
お客様の事業概要
農林中金全共連アセットマネジメント株式会社は、農林中央金庫(農林中金)と全国共済農業協同組合連合会(全共連)という、わが国トップクラスの金融機関の共同出資による資産運用会社である。
1985年に設立されたNKU投資顧問を前身に持ち、農林中金と全共連がこれまで培ってきた証券運用のノウハウを継承しつつ、高度な専門知識と豊富な経験を有する約110名の体制での資金運用業務を行っている。
なお、2009年3月現在の運用資産残高は約1兆6900億円にのぼる。
導入前後の比較
QESを選んだ3つのポイント
仮想環境を用いた高精度の検証作業
QESではシステムの移行にあたり、VMwareを用いてユーザーの実機と同様の仮想環境を構築し、精度の高い検証を行う。また、VMware社とはVIPエンタープライズパートナーとして強い協業関係を持っており、今までにも数多くの仮想環境で検証を行ってきた実績がある事も強みであった。
これによって、移行後のトラブルを最小限に抑えるとともに、業務に支障を与えることなく効率よく移行作業を実施できる点が評価された。
高度な技術力と万全のサポート体制
これまでも、サーバーの移設作業をはじめ、QESとはさまざまな形で付き合いがあり、その技術力の高さ、豊富なノウハウには定評があった。
また、Microsoftのゴールドパートナーという事で、何か問題が発生した際でも、迅速な対応を行える事が見込まれた。さらに、運用開始後のアフターフォローも丁寧で、迅速かつ柔軟に対応してくれる安心感があった。
QESでは保守サービスも行っている為、導入後にも一貫したサポート体制を任せられる事が、頼れるポイントでもあった。
ユーザーニーズに即した最適なシステムを提案
現場のニーズを的確に汲み取って判断し、いたずらに大規模なシステムを導入するのではなく、最も効果が上がる適切なサイズのシステムを提案する、QESの姿勢が信頼感を得た。
また、金融機関に対するシステム構築等の経験が豊富であることも評価された。
導入前の問題点

農林中金全共連
アセットマネジメント株式会社
業務開発部システムエンジニア
星野 智明様
農林中金全共連アセットマネジメント株式会社では、ハードの更新を実施したのを機に、サーバーOSであるWindows、さらにActive DirectoryとExchange Serverの更改を行うことになった。既存環境としてはWindows2000をベースにActive Directory2000がドメインコントローラ3台、Exchange Server2000が1台、および業務システム群で構成され、クライアントとしてOutlook2003が使用されていた。
システムの移行にあたっては、リリースされて間もないWindows Server2008を導入することになり、それに伴ってActive Directory2007、Exchange Server2008への更新が決定した。しかし、事前の調査結果において、いずれも一気に最新バージョンへアップグレードすることは、リスクが高くいったんそれぞれを2003バージョンに移行したのち、改めて最新バージョンへと段階的に更新する必要があると判断し移行設計を行った。
同社は金融商品を扱うという性格上、移行作業中、および運用開始後のトラブル発生は、場合によっては致命的な問題に発展しかねない。そのため、業務になるべく影響を与えずに作業を行うことと、同社内での業務アプリケーションなどの徹底した動作検証が求められた。
同社では、以前よりExchange Serverの冗長化に取り組んでいたが、現状の機能では十分でないと考えていた。冗長化とは、ハードウェアの故障によりシステム障害が起こったときに、コールドスタンバイ状態にある代替サーバーに切り替え、早期のシステム復旧を図るものである。
幸いにも、これまで同社では、このような大きなシステム障害が発生した事例はなかった。しかし従来の冗長化による対応では、復旧に要する時間を2~3時間と想定しており、金融機関である同社としては、万が一の事態に備えて、できるだけ時間短縮することを望んでいた。
また、高度な冗長化を考慮した構成にした場合、どうしてもコストの増大が発生してしまうが、そこは抑えたい部分でもあった。そこで、今回のシステム更改を機会にQESに対して、新たな冗長化の仕組みを構築して、さらなるグレードアップを図ることを要望された。
| 移行項目 | 移行元 | 移行先 | OS |
|---|---|---|---|
| Windows Server | 2000 | 2008 | 2008 |
| Active Directory | 2000 | 2008 | 2008 |
| Exchange Server | 2000 | 2007 | 2008 |
導入後の改善点
システム移行のためのプロジェクトは、2008年8月からスタートし、11月に作業を終了して、年内に稼働させることを目指した。
QESではシステムの更改にあたり、検証用の仮想環境をVMware上に構築し、ユーザーの実機に限りなく近い環境を再現して社内に持ち帰り、移行作業および各種業務アプリケーションの動作検証を徹底して行った。そのため、現状の本番環境に影響を与えず、実際の移行作業においても大きな問題が発生することなく、きわめて順調にWindows Server、Active Directory、Exchange Serverの最新バージョンへの切り替えが完了した。各アプリケーションについても、ほぼ問題なく動作することが確認された。
また、同社は今回の移行作業中、ならびに新システムの稼働後も現場の一般ユーザーがまったく意識せずに、いままでと同じ使用感を保ったままアプリケーションを利用できるよう希望していた。それは同時にQESのポリシーでもあり、結果的に業務に影響をほとんど及ぼさずに、移行作業を完了することができた。
同社が希望していた冗長化の向上についての要望にも応えた。Exchange Server2007で提供されるクラスタの中でも、コストが最小限で済むSCR(スタンバイ連続レプリケーション)機能を利用してデータ複製を行うようにし、さらに本来SCRでは障害時におけるサーバー切り替えは手動で行う必要があるが、QESが独自ツールを作成、カスタマイズを行い、ほぼ完全な自動化を可能にした。
SCRをこのような冗長化対策に使用するのはあまり例がなく、QESにとっても初めての試みだったため、構成を確立するまでに少し時間を要した。しかし、復旧までかかる時間を大幅に短縮することに成功し、限られた規模のシステムにおける冗長化向上の方法としては、コスト的にも非常に効率の良いものとなった。
今回、Exchangeユーザーの本番切替においてひとつだけトラブルがあった。それは、Exchange5.5時代からのユーザーに限って、Outlookが強制終了するという不具合が発生した。これは検証作業中にはわからなかったもので、QESではすぐに原因の究明に取り組んだ。なかなか原因は特定できなかったが、とりあえず現象の再発を防止する対策を迅速に行い、ユーザーの業務への影響を最小限に抑えた。
トラブル発生時のこうした対応の早さ、フットワークの軽さは、以前から同社がQESに対して高い信頼を頂いている部分でもあり、全力で問題の解決にあたった。

| 一般的な冗長構成 | SCRを用いた冗長構成 | |
|---|---|---|
| 費用 | ×(高価) | ◎(安価) |
| 対障害性 | ◎ | △ |
| サーバー台数 | × ・最低3台 (HUB/CAS:1台、MailBox:2台) ・完全な冗長構成とするには4台 (HUB/CAS:2台、MailBox:2台) |
◎ ・2台(HUB/CAS/MailBox:2台) |
| メリット | ・完全な冗長構成なため、対障害性が非常に強い ・CCRの場合、複製先のバックアップを取得可能 |
・比較的安価に冗長構成が可能 ・データはサーバー間で2重化される |
| デメリット | ・完全な冗長構成とするには4台以上が必要 ・SCCを構成するには外付けストレージが必須となり、単一障害点ができる ・外付けストレージの信頼性を上げるために高価になりやすい |
・障害時には手動での復旧作業が必須 |
今後QESに期待すること

(左)弊社担当 原田(中)人見 勝利 様 (右)星野 智明 様
これまで社内のシステムをいくつか手掛けており、その高い技術力やサポート体制は非常にすぐれたものがある。今後は個別のシステムだけではなく、社内全体のシステムを見渡した上で、更改の時期やコスト面、運用の効率化も含めて総合的にアドバイスをしてもらいたいと考えている。
また、他社の導入例等も含めて、システム構築・運用に関するさまざまな情報も、提供して頂けるよう期待している。






