【Power Platform】Microsoft Copilot Studio のライセンス体系を紹介

こんにちは。DXソリューション営業本部の佐々木です。
今回は、Microsoftから提供されている Copilot Studio という製品のライセンス体系について解説します。
Microsoft Copilot Studio について
Microsoft Copilot Studio とは、Webサイトの情報やSharePoint上のファイルの情報を参照した独自のチャットボット(Copilot)を、ローコードで簡単に構築できるツールです。
Copilot Studioを利用すると、TeamsやSharePointと連携する社内向けのCopilotや、Power Pagesや顧客向けに公開するWebページと連携する社外向けCopilotなど、様々なシナリオにおける Copilot を簡単に作成することができます。
また、Microsoft製品との連携はもちろん、他サービスへの組み込みやAIによる回答の生成機能をプログラミング知識がなくとも実装可能であるため、業務の担当者が Copilot を作成することで工数の大幅な削減や業務自動化が可能となります。
Copilotに関する記事が他にもいくつかありますので、併せてご覧ください。
前提
本記事は Power Platform ライセンスガイド December 2023 の情報を引用しています。
最新のライセンスガイドは Power Platform ライセンスガイド を参照してください。
ライセンスの概要
Copilot Studio の機能は、Copilot Studio サブスクリプションライセンスを通じてテナント単位でライセンスが提供されます。
また、このライセンスは「請求対象メッセージ」の消費量(定義は下記を参照)に基づいて料金が発生します。
請求対象メッセージ
請求対象メッセージは、Copilot に送信されアクションや応答のトリガーとなるリクエスト/メッセージです。
また、Microsoft Copilot Studio の機能全体で使用可能なメッセージの数は定められています。
表1. 会話種類別請求対象メッセージの消費量
会話の種類 | 通常の会話(非生成AI) | 生成 AI(Gen AI)による会話 |
メッセージの消費 | 1 メッセージ | 2 メッセージ |
メッセージ使用例
- ユーザーが Copilot に会議の開始時間を質問し、Copilot が会議時間を回答する
= 1 メッセージ - Copilot が ユーザーに「こんにちは」とあいさつをする
= 1 メッセージ - ユーザーが Copilot に本日の会議予定を質問し、Copilot が生成AIで応答する
= 2 メッセージ
Copilot を作成するユーザー1人に対し、Microsoft Copilot Studio のユーザーライセンスが1つ必要です。
Microsoft Copilot Studio の提供体系
Microsoft Copilot Studio のライセンスと提供機能
表2. Microsoft Copilot Studio ライセンスと提供機能
プラン | Microsoft Copilot Studio 200 ドル/テナント/月 |
Copilot Studio for Teams (旧 PVA for Teams) 一部の M/O365 ライセンスに含まれる使用権 |
応答の出力先 | スタンドアロンのコパイロット | Teams チャットボット |
コパイロット/プラグインを公開できるチャネル | ・外部チャネル (例: 外部 Web サイト、FB、WhatsApp など) ・内部チャネル (例: 内部 Web サイト、Teams など) |
Teams のチャネル/チャットのみ |
メッセージ数/テナント/月 | 25,000 メッセージ 1 | 無制限 2(Teams のみ) |
生成 AI: AI による会話 | 〇3, 4 | ― |
独自のスタンドアロン コパイロットの構築 | 〇 | ― |
拡張された自然言語機能を使用した、 コパイロットのトピックの作成と反復実行 |
〇 | 〇 |
Copilot Studio の作成のコンテキスト内での Power Automate for Copilot Studio クラウド フローの作成 (自動化/インスタント/スケジュール済みのフロー) |
〇 | ― |
標準 Power Platform コネクタ | 〇 | 〇 |
プレミアムおよびカスタム Power Platform コネクタ | 〇 | ― |
Power Platform コネクタでのオンプレミスとクラウド サービスのデータ転送 | 〇 | ― |
Dataverse for Copilot Studio | 〇 5 | Dataverse for Teams |
マネージド環境 | 〇 | ― |
- Copilot Studio のメッセージは、Microsoft Copilot Studio の機能全体で使用可能な回数が定められています。メッセージの消費量についてはライセンス概要の 請求対象メッセージ を確認してください
- Microsoft Copilot for Teams のメッセージは、テナントごとに毎月無制限です。テナント内のすべてのボットで 24 時間ごとにユーザーあたり 10 セッションというサービスの上限が適用されます。詳細については、Microsoft Copilot Studio のクォータ、制限、アプリ登録、証明書、構成の値を参照してください
- メッセージの消費量は、通常の会話(非生成AI)= 1 メッセージ、生成 AI(Gen AI)による会話 = 2 メッセージです。通常メッセージと生成 AI メッセージは組み合わせ可能です。詳細についてはライセンス概要の メッセージ使用例 を確認してください
- 生成型応答機能の詳細については、生成型の回答を参照してください
- Microsoft Copilot Studio ライセンスの Dataverse の既定キャパシティは、Dataverse データベースが 5GB、Dataverse ファイルが 20GB、Dataverse ログが 2GB です
メッセージキャパシティ
購入した Microsoft Copilot Studio のメッセージキャパシティは月単位で付与されます。
そのため、当月に未使用のメッセージは翌月に繰り越されず、利用可能なメッセージを超過する場合は追加の購入が必要となります。
購入したメッセージキャパシティを頻繁に超過する場合は、社内でキャパシティ管理を行い、メッセージ消費量に見合ったライセンス購入を検討する必要があります。
Copilot for Microsoft 365
Copilot for Microsoft 365 はユーザーが利用するMicrosoft 365のプランにCopilotを追加するライセンスです。
この Copilot は大規模言語モデル(LLM:Large language Models)を搭載し、Microsoft Graph へのアクセスや Microsoft 365 のアプリやサービスとの統合を行い、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams などの各Officeアプリケーションに組み込むことで、チームやメンバーの業務効率化を実現することが可能です。
ライセンス要件
Copilot for Microsoft 365 を利用するには、以下の Microsoft/Office 365 ライセンスが必要となります。
エンタープライズ向けの場合、以下のライセンスが必要です。
- Microsoft 365 E3 または E5
- Office 365 E3 または E5
一般法人向けの場合、以下のライセンスが必要です。
- Microsoft 365 Business Standard
- Business Premium
表3. Copilot for Microsoft 365の料金
プラン | Microsoft Copilot for Microsoft 365 |
ユーザー/月 | ¥3,750 |
ユーザー/年 | ¥45,000 |
注意事項
Copilot for Microsoft 365 で紹介したライセンスと Microsoft Copilot Studio で紹介したライセンスはそれぞれが独立したライセンスとなっています。
Copilotをサードパーティの提供するサービスと連携するのか、或いはOfficeアプリケーション内で連携するのか、ユーザーのニーズに合ったライセンスを選択する必要があります。
利用例
Microsoft Copilot Studio
- カスタムサポートチャットボットの作成
従来までの定型的な会話からAI機能による自然言語を用いた精度の高い回答が可能となり、回答が難しい場合のみ業務の対応者へエスカレーションを行うことで、業務対応者の工数削減ができます。 - 社内相談AI
社内資料やデータ検索、または各部門への相談や連絡をCopilotが実行することで、検索作業の工数削減や社内コミュニケーションの効率化が見込めます。
Copilot for Microsoft 365
- 資料作成の支援
Word や PowerPoint、Outlook などと連携することで、Copilot が文章の下書きやスライドの概要を生成し、資料の効率的な作成が可能となります。 - 会議の要約や議事録の作成
Teams と連携することで、Copilot が会議中の発言を要約し議事録を作成します。
これにより従来まで会議参加者が手作業で行っていた議事録作成の工数削減が可能となります。
Microsoft Copilot Studio + Copilot for Microsoft 365
- 経費などの予算管理
Copilot Studio のプラグインを作成し、企業の基幹システムに Copilot が連携できるよう機能拡張をすることで経費の残予算をチャットベースで確認できるなど、社内情報をより広く、よりスムーズに得ることが可能となります。
まとめ
今回は、Copilot Studio という製品のライセンス体系をご紹介しました。
Copilot Studio は Copilot for Microsoft 365 の拡張機能を持っており、Copilot が Officeアプリケーション及びサードパーティの提供するサービスと連携することで、従来のチャットボットとは異なる幅広いソリューションを提供できます。
弊社はMicrosoft Copilot Studioパートナーとして、Copilot Studioを活用したソリューションに積極的に取り組んでいます。
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