
お客様の事業概要
高度な工業技術習得を目的に1967年に開学。高校での実習を前提とした実践的な教育を進めており、多くの技術者を輩出している。
開学以来モットーとしているのは「学ぶ人の個性が活きる技術教育」、「理論と実験、実践を一体化させた学び」だ。実際のモノづくりにつながるよう、語学を含めたすべての科目で専門科目と関連付けた学習を行なっている。
より実践的な教育を行なうため、1978年には日本初の教育用コンピューターを開発するなどコンピューターやマルチメディアを積極的に授業に取り入れている。
近年では、ハイレベルな知識と技術を学べることが評価され、工業高校以外からの入学希望者も増え続けている。
導入前後の比較
QESを選んだ3つのポイント
映像、音響、コンピューターシステムのすべてに高い技術を持つ
PCを使った業務システムだけではなく、店舗などの構築実績も多く持ち、映像や音響の設計ノウハウを持つインテグレーターを求めていた。
AV+ネットワーク+教育システムをインテグレート
ネットワークに接続された装置を並べればいいだけではない、教育システムとしての構成を理解しているインテグレーターは多くない。
QESは多種多様な施設構築で積み重ねた映像、音響のノウハウとPC、ネットワークシステム開発の実績と教育システムへの深い理解があり、高度にインテグレートされたマルチメディア教室の構築が可能と判断した。
現場のニーズに応じるシステム構築が可能
本当に使われて効果を上げるシステムを作るためには、現場での運用状況を正しく把握し、そこでのニーズに的確に応えなくてはならない。
QESは綿密な事前ブリーフィングや幾度にもわたるミーティングで、そのシステムに求められる真のニーズを聞き出し、それらを汲み入れたシステム環境を実現する。
導入前の問題点
日本工業大学では、10年以上前に構築したマルチメディア教室のリニューアルを検討していた。
このマルチメディア教室は、施設が古くなり入れ替えが必要だったということの他にも、いくつかの課題を抱えていた。
教室で授業を進めるにあたって重要なのは、講師と学生とのコミュニケーションだ。一方的に学生に知識を押し付けるだけでは効果的な学びにはつながらない。示された問題に対して学生が考え、反応し、それに対して答を示すことで学生は活きた知識として学び、習得できる。
そのために日本工業大学では、レスポンスアナライザーという装置を効果的に使用している。これは学生が座る机にボタンを設置しておき、学生にボタンを押させることで反応を得ることができるというもので、挙手などによる積極的な意思表示を行なわない学生からも素直な反応が得られ、円滑なコミュニケーションに大きく寄与している。
しかし、得られた結果はその場限りのもので、それ以外のことへの応用はできていなかった。また、もっとも重要なコミュニケーション手段である講義の音声に関しても、音響環境に不満を持っていた。
マルチメディア教室ではマイクからの音声以外にビデオやPCなど、多岐にわたるソースからの出力に対応しなくてはならず、うまく調整できていなかったのだ。
前回の教室構築の際に音響、映像、PC、ネットワークと個別の会社が構築を担当したことも影響していた。多種のソースをバランスよく出力するために必要な、それを見越した全体設計ができていなかったのだ。そのため、それぞれの機能は高機能でも、高度連携したシステムとしては稼動できていなかった。
こうした経験をもとに、日本工業大学では映像、音響に強く、なおかつPCやネットワークの実績を持ち、全体のシステム設計から設置までを1社で行なえるインテグレーターを探し、数社に依頼した。そのうちの1社がQESだった。
他社が汎用品を組み合わせた高価なシステムを提案してきたのに対し、QESは日本工業大学が必要とする機能にフォーカスし、重装備とはならない提案を行なった。
多機能であるあまり操作が難しくなり、教室自体の利用が促進されなかった経緯もあり、日本工業大学はQESが提案した本校の本意に基づいた使い勝手の良さそうな構成に魅力を感じた。
また、金融店舗や教室の構築実績も多く、ノウハウを持っていたこともQES選択の理由となった。
導入後の改善点

QESの構築した装置を備えたマルチメディア教室の
風景と「タッチパネル化されたモニター」
システムの設計が始まると、日本工業大学とQESは綿密なミーティングを重ねた。実際の利用シーンや運用形態に深い理解がなくてはシステム設計は行なえない。ミーティングを繰り返し、QESは現場のニーズを汲み上げながらシステム設計を行なった。
特に要望の強かった音響に関しては、設置される機器や授業でのマイクの使われ方を考慮し、さまざまなソース、自由な利用形態に対応できるよう設計された。

学生側からのレスポンスを受ける
「マイク」と「アナライザー装置」
授業に使われるマイクだけでも、スタンドに固定されたものやワイヤレスなど数種類が用意され、
そのいずれでも高い音質を実現している。学生には聞きやすく、講師の授業スタイルを縛らない柔軟なシステムだ。
多岐に渡る映像ソースを切り替え、もしくはミックスしての出力には、QESの豊富な経験が活かされている。高画質なだけえではなく、ホワイトボードに文字を書き始めるとメインディスプレイの表示が自動的にホワイトボードに切り替わるなど、現場の利用スタイルを理解していなくてはできない細かい機能も組み込まれている。メインディスプレイには、以前から使われている100インチのスクリーンが流用された。使える部分を残して流用するという細かい対応が可能だったのも、完全なカスタム仕様だったためだ。
アナライザーの操作はタッチパネル化され、そのときに必要なボタンのみを表示することで操作をシンプルにできた。操作が簡単で利用しやすくなり、教室自体の稼動効率向上につながっている。
また、操作盤の作り変えが容易になったため、部分的な変更や機能追加も可能になった。実際、運用を始めたのちに利用者の声を反映して機能を追加するなど、進化を続けている。そして、シンプルな操作という観点はシステム全体にも当てはめられている。
その一例が電源スイッチの統合だ。ISO14001を取得している日本工業大学では、授業が終われば不要な電源を切ることになっているのだが、教室にはサーバーなど電源を切ってはならない機器もあり、電源のオン/オフだけでも操作はややこしくなりかねない状況だ。
これを解消するために、電源スイッチを統合して、オフにすべき機器の電源をまとめて操作できるようになっている。これはオフにしてはならない機器の電源の誤操作防止にもなっており、利便性と安全性を兼ねた工夫だ。
今回QESが納入したシステムには、学生が使う机や座席も含まれていた。各机に設置されるディスプレーがブラウン管から液晶ディスプレーに変わったことに合わせ、机も奥行きの狭いものに変更され、学生が集中して受講できる環境を維持しつつ教室への収容員数を198名から276名へと大幅に増やしたことも、今回のリニューアルの大きな功績となった。
教育のためのシステムを構築するためには、ビジネスシステムとは別の工夫が必要だ。ビジネスのスタイルは企業内で統一することで効率化されるが、教育現場においては授業ごと、講師ごとの教育スタイルを活かさなくてはならないため、さまざまなスタイルに対応できるシステムを構築する必要がある。
QESはそんな教育現場でもニーズに応えられるシステムインテグレーターだ。
今後QESに期待すること

今回構築した教室に対しては、より高機能でかつ、さらに使いやすいものにカスタマイズしていきたい。今後も学生とのコミュニケーションに重点をおいたマルチメディアな環境を活用できる教室を整備していきたいと考えるが、学生の学習意欲を高め、さらなる進化を続けるために、QESには現場でのノウハウを積み重ね続けてほしい。







