gemini、NotebookLM、Gemは、米国およびその他の国におけるGoogleの商標または登録商標です。


