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AWS Summit Japan 2026 DAY2 ─ AIエージェントの実装パターンが見えたセッション2選

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この記事のポイント

本記事では、AWS Summit Japan 2026の2日目に筆者が体験した、実践的なAIエージェントのデモ展示についてレポートします。行政窓口業務や教育分野において、「Amazon Bedrock AgentCore」などを活用した独自の検証構成と、再利用性の高い設計パターンをご紹介します。

  • 行政窓口業務を効率化する3つのAIエージェント:
    事前準備(データカタログ化・RAG構築)と窓口応答を分離する設計が特徴です。DynamoDBを活用した3つのエージェントが連携し、申請書から記入欄を抽出して自動入力を行う事例を解説します。
  • 長期記憶(Memory)を活用した個別指導AI:
    「Amazon Bedrock AgentCore」のMemory機能を活用したパーソナライズ学習のデモを紹介します。生徒の学習履歴や質問内容を長期記憶として保持し、セッションをまたいで一貫した学習サポートを提供する実践的なアプローチです。
  • 動画教材のマルチモーダル検索(S3 Vectors連携):
    動画をベクトル化する「TwelveLabs」と「S3 Vectors」を組み合わせたマルチモーダル検索のデモです。自然言語による意味検索で特定のシーンへピンポイントにジャンプできる画期的な体験をレポートします。

はじめに

こんにちは。DXソリューション事業本部の岡田です。

前回の記事では AWS Summit Japan 2026 の1日目に体験した生成AIブースをレポートしました。

2日目で回ったブースも紹介していきたいと思います。

Amazon Bedrock AgentCoreを活用した窓口応答AIエージェント

ひとつめに訪れたブースは、行政窓口での申請手続き対応を3つのAIエージェントで自動化する構成が紹介されているブースです。

行政窓口での申請手続き対応を自動化するAIエージェントのデモ構成

背景 ─ 窓口業務の課題

申請手続きの窓口対応は多くの組織で必要な業務ですが、以下のような課題を抱えがちです。

立場 よくある悩み
申請受付側 問い合わせ対応に追われ本来業務が進まない / マニュアル整備の時間が取れない
申請者側 マニュアルが難解 / 結局何を提出すればいいのか分からない

こうした「属人化しやすく、対応工数もかかりやすい」領域に、AIエージェントを組み合わせてアプローチするのがこのデモの趣旨です。

3つのエージェント構成

このデモは、処理を 「前処理(事前準備)」「応答(窓口対応)」 の2つに分けて、3つのエージェントで担当しているのが特徴的でした。どのエージェントがどちらを担当しているかは、下表の「フェーズ」列を見てください。

フェーズ エージェント デモでの具体的な動き
前処理
(事前準備)
テンプレート作成エージェント 申請書PDFをベクトル化して 記入欄を自動抽出 し、ヒアリングフロー を生成。あわせてDynamoDBのデータカタログ(後述)と、手引書参照用のRAG(Amazon Bedrock Knowledge Bases)を構築します。
応答
(窓口対応)
問い合わせ対応エージェント 利用者の発話を受け取る「受付」役。「住民税の支払いについて相談したい」といった発話に対し、データカタログを参照して該当しそうな手続きを提案します。
応答
(窓口対応)
手続き対応エージェント 手続き特定後の「記入代行」役。記入箇所がハイライトされ、ヒアリングフローに従ってAIが一項目ずつ聞き取り、申請書への記入を代行します。

3つのエージェントの土台には Amazon Bedrock AgentCore が使われていて、前処理側と応答側は DynamoDB上のデータカタログ を介してつながっています。資料で示されていたカタログの項目は以下のような形でした。

カタログ属性 内容
category アップロードした申請書の分類
description アップロードした申請書の概要
hearingFlow 申請書記入時のヒアリングフロー
manual 手引書の参照先となるRAG

面白いのは「前処理」と「応答」を別のエージェントに分けているところです。あらかじめ申請書を読み込んでカタログやRAG、ヒアリングフローを作っておくことで、応答時のAIの精度を高める狙いのようです。こういう仕組みが全国の窓口に入ったら、職員の負担はかなり減りそうだなと思いました。

教育分野におけるAIエージェント活用デモ

ふたつめに訪れたブースは、教育向けのデモ展示です。ここでは特に技術的に興味深かった2つをお伝えいたします。

パーソナライズ学習体験 ─ AgentCoreのMemory活用

生徒のこれまでの学習履歴や質問内容を踏まえ、苦手領域や学習スタイルを抽出して個別最適化された学習をサポートするAIエージェントのデモです。
教育分野におけるパーソナライズ学習体験AIエージェントのデモ画面

技術的には Amazon Bedrock AgentCore の Runtime と Memory を使っています。会話履歴から生徒の得意・不得意や学習ペースを長期記憶として保存・再利用することで、セッションをまたいでも一貫した個別指導ができる、という仕組みです。アプリ自体は aws-samples で公開されている OSS がベースになっているそうです。
「記憶を持つエージェント」が教育の現場でどう効いてくるのか、イメージしやすいデモでした。

マルチモーダルモデルを用いた動画教材の活用 ─ S3 Vectors × TwelveLabs

2日目で一番、欲しい!と思ったのが、講義動画をAIで検索できる マルチモーダル検索 のデモ(MediaHub アプリ)でした。
動画教材ってこれまでは「最初から最後まで見る」しかなくて、目当ての説明を探すのに早送りを繰り返していました。しかし、このデモでは、自然言語 で「こういう内容のシーン」と投げるだけで該当箇所にピンポイントで飛べます。キーワードの一致ではなく 意味(内容)で検索できている のが新鮮でした。

仕組み ─ 動画を「ベクトル」に変換して意味で引く

これを実現している裏側は、こんなコンポーネント構成になっていました。

コンポーネント 役割
マルチモーダル基盤モデル
(TwelveLabs Marengo / Pegasus、Nova Multimodal Embeddings)
Amazon Bedrock 経由で動画そのものを ベクトル化・解釈。これらのモデルで生成したベクトルをもとに、意味検索を実現している
Amazon S3 Vectors 生成された動画ベクトルを保存。ベクトル検索を前提としたストレージで、意味検索の問い合わせ先になる
AWS Lambda アップロードされたメディアを Bedrock に渡してベクトル生成・推論を実行し、結果を保存する処理を仲介
Amazon SQS / DynamoDB S3への動画アップロードを起点にイベント駆動で処理をキューイング(SQS)し、メディアのメタデータを管理(DynamoDB)
検索インターフェース(MediaHub) 自然言語や画像による意味検索を受け付け、ヒットした動画シーンを表示。CloudFront+S3でフロント配信、Cognito認証+WAF、AppSync(SigV4署名付きAPI)で保護

アーキテクチャ図を見ると、まず 動画をアップロードするとS3イベントが発火 し、SQS経由でLambdaが動いて、Bedrock上のTwelveLabs / Novaモデルで ベクトル生成・推論 を行い、その結果をS3 Vectorsに保存します。あとは保存したベクトルを使って 自然言語や画像で意味検索 する、という流れです。先に動画を解釈してベクトル化しておくあたりは、さっきの窓口応答AIの「前処理と応答を分ける」やり方と似ているなと思いました。

応用範囲

デモは講義動画が題材でしたが、研修動画や教材アーカイブ、図書館の動画コンテンツなど、教育機関が持っているいろいろな動画資産に応用できると紹介されていました。溜まれば溜まるほど探しにくくなる動画を、ちゃんと検索できる形にできるのはありがたいなと思います。ちなみにこのデモは、参考として aws-samples の sample-media-hub が紹介されていました。

まとめ

窓口応答AIの「前処理と応答を分ける」やり方、教育AIの「長期記憶(Memory)の活用」や「動画のベクトル検索」など、他でも使えそうな考え方がいくつも見られたのが面白かったです。
初めての参加でしたが、AWS Summit Japan 2026、2日間ともすごく充実した時間でした!

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