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Azure Open AIとは ~ モデルの展開と料金プランについて ~

システムソリューション営業本部の原田です。
みなさま、OpneAIを使われていますか?
Microsoft の提供するAzure上でもOpenAIのサービスが使えるようになりました。
今後、各企業がクローズドな環境でOpneAIを使った環境構築や独自のアプリケーション開発を行いたいといった要望が増えてくると思います。
私たちはMicrosoft のソリューションパートナーとして、お客様にいち早く技術提供が行えるよう検証を進めています。
前回はリソース展開までをご紹介しましたので、今回はモデルの展開と料金について解説してみたいと思います。
1.モデルの展開について
1.「探索」をクリックし「Azure OpenAI Studio」に移動します。
2.Azure OpenAI Studioに移動したら「GPT-3プレイグラウンド」をクリックします。
3.プレイグラウンドへ移動したら、実際にベースモデルをデプロイします。
①左ペインで「デプロイ」をクリック
②「+新しいデプロイの作成」をクリック
③モデルを選択 ※各モデルの料金等の詳細は「2.モデルの詳細と価格について」にて解説
④デプロイ名を入力
⑤「作成」をクリック
4.デプロイが完了したモデルを確認します。
デプロイしたモデルが実際に動くか確認するため「プレイグラウンドで開く」をクリックします。
5.設定等はデフォルトのまま質問をしてみます。
今回は「Active Directoryの主な役割は何ですか?」と入力し「生成」をクリックしてみます。
すると回答が途中で途切れていることが分かります。
6.Parametersの最大長(トークン)をMaxの2048に変更して再度実行してみます。
すると今回は、途切れることなく回答をすべて見ることができました。
他にもパラメータがたくさんありますが、また別の機会に解説してみたいと思います。
2.モデルの詳細と価格について
2-1.モデルファミリ
Azure OpneAIでは目的に合わせて利用できる3つのモデルがあります。
モデルファミリ | 説明 |
GPT-3 | 自然言語を理解し、生成できるモデルのシリーズ。 |
Codex | 自然言語のコードへの変換を含め、コードを理解し、生成できるモデルのシリーズ。 |
埋め込み | 埋め込みを理解し、使用できるモデルのセット。 埋め込みは、機械学習モデルとアルゴリズムで簡単に利用できる特別な形式のデータ表現です。 埋め込みは、テキストの意味論的意味の情報密度の高い表現です。 現在、異なる機能に対応する埋め込みモデルの 3 つのファミリ (類似性、テキスト検索、コード検索) を提供しています。 |
参照元: Azure OpenAI Service モデル - Azure OpenAI | Microsoft Learn
2-2.モデル機能
各モデルファミリには、モデルシリーズが複数用意されており、性能やコストに違いがあります。
モデル名 | 概要 | 詳細 | 料金 1000トークンあたり |
Ada | テキストの解析、単純な分類、アドレスの修正、キーワード | 通常、Ada は最も高速なモデルであり、テキストの解析や、アドレス修正、および多くのニュアンスを必要としない一部の分類タスクなどのタスクを実行できます。多くの場合、より多くのコンテキストを提供することで Ada のパフォーマンスを向上できます。 | $0.0004 |
Curie | 言語翻訳、複雑な分類、テキストの感情、概要作成 | Curie は非常に強力でかつ非常に高速です。複雑なテキストの分析に関しては Davinci の方が強力ですが、Curie は感情の分類や概要作成など、多くのニュアンスが必要なタスクに対応しています。 | $0.002 |
Davinci | 複雑な意図、原因と効果、対象ユーザーの要約 | Davinci は最も能力の高いモデル ファミリであり、他のモデルが実行できる任意のタスクを実行でき、多くの場合、より少ない指示でできます。特定の対象ユーザーのための概要作成やクリエイティブなコンテンツの生成など、コンテンツの理解を深める必要があるアプリケーションに対して、Davinci は最適な結果を生み出します。 | $0.02 |
現在、Azure OpenAI で利用できるモデルは以下の通りです。
・code-davinci-002 ※1
・text-ada-001
・text-curie-001
・text-davinci-002
・text-davinci-003 ※1
・text-embedding-ada-002
・text-similarity-ada-001 ※2
・text-similarity-curie-001 ※2
※1: 2023年3月6日時点で最も強力なモデルは text-davinci-003 、最も強力な Codex モデルは code-davinci-002 となります。
※2: similarityと付くモデルとは、テキスト間の意味的な類似性を測るのに適したモデルのことで、クラスタリング(分類)や異常検出に向いているモデルとなります。
※3: Microsoft のサイトでは「Babbage」というモデル名が存在しますが、2023年3月6日時点で選択肢には出てこないようです。
【2023/3/7追記】
展開可能なモデルが展開するリージョンによって異なることが分かりました。
まだ検証パターンが足りてないかもしれませんが、リソースを束ねるリソースグループのリージョンは同じものを使っているので関係がなさそうです。
違いを確認するため、各リージョンに展開してみました。
現在展開可能なリージョンは East US、South Central US、West Europeとなります。
それぞれ展開可能なモデルは以下の通りです。
East USに展開可能なモデル
South Central USに展開可能なモデル
West Europeに展開可能なモデル
※「デプロイ可能」が”いいえ”となっているものが複数ありますが、一時的なものなのか、いつ可能となるのかなどは不明です。
Fine-tuning(カスタマイズされたモデル)について
展開できるモデルが異なることに起因していると思いますが、Fine-tuningを行うためのモデルもリージョンによって展開できるかどうかが異なるようです。
South Central US、West Europeの2つのリージョンでは以下のように選択可能です。
East USでは以下のように選択することができず、ウィザードを進めることができません。
OpenAIの展開時のデフォルト設定が”East US”になっているので、知らないとハマるポイントの1つかもしれません。
まとめ
前回のリソース展開から、今回はモデルの展開までを解説してみました。
ここまでは基本的にUI操作だけでできる内容ですが、ここから先はAPIの連携や独自の学習など、さらにテクニカルな作業となってきます。
また、実際触ってみないと「カスタマイズモデル(微調整モデル)がEast USでは使えない」ということに気が付くことができませんでした。
私たちQESはOpenAIおよびAzure OpenAI を全社展開し活用しながら理解を深め、お客様のAI活用を支援していきます。
特にMicrosoft、AWSといったクラウドに関する技術力には自信を持っており、
近い将来、OpenAIに関する技術もお客様へ提供していく予定で準備を進めております。
Azure OpenAIはAzureでは「Cognitive Services」の一部に分類されています。
QESでは過去にCognitive関連のブログも投稿しておりますので、ご興味がある方はご覧になってください。
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