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【AI Builder×Power Automate】Teamsでメンションされた内容を自動タスク化する方法

こんにちは!DXソリューション営業本部の中井と申します。
本ブログでは、Power Platformで「生成AI」機能を搭載するAI BuilderとPower Automateを組み合わせて、Teamsでメンションされた内容をAI Builderが解釈し判定したうえで、自動的にタスク化してくれるPower Automateフローを作成したいと思います。今回の例はあくまで一例となりますので、AI Builder初心者の方も実際に触れていく中で、どんな業務に活かせそうか想像を膨らませてみてください。
サービスと前提条件
必要なサービス:
- Power Automate
- AI Builder
- Microsoft Teams
- Microsoft Planner
前提条件:
- アカウント(Microsoft 365)を所持していること
- Teamsのメンション機能が有効になっていること
- AI Builderの使用権が含まれるライセンスを所持していること(AppsやAutomateの有償ライセンス)
業務フロー
今回は、Teamsのチーム内で、自分宛のメンションメッセージが発生したことをトリガーに起動するフローを作成します。フローにアクションとして設定するAI Builderは、それがタスクかどうかを判断します。タスクとして判断した場合は、自身の承認を得て、最終的にPlannerにタスクとして自動登録をさせます。
業務フローのイメージは以下です。
作成手順
ステップ1: AI Builder の作成
まずはメンション内容が、タスクかどうかを判断させるAI Builderを作成していきます。
AI Builder の作成方法については、以下のブログでもまとめておりますので、初心者の方は参考にしてください。
画面左上で名前を変更後、メンション内容を格納する入力パラメータを用意し、プロンプト欄でAIに与える役割と命令文を記載します。
出力形式を[JSON]にし、JSON例に従って出力するようにカスタマイズします。
今回の例ではタスクタイトル(Title)とタスクかどうかを判断する項目(IsTask)を用意しています。
{
"Title": "忘年会の日程調整",
"IsTask": true
}
|
JSON例の記載が完了しましたら、[適応]>[カスタムプロンプトを保存]で、AI Builderの作成は完了です。
ステップ2: Power Automate フローの作成
前ステップで、AI Builderの用意は完了しましたので、ここからはフローを作成していきます。
使用するフローの種類とトリガーは以下です。
フローの種類:自動化したクラウドフロー
トリガー:Teamsコネクタ「自分が@mentionedである場合」
[+新しいステップ]から、メンションのメッセージ詳細を取得するアクションを追加します。
アクション:Teamsコネクタ「メッセージ詳細を取得する」
チャネル項目はドロップダウンリストですが、[カスタム値の設定]>動的なコンテンツ[チャネルID]を選択してください。
[+新しいステップ]から、AI Builderのアクションを追加します。
アクション:AI Builder「GPT でプロンプトを使用してテキストを作成する」
ステップ1で作成したAI Builder を選択後、用意した入力パラメータに、Teamsメンション本文が入った動的なコンテンツを設定します。
[+新しいステップ]から、条件アクションを追加し、はいの場合に承認アクションを追加します。
アクション:
「条件」
条件アクションでは、ステップ1のAI Builder内で作成した、タスクかどうかを判断する項目「IsTask」を設定しています。IsTaskの中身がtrueであれば、AI Builderがタスクと判断したことになりますので、「IsTask 次に等しい true」と設定します。
Approvalsコネクタ「開始して承認を待機」
ここでは、Plannerにタスク登録をする前に、人間が最終判断を行います。[担当者]にはご自身のアドレスを設定し、どんな内容でタスク登録しようとしているか、[詳細]に設定します。
Power Auomate内で、GPTによるテキストアクションを追加する場合は、後続のアクションで、セキュリティの観点から人間によるレビューを組み込むことが推奨されています。アクション直後に承認アクションがない場合は、フローデザイナーの画面右上にある、[フロー チェッカー]においても、警告として表示されます。
詳細な理由については、以下MS公式ドキュメントをご確認ください。
[+新しいステップ]から、再び条件アクションを追加し、はいの場合にPlannerアクションを追加します。
アクション:
「条件」
承認アクションの結果が「Approve」の場合、タスク登録のアクションが動くように設定します。
Plannerコネクタ「タスクを作成する」
Plannerで使用しているグループID、プランIDを設定し、タイトルには、AI Builderで出力されたTitleを設定します。
ここまで作成したら完了です!全体の構成が以下のようになっていることを確認し、[保存]をしましょう。
フローのテスト
Power Automateのフローデザイナーの右上から[テスト]をクリックし、フローをテスト状態にします。
フローを起動するには、設定したチャネル内で、自分宛にメンションをする必要があるのですが、Teamsでは、自分自身をメンションすることは出来ないため、協力者を得てテストしてみましょう。
承認依頼がTeamsで届いたら、内容を確認。問題がなければ、[承認]を選択します。
Plannerにタスクが登録されていたら、テスト成功です!お疲れ様でした。
タスクではない、相手からの挨拶や返事などについては、AI Builderがタスクとして認識せず、承認依頼が飛んで来ませんでした。
まとめ
今回ご紹介したAI BuilderとPower Automateを活用したフローの作成例は、Teamsメンションの内容を自動で判別し、Plannerにタスクを登録するというシンプルなものですが、これはあくまで一つの例に過ぎません。AI Builderの強力な機能とPower Automateの柔軟な連携を駆使すれば、業務の効率化や自動化は無限に広がります。これからもさまざまなシナリオで活用できるツールですので、ぜひご自身の業務に最適な活用方法を模索し、試してみてください。未来の働き方をよりスマートにするための一歩として、是非AI Builderを活用していきましょう。
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