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記事公開日

Kiro Powersとは? インストールしてAWS環境を構築してみた②

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この記事のポイント

本記事では、AIアシスタント「Kiro Powers」の実装フェーズにおけるIaC生成能力を検証します。「安全・安価・運用が楽」という抽象的なプロンプトから、AWS Well-Architected Frameworkに準拠した高度な構成案が即座に生成される過程を、実際のAWS CDKコードと共に解説。エンジニアの設計工数を大幅に削減しつつ、セキュアなインフラを構築する実戦的なTipsを紹介します。

  • AWSベストプラクティスに基づいた自動設計:
    ABAC(属性ベースアクセス制御)によるIAMポリシー制御や、外部通信を遮断した「PRIVATE_ISOLATED」サブネット構成など、エンタープライズレベルのセキュリティ設定を自動で出力します。
  • 3つのエンドポイント活用によるコスト最適化:
    高価なNAT Gatewayを排除し、SSM / EC2 Messages / SSM Messagesの3つのVPCエンドポイントを介した閉域通信を採用。セキュリティを高めつつ、月間の固定費(インフラ維持費)の大幅な削減を両立させています。
  • 運用証跡の自動可視化:
    Session Managerの操作ログをCloudWatch Logsへ自動転送する定義など、筆者が独自に検証した「運用の手間を省きつつ、万全な証跡管理を実現する」実践的な環境構築手法を明示しています。

はじめに

こんにちは。DXソリューション営業本部の岡田です。
前回のブログで「Kiro Powersを導入した場合と、していない場合でSpec機能を使用したらどのように要件定義/設計は変わるのか」を検証しました。


今回は実装フェーズに入り、Powersを使用することで、どのようなIaCコードを生成してくれるか検証してみましょう。
こちらからは「AWSのプライベートサブネットにあるEC2に、安全にログインできるようにして。なるべく安く運用が楽な方法がいい。」という曖昧な指示しか与えない場合でも、AWS Well-Architected Frameworkに沿ったIaCを書いてくれるのでしょうか。
実際に動作を確認してみましょう。

検証

前回同様、Powersの「Build AWS infrastructure with CDK and CloudFormation」がインストールされていることを確認します。
こちらは最新のドキュメント、ベストプラクティス、コードサンプルを活用し、CDKやCloudFormation で AWS Well-Architected Framework に準拠した AWS インフラストラクチャを構築します。



前回は設計ドキュメントの完成まで完了したので、次のステージの実装フェーズに進むよう指示を出し、作成されたCDKコードを見てみます。


① セキュリティ:ABACによるアクセス制御

まず、セキュリティの観点に注目します。
IAMポリシーを「操作者の属性」と「インスタンスのタグ」が一致する場合のみ許可する設定になっています。
ユーザーがログインしようとするとき、IAMポリシーが「操作する人の権限」と「インスタンスのタグ」が一致するかをチェックします。
そのため、「開発環境用の権限を持つ人が、誤って本番環境のインスタンスを操作する」といった事故を防いでくれます。

new iam.PolicyStatement({
  sid: 'AllowStartSession',
  effect: iam.Effect.ALLOW,
  actions: ['ssm:StartSession'],
  resources: [ `arn:aws:ec2:${this.region}:${this.account}:instance/*`
  ],
  conditions: {
    StringEquals: {
    'ssm:resourceTag/Environment': environment
    }
   }
 })



② 信頼性:VPCエンドポイントによるプライベート通信

次に信頼性です。
VPCエンドポイント(InterfaceVpcEndpoint)を作成することで、VPC内のインスタンスがインターネットゲートウェイを通らずに、内部のネットワークだけでAWSサービスと通信できるようになります。
データが外部に出ないためセキュリティが向上し、インターネット経由の通信障害の影響を受けにくくなります。
※Session Managerの利用には、SSM / EC2 Messages / SSM Messages の3つのエンドポイントが必要です。ここでは例としてSSMエンドポイントの例を記載します。

 
const ssmVpcEndpoint = new ec2.InterfaceVpcEndpoint(this, 'SSMVPCEndpoint', {
vpc: this.vpc,
service: ec2.InterfaceVpcEndpointAwsService.SSM,
subnets: {
  subnets: this.privateSubnets
},// ※内部的にIsolated Subnetを参照
securityGroups: [this.vpcEndpointSecurityGroup],
privateDnsEnabled: true,
policyDocument: vpcEndpointPolicyDocument
});



③ 優れた運用効率:全操作のログ記録

運用効率についてはどうでしょうか。
Session Managerの設定(下記CfnDocument)で、セッション内容をCloudWatch Logsへ転送するように定義しています。
誰が、いつ、何を変更したという作業ログが保存されます。
万が一の障害や不具合などが発生した場合でも、ログを遡るだけで原因が特定できるため、可視化が可能になり、運用効率があがります。

this.sessionDocument = new ssm.CfnDocument(this, 'SessionManagerDocument', {
  documentType: 'Session',
  documentFormat: 'JSON',
  name: `${this.stackName}-SessionManagerRunShell`,
  content: {
    schemaVersion: '1.0',
    description: 'Document to hold regional settings for Session Manager',
    sessionType: 'Standard_Stream',
    inputs: {
      cloudWatchLogGroupName: sessionManagerLogGroup.logGroupName,
      cloudWatchEncryptionEnabled: true,
      cloudWatchStreamingEnabled: true,
      kmsKeyId: isProduction && this.kmsKey ? this.kmsKey.keyId : '',
      // ... (以下略)
    }
   }
 });


④ コスト最適化:NAT Gatewayの排除

最後にコスト最適化についてです。
PRIVATE_ISOLATED サブネットという、外部への通信が一切不要な、秘匿性の高いワークロードに適した構成です。
維持費(固定費)が高価なNAT Gatewayを設置せず、比較的安価なVPCエンドポイントで代用することで、月間のインフラ維持費を大幅に削減しています。

this.vpc = new ec2.Vpc(this, 'SecureVpc', {
  maxAzs: enableMultiAz ? 2 : 1,
  cidr: '10.0.0.0/16',
  subnetConfiguration: [
    {
      cidrMask: 24,
      name: 'Private',
      subnetType: ec2.SubnetType.PRIVATE_ISOLATED,
    }
  ],
  enableDnsHostnames: true,
  enableDnsSupport: true
});



まとめ

今回の検証を通じて、Powersの有用性が確認できました。抽象的な指示からでも、目視の範囲ではAWS Well-Architected Frameworkに沿ったベストプラクティスを反映したIaCコードを即座に生成できることがわかりました。
先述した通り、こちらからは「AWSのプライベートサブネットにあるEC2に、安全にログインできるようにして。なるべく安く運用が楽な方法がいい。」という抽象的な指示しか出していません。
インフラ設計における検討、作成などの時間を大幅に短縮できるツールとして可能性を感じました。
次回の構築してみた③では、生成されたコードをデプロイして検証したいと思います。生成されたコードを使って実際に環境を構築できるか、確認していきます!



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