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業務で活用する!SharePoint入門

第1回 情報共有ツールの核となるSharePoint

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第1回 情報共有ツールの核となるSharePoint

  情報共有のツールとして定番の製品であるSharePoint。はじめて聞く人にも分かり易く、SharePointを業務で活用する基本的な方法を紹介する連載です。

 

はじめに

 

 SharePointという製品をご存知でしょうか?SharePointはMicrosoft社が開発・発売する情報共有ツールであり、世界中の企業、学校、団体などに多くの導入実績があります。導入規模(ユーザー数)は数名から10万人以上まで様々であり、幅広い現場で活用されています。

 本連載では「業務におけるSharePoint活用」をテーマに初心者にも分かり易い表現で情報発信をしていきます。

 

業務における情報共有ツール

 冒頭でSharePointを情報共有ツールと紹介しましたが、業務で活用される情報共有ツールには様々なものがあります。

 情報共有ツールで最も広く使われているものは「メール」です。 宛先に指定したユーザーに瞬時に情報を送信することが出来ます。近年はスマートフォンの業務利用も進んでおり、ほぼリアルタイムにメールの受信確認が出来る環境が増えてきました。

 次に「ファイルサーバー」も定番です。複数人で共有するファイルを設定されたサーバーに保管します。ユーザーやグループごとにフォルダ・ファイルのアクセス権限を設定する場合もあります。

 

 また、多くの企業では社内向けの「全社ポータルサイト」を公開しているのではないでしょうか。全社に向けたお知らせや通達など、主に総務部門・人事部門が発信する情報が社内からしかアクセスできないWebサイトとして提供されています。ポータルサイトの活用が進んでいる企業になると、各事業部門がそれぞれの目的に応じて「事業部ポータルサイト」や「プロジェクトポータルサイト」などを利用しています。実は、SharePointはこれらのポータルサイトをはじめとしたWebサイトとして、情報共有の場を構築するためのツールなのです(ポータルサイト構築以外にも様々な機能がありますが、今後の記事で順を追って解説します)。

 

【SharePointで構築したポータルサイト例】

 Sharepoint1-1.jpg

 Sharepoint1-2.jpg

「メール」「ファイルサーバー」の限界

 

 代表的な情報共有ツールとして「メール」「ファイルサーバー」「ポータルサイト(SharePoint)」の3つを紹介しました。これらの長所と短所を把握して上手に使い分けることで、業務効率をアップすることが可能です。

 人それぞれ携わる業務により、よく使用するツールは異なってきます。メールやファイルサーバーだけで事足りる!と感じる方も多いのではないでしょうか?確かに、小規模または固定メンバーのグループ内の情報共有においては、メーリングリストとファイルサーバーだけの運用で簡単かつスピーディに情報共有が出来ると思います。しかし、これらのツールにも苦手とするところがあり、状況によって課題が生じることになります。

 事業の拡大や組織変更で、たくさんの新規メンバーが参画してきた場合を想像してみてください。事業関係者の連絡先、業務に使用する書類データの所在と更新ルール、その他新規参画メンバーへの案内事項などなど、スムーズに共有することが出来るでしょうか?まず、メールデータについてはメーリングリストの過去メールをメンバー各自がダウンロードすることになります。そしてメンバー間の個人宛でやり取りされたメールにあるナレッジは個別に転送してもらう必要があります。次に、ファイルサーバーですが膨大な書類データが多くの階層に分類されている場合、それぞれの階層の目的と役割を一つひとつ説明する必要があります。また、ファイルサーバーの検索機能は主にファイル名からの検索であり、目的のキーワードに対するヒット率が低くなる傾向にあります。業務に対応する階層を把握していない新規メンバーが目的の書類データにたどり着く事は非常に困難です。

 「メール」「ファイルサーバー」だけで情報共有する場合に生じる課題は、新規メンバーのものだけではありません。例えば「ある書類データの最新版」を探す場合を考えてみてください。メールの場合、メールデータの管理は個人単位であり目的のデータを取得するスピードと精度は各個人のスキルに依存します(人によっては見つけることができない、または古いバージョンを最新版として使用してしまう事もあります)。ファイルサーバーであればバージョン管理が可能であるように思われるかもしれませんが課題があります。多くの人数で最新版をアップロードする場合、誰かが誤ったデータで上書きしてしまい最新の情報が失われてしまう事があります。上書きミスを防止するため「ファイル名 + 日付 + 更新者名」などの命名規則で運用するケースも多々ありますが、様々なバージョンのファイルが乱立するため、検索精度が低下することになります。

 このように、組織の規模が大きくなると「メール」「ファイルサーバー」のみで情報共有する場合に生じる課題がいくつもあることはご理解いただけると思います。

 

「ポータルサイト」としてのSharePointによる解決

 

 「SharePoint(ポータルサイト)」を利用すると、組織の規模が大きくなった場合に生じる情報共有の課題の多くを解決することが可能です。ポータルサイトという形式であるため、新規メンバーでも既存メンバーと同じ情報にすぐにアクセス可能です。さらに、ファイルサーバーの弱点であった、目的の書類データへの導線を提供することが可能です。バージョン管理機能も提供されており、1つのファイル名で最新のデータと過去のデータを確認することが可能です。さらに充実した検索機能も提供されています。

 このように、ユーザーにとっては至れり尽くせりのSharePointですが、メールやファイルサーバーと比べて、導入・運用の難易度とコストが高いという弱点があります。ポータルサイトには管理者が必要であり、組織の全ての情報を管理することは適切ではありません。よって、個人間の情報伝達はメールで、更新・参照頻度の高い情報はSharePointで、更新・参照頻度の低い大量のデータ(アーカイブデータ)はファイルサーバーで、といったように各ツールを上手に使い分ける必要があります。

 下記に情報共有ツールの特徴を表にまとめます。

【情報共有ツールの特徴】

特徴

説明

メール

ファイルサーバー

SharePoint

(ポータルサイト)

プッシュ通知

目的の相手に情報をプッシュ通知し、素早く情報を伝えることが出来る。

×

△※1

ナレッジ蓄積

業務ノウハウを誰にでも閲覧可能な形で蓄積し提供することが出来る。

×

導線提供

目的の書類データへの導線を提供することが出来る。

×

検索機能

キーワード検索の精度。

 

バージョン管理

最新版の所在が明確であり、上書きミスによる情報の損失を防止することが出来る。

×

導入・運用コスト

導入・運用の簡単さとコストの低さ。

△※2

※1 SharePointには特定の情報が更新された場合のメール通知機能を設定してプッシュ型で情報を配信する機能もある

※2 オンプレミスの場合はサーバーの構築作業が必要、クラウド版の場合はサーバー構築作業が不要で比較的安価に利用開始可能

 

ポータルの構築・運用に必要な機能

 

 ポータルサイトの構築はSharePointを使わずとも可能です。最も古くから行われている方法は、社内のIT管理者がHTMLで作成し、記事をアップロードしていくというものです。もちろんこの方法では、技術的な専門知識が必要なため情報更新ができる担当者が限られ、大量の最新情報をコンスタントに発信することは困難になります。

 SharePointには以下にあげるポータルの構築・運用に必要な機能が充実しています。

【SharePointの主な機能】

機能

説明

ページ作成・アイテム投稿

・HTMLを記述することなく、Webブラウザ上の操作でページ作成やお知らせ等のアイテム投稿をおこなうことが可能です。

ファイル管理

・バージョン管理機能により設定した世代数のファイルを保持します。誤って上書きした場合にも簡単に過去のバージョンを参照・ロールバックすることが可能です。

・ファイルに追加のプロパティ情報を持たせることが可能です。例えば業務上のカテゴリ情報を追加することで、カテゴリの分類でファイルを探すことが可能になります。

検索

・ポータルサイト全体または特定の場所に対してキーワード検索をすることが可能です。

アクセス権限設定

・ユーザーやグループ毎にポータルサイトに対する編集・アイテム投稿権限を付与することが可能です。編集権限を委任し業務の担当者に直接情報を掲載してもらう運用も可能です。

・ユーザーやグループ毎にアクセス可/不可の設定をおこなうことが可能です。

業務テンプレート

・「ドキュメント管理」「お知らせ」「リンク集」「掲示板」などの業務でよく使うテンプレートが標準で提供されており、簡単な設定作業のみで利用開始が可能です。

テンプレート展開

・サイト構成をテンプレート化して横展開することが可能です。例えば、事業部ごとに同じ構造のポータルサイトが必要な場合に、効率よく展開することが可能です。

今回のまとめ

 今回は情報共有ツールの中でのSharePointの位置づけと特徴について概要を説明しました。次回以降の記事では、SharePointを理解するための基礎知識や業務での活用例を紹介していく予定です。Microsoft社が提供するクラウドサービスであるOffice 365※についても、SharePoint関連の情報を中心に紹介する予定です。

※Office 365のサービスにはクラウド版のSharePointである「SharePoint Online」が含まれます。

 

 

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